マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

差額ベッド代は払わずに済ませられるのか

2023年10月17日 | 医療

 自分の健康問題や介護問題に以前より遥かに関心が向くようになってきている。中でも金銭が絡む「差額ベッド料」は特に気にかかることのひとつだ。折しもこの問題を「しんぶん赤旗日曜版」が6月4日号で、朝日新聞が9月9日(土)の朝刊で取り上げていて、それを読んで理解が進んだ。
 入院した時に「大部屋は空いていないので、1日8580円(消費税込)の個室になります」と言われ、出来れは、安い部屋への入室を希望するにもかかわらず、(大部屋の空きがあるに)より料金の高い部屋への入院となってしまった話を良く聞く。当然この費用は公的医療保険対象外である。
 「差額ベッド」問題に長年かかわって来た「ささえあい医療人権センターCOML」の山口育子理事長はこう語る。「政府の答弁書には『緊急を要し、患者の選択によらずに特別室に入院させた場合は、差額ベッド料を求めてはならない』と書いてあります。その上で患者の希望する病室に空きベッドが出たら移すとうい対応が想定されます」と。この通知があれば患者側に有利にものが進むはずである。(写真:ささえあい医療人権センター理事長山口育子氏)
 ところが、そうは問屋が卸さない、らしい。山口さんは続ける。「ここで重要になるのが『同意書』の存在です。厚労省は、『設備や料金について明確かつ懇切に説明した上で、患者の同意が得られる場合には、料金を徴収できる』としています。同意書があれば『患者が納得した』と見なされるのです」と。厚労省の通知は、病院の用意する『同意書』の前では絵に描いた餅になってしまうのだ。だから『同意書』にサインしなければ良いのだが、、同意を拒んだら医療者との関係が壊れてしまうのではないかと不安になり、サインに応じてしまう患者は多いはずだ。
 赤旗日曜版ではこんな例が紹介されていた。黒田節子さんという方が「個室だと経済的に大変なので、大部屋に移してほしい。厚労省から『大部屋がいっぱいだという理由では差額ベッド料を請求できない』という通知がきています」と看護師に訴えると、看護師長にまで話が通じ、最終的に差額ベッド代を払わないで済んだそうな。厚労省通知を知っていることを示すことが大事なのだ。
 さて、私が当事者になった時にどうするか。方針は既に決めてある。私(私の代理人かもしれないが)は「ささえあい医療人権センター」(本部は文京区本郷3丁目にある)に相談し、更には、朝日新聞と日曜赤旗のこの記事の切り抜きを病院係者に示すのだ。
  最後に山口さんは次のように語った。
 「医療者に依存するのではなく、人間関係を良好に保ち、うまくコミュニケーションを取る。『差額ベッドの支払いに納得できない』という病院にとって困るメッセージを人間関係をこわさずに伝えられるのか。患者が『賢くなる』努力とコミュニケーション能力も問われているのです」・・・「受け身ではない、伝えられる患者におなり下さい」と語るのだが、これは生易しいこことではない。


原因不明の高熱

2023年09月07日 | 医療

 9月1日の夜中だった。寝苦しいので起きてしまい、発熱を感じ測定すると39度。遂にコロナに感染したと直感し、暫く続く忍耐の日々を想像し暗澹たる気分になり、激しく落ち込んだ。 
 明け方、再度体温測定をすると37度台だったが、コロナ検査をしてくれる、掛かりつけ医の谷口医院に電話。特別の予約なしに検査を受けられると聞いて開院5分前に来院。検査結果はコロナ、インフルエンザ共に陰性とのことだった。谷口先生は「念のため体温測定をして下さい」と付け加えたが、コロナではないこが確認できたので大きく安心し帰宅したのだった。
 ところが、帰宅して医師の指示通り体温測定を1時間おきに行うと、38度台・36度台・38度台と変化した。私にはこの体温変化が理解出来ないで、原因不明の高熱と感じられた。「コロナ検査は発熱後すぐの測定では陰性と出ることもあり」とのメールも来ていて、再度谷口医院での検査を考えた。
 9月2日に朝の体温は36度台の状態であったが、谷口医院で検査を受けると又してもコロナ、インフルエンザ共に陰性。やはりコロナは陰性であったと一安心したのだった。
 この日、その足で泌尿を診てもらう事になっている細部医院に行った。そこでの尿検査の結果を告げる細部先生曰く「熱が何度も出ませんでしたか。精巣上体炎」ですと。「精巣に入った菌が悪さをして発熱が起こっています。抗生物質の薬を朝昼晩に2錠づつ1週間飲み続けて下さい」とのことだった。一時的にコロナではないと安心したものの、真の原因に辿り着いての安心ではなかったのだ。薬を1週間しっかり飲めば治りますとの話を聞いてほっとしたのだった。
 
