(2)候補数を消す手筋
⑦「オセロ石」を用いる
手筋というより手筋を見出す方法論です。候補数の書かれた例えば図1から「X-wing」や「Sword Fish」をより確実に見つけたいと思います。ここでマーちゃんは「オセロ石」を用います。オセロゲームに使用される白面と黒面を持つ石です。最初は碁石を使用していましたが、オセロ石の方が碁石より小さいくて安定性が良いので、今はオセロ石を使用しています。手に入りづらければ碁石でも良いでしょう。
それではどう使用するのか。図1を見て下さい。
図1
この問題は前回のブログで使用した問題で、この局面で「X-wing」や「Sword Fish」を捜しました。この局面でオセロ石をどう用いるのか。前提が一つあります。市販の「数独」や「ナンプレ」問題をいきなり解くのではなく、予めオセロ石を入れることの出来る大きさの問題用紙を用意して欲しいのです。面倒と感じられることでしょうが、多くて9個の候補数を書き入れる為にも、オセロ石を用いて「Sword Fish」等の手筋をより視覚的に見つける為にも、一度はやや大きめの用紙を作成し、以後はコピーして使用する事をお勧めします。図2を見てください。
図2
図2は候補数1について考えています。既に1が確定しているマスには白を置き、候補数1のあるマスには黒を置きます。そしてじっくりと石の配置を眺めます。最初は行について眺めます。まず「X-wing」が成立していないか、見ます。行について2個の候補数がその成立要件でしたから、2個の候補数のあるa行とh行を見ると、なんと最初から「X-wing」の成立が視覚的に発見できるではありませんか!
もし発見できなければ、次に列について考察し、それでも発見できなければ「Sword Fish」はどうかと考察を進めます。候補数1が終われば、候補数2について同じ様に考察を進め、最後は9まで進めます。
今は候補数1の段階で「X-wing」だけが発見されたとします。手筋「X-wing」により図3の様に、d9、f8、f9の黒を取り除き、かつ候補数1を消します。
図3
図3から更に黒を取り除き図4に至ります。
図4
さて候補数2から9まで、ご自分でやってみて下さい。
どの段階でこのような用紙にオセロ石を乗せて考察を始めるのがベストか?一概には言えませんが、今のところは”X-WingやSword Fishを見つけねばならない局面に達したとき」からと述べておきます。
さてマーちゃんは候補数3で「Sword Fish」を見つけました。図5見てください。
図5
この局面で、実は列について「X-wing」が成立しているのですが、それには気が付かなかったとの前提で話を進めます。「Sword Fish」が成立しないかを調べる為、行で候補数が3個または2個の行を考えます(候補数1個は考えると言うより、その1個の候補数のマスはその候補数が確定数となります)
この局面で該当行はa行、c行、f行、h行です。この4つの行から旨く3つの行を見つけて、その3行の候補数が3列に収まるか、考える訳です。見つけ出すには訓練と熟練が必要ですが、高校時代に習った数学の「順列・組合せ」を持ち出すまでもなく、4通り全てを丁寧に調べ尽くしてもいいわけです。
a行・f行・h行の3つの行は1列・3列・9列だけに候補数が存在しますから、「Sword fish」成立です。これらの列から他の候補数3の上の黒石を取り除き候補数3を消しゴムで消し、図6に至ります。
実は「X-wing」が成立しているのですが、と書きました。手筋「X-wing」で候補数を取り除いても、「Sword Fish」を用いたのと同様に図6に至ります。
図6
更に黒石を戻し、図7に至ります。
図7
その後は列について考察し、更には候補数4~9まで考える、というかオセロ石を用いての作業を続けるわけです。
この様な方法はもはや「数独解決」では無い、とお考えでしたら、オセロ石を用いないで、候補数を眺めることに集中してください。マーちゃんはこの方法は許されると考え愛用し、比較的簡単に、視覚的に、手筋を発見しています。次回のブログでは「X-wing」の更なる拡張(4次元)を紹介します。