 


ブースターワクチン接種等など

2022年01月21日 | 医療

 昨年の12月から今年の1月にかけて、新型コロナワクチン接種後の抗体量検査とPCR検査の2つの検査を受け、明日がブースターワクチン接種となった。
 まず受けたのが抗体量検査。11月段階では残存量の大小に応じて3回目のワクチン接種をするか否かを判断しようと考えていた。しかし、オミクロン株に対しては今までのワクチン2回接種の有効性の確率が落ちてきていると報じられ、3回目のワクチン接種は受けようと考えを変えた。それでは抗体量検査は不要とも思えたが、こんな経験は今後無いだろうから(?)一度検査を受けて見ようと、かかりつけの医院で検査を受けた。
 結果は426AU/ml で、ドクター曰く「やはりかなり落ちていますね」とのこと。6ヶ月後の標準値を知りたかったが、「一概には言えません」との事。
 1月には無料PCR検査を受けた。自覚症状など全く無いがオミクロン株に感染している可能性はゼロではなかろう。検査が無料ならば受けて見ようと考え、ご近所の「ウエルシア薬局」で検査を受けた。検査官が来て鼻などから検体を採取するのではなく、薬局から渡された容器にその場で自分の唾液を入れる方法だった(2021/5/28のブログに書いた方法と同じ)。3日後にはスマホに検査結果が届き“陰性”との事。予めそうだろうと予測していたが、まずは一安心。
 さて3回目のワクチン接種。文京区の当初予定では、2回目接種後8ヶ月経過した者が対象で、接種予定日は2月20日との事前指定の通知が来ていた。しかし、方針転換が図られ7か月経過後の前倒し接種が可能となった。14日からはコールセンターの予約サイトでも予約変更可能とのことだったので、14日朝9時過ぎにネット予約した。第1回目の予約時には大変に苦労したが、今回は簡単に予約が出来、明日の22日にシビック25階でファイザー社のワクチン接種を受けることが決まった。
 オミクロン株への感染がピークを増す以前に3回目のワクチン接種を受けていることが望ましいだろう。接種率が国民全体で50%越えている国が多々あるなかで、日本はまだ1%台(世界101ヵ国中94位。OECDの中では最下位)。この点でも日本政府の対応は後手後手に回っている。


治療薬イベルメクチンはどうなったのだろう?(その2)

2021年08月27日 | 医療

 イベルメクチンには新型コロナの感染者数や死亡者数を劇的に減らす効果があるーーそんな臨床実験の結果が今世界で続々と発表されているそうな。日本でも北里大学がその治験を細々とながら続けて来た。 
 BS・TBS「報道1930」はその治験を主導する北里大学の花木秀明教授(大村智記念研究所感染制御研究センター長)に出演してもらい色々と聞いていた。

 この治験はダブルブラインド(二重盲検)と呼ばれる、非常に手間のかかる、大変な治験のようだ。治験参加に同意した被験者を2つのグループに分け、一方のグループには
本物のイベルメクチンを投与し、他方のグループには見た目では全く分からない偽薬が投与される。最大のポイントは、与える薬が本物か偽薬かを医者さえも分からないよう仕組みになっていて、その全体を把握している観察者のみが知っているという治験だ。
 イベルメクチンの販売権を持っているメルク社に治験協力を依頼したら断られた。そこで、日本の医薬品メーカー興亜と相談をしたところ、三輪社長から「利益を度外視し、国民の為、世界のため、イベルメクチンの新しい治験をしましょう」との話が立ち上がってきた。興和という製薬メーカーが乗り出してくれることで、今までより大規模な治験が可能となって来ている。イベルメクチンは安い薬なので大きな利益を見込めないからメルク社は共同治験に乗らなかったかもしれないが、逆に安い薬ゆえ発展途上国がいち早くこの薬を展開していった理由もそこにあった。

 世界の動き見ると、世界各国のイベルメクチンの臨床試験を調査・解析するFLCCC(米国の救急救命医学領域の医師らによって結成された組織)は「イベルメクチンは新型コロナに有効」として使用を推奨してきた。一方、
WHOは「証拠が非常に不十分」として使用に否定的な立場だ。









 そのような状況のなかで治験に向けた大きな動きが始まっている。アメリカでは政府関係サイトでの15000人参加者の募集を開始。
イギリスではオックスフォード大学主導で、自宅療養者を対象5000人のボランティア対象の治験が開始された。
 治療薬レムデシブルはアメリカでの認可が下りたので日本でも治療薬として認められ、健康保険適応がなされている。イベルメクチンに期待されるのは軽症のうちに投与して重症化を防ぐ効果があるか否か。


 花木教授以外にも武見氏(自民党新型コロナ対策部長代理)と岡本氏(立憲民主党政調会長代理)をコメンテイターとして招いていた。
 花木教授・・・治験は現在第Ⅲ相。年内にも終了し来年にも厚生労働大臣に申請できる。興和との話し合いでは今年中に治験を終わらせたい。



 武見氏・・・我が国には海外で治験実績がある医薬品・ワクチンには特例承認がある。国内で治験されたものについては特例承認の対象ならないという難しい課題を持っている。そこで緊急使用権限を我が国でもきちんと法例化しようと野党とも相談して、この緊急時に早く適用することを考えている。
 花木教授・・・アメリカでは緊急に治験をやってレムデシブルなど承認された。アメリカで承認されたものは、日本に持ってくれば1週間もあれば日本で承認されてしまう。それが日本ではなぜ出来ないのか。人命がかかっているからアメリカと同様な緊急使用権限を使えるようにして頂きたい。
 岡本氏・・・私たちは6月8日に法案を出し、自民党に審議の要請をしている。しかし国会を閉じてしまった。医師はイベルメクチンを処方することは出来るが、副作用が出た時の補償がない。補償が出来きかつ健康保険の適用が出来るようにしよういう法案で、患者には実質的に承認されたと同様の効果がある。特例承認ではないが、より医師主導で使えるように出来る。
 武見氏・・・緊急使用の新たな制度は昨年の10月頃から自民党のガバナンス小委員会の中では私たちは提言している。昨今はそういった認識を持つ仲間が増えてきている。与野党合意が出来る成案が出来て早ければ臨時国会に出せればいいと思っている。
 花木教授・・・大村先生は大変喜んでいる。効くかどうか判断した上で、効くならば多くの国民に飲んで頂きたい。イギリスやアメリカは国が主導で動いている。日本は逆で、我々の方から国に依頼して治験をやらせて下さと言っているが国は渋っている。日本では何故国の主導で出来ないのか。
 武見氏・・・この方面の担当者の中で、それほど積極的に資金を提供しようという認識が生まれてない。これを政治的な圧力でやらせるわけにいかない。野党の皆さんと協議し不当な政治的圧力と言われないようにしたい。

 日本は官僚主導国家と言われてきた。国民の命と健康を守る政策を積極的に推進しようとしない官僚たちの存在を武見氏は認めている。現政権には一刻も早く国会を再開し、法案審議に応じてほしい、と思う。

 

 

 


治療薬イベルメクチンはどうなったのだろう?(その1)

2021年08月20日 | 医療

 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない。東京都のモニタリング会議では専門家が「制御不能で災害レベルの非常事態だ」と現状を分析。医療提供体制は「深刻な機能不全に陥っている」とした。13日段階での東京都の感染者は5773人、自宅療養者と入院・療養調整中の者の合計は3万4千人を超えている。東京都医師会々長は厚労大臣に野戦病院的なものの建設を提案したと伝えられている。東京都はどうしてこの政策を取らないのだろう?
 特措法31条の2には、医療機関が不足し、医療の提供に支障が生ずると認める場合には、患者等に対する医療の提供を行うための施設であって都道府県知事が臨時に開設するものにおいて医療を提供しなければならない・・・と定められているではないか。

 一方、軽症・中等症患者向けの新治療薬の「抗体カクテル療法」が、医療機関で使われ始めている、との報道も目にした。少しは明るい話題だが、私はイベルメクチンに思いが行く。医療に門外漢の私が僭越にもこう書くのは、イベルメクチンについての、7月7日の
BS・TBS「報道1930」を見て、日本の治験体制に疑問を感じたからだ。(写真:イベルメクチンは飲み薬)
 エジプトの治験では投与しない群と比較して投与群の死亡率は7分の1になり、インド・トルコなどの6か国の治験では投与群の死亡率は非投与群の約4分の1になったと報道されていた。日本でも最終治験が始まったとか。


 6年も前になるが、イベルメクチン発見者の大村智先生のノーベル賞受賞のニュースを聞いたとき、その経歴を知って先生が身近に感じられる一方、イベルメクチンの投与でオンコセルカ症から救われた子供たちに囲まれた先生の写真を見て、本当に嬉しくなった。私にとってイベルメクチンは印象深い治療薬となっていた。更にそれが新型コロナの治療薬の可能性があるとは。(写真:イベルメクチン投与でオンコセルカ症から救われた子どもたちに取り囲まれて、歓迎される大村先生。2004年。ガーナ共和国で)

 


 この間『大村智物語』など何冊かの本を読んだ。多くの方が知っていることかも知れないが、今回のブログでは大村先生とイベルメクチンそのものに触れ、各国の治験の様子や疑問に感じたことについては次回に回したい。
 大村先生は1958年に国立山梨大学学芸部自然科学を卒業後、都立墨田工業高校定時制に理科教師として赴任した。私も地方の国立大学出身で、人文学部理学科数学専攻を卒業後、都立高校の定時制に勤務した。出発点だけは同じ様な環境だったから身近に感じれらたのだろう。
 イベルメクチンが発見されるまでの経緯は波乱に満ちたドラマのようだ。
 1973年、ウエスレーヤン大学に留学していた、大村先生は帰国後、製薬会社メルク社と産学連携の契約を結んだ。研究開発のターゲットは、動物の消化器官にいる線虫という寄生虫を殺す薬を探すことだった。
 メルク社は大村研究所から送られて来た放射菌「OS-3153」株(OSは先生のイニシャル)の培養液をマウスに投与したところマウスの寄生虫が減っている実験結果を得た。大村先生とメルク社の研究グループは、この微生物から抽出して単離した化学物質をエバーメクチンと名付けた。
 メルク社からは「OS-3153」株を3億円で買いたいと申し出があったが、大村先生はこの提案を拒否し、売り上げに応じたロイヤリティ支払いを主張。こちらの契約から、その後北里研には200億円以上のロイヤリティーが支払れたそうな。これは先生に先見の明があった逸話として今に語り継がれている。
 メルク社はマウスの実験結果を受けて、家畜動物にも効果があるかを調べるための大掛かりな動物実験に取り組む。エパーメクチンを動物に投与するように化学的に改良し、これをイベルメクチンと名付けた。放牧された牛のグループを2つに分けた治験ではイベルメクチンを1回飲ませた牛のブループから寄生虫は殆ど無くなっていた。
 イベルメクチンを動物薬として特許申請後製品化し、犬への投与を試みると、ただ1回の投与でフィラリアとうい寄生虫にも効くことが分かった。犬の寿命が延びた理由とされている。ここから人間の疾病にも使ってみようと思い至ったのは自然の成り行きだった。
 イベルメクチンは世界中で知られるようになり、河川盲目症といわれるオンセルカ症にも劇的に効くことが分かった。1回の投与で治療および予防薬としての効果がある。現在までに全世界で3億人の人々に投与されて来た。そのイベルメクチンが新型コロナウイルス感染症にも効く可能性が出て来ているそうな。多くの国で治験が開始され始めた。