旅の3日目は大移動日でした。奈良から一気に志摩半島の南端賢島への移動です。この日の20日(火)から22日(木)までの3日間は松阪で途中下車したり、伊勢湾沿いに賢島⇔伊勢神宮を2回にわたって往復移動することもあり、それに向けて便利で、お安く済む「ご朱印巡りきっぷ」(近鉄発行)なるものを京都駅で購入しておきました。
このキップは、例えば京都⇔賢島往復乗車券に特急券が付き、その間のフリー区間は乗り降り自由で、更に2枚の特急券付き。おまけに「赤福」でのお召し上がり券・伊勢おかげ館入場券などなどの特権が付いています。京都⇒賢島の片道の乗車券+特急券だけでも4320円ですから、そのお安さは半端ではありません。その特権を最大限利用すべく、移動の途中で立ち寄ったのが松阪。
4年前にも一度訪ねたことがありました。松阪も街歩きの楽しさを存分に味あわせてくれる城下町です。町なかを清流が流れ、杜の城址があり、背景には小高い山が広がり、あちこちに歴史遺産が点在します。松阪牛だけの町ではありません。
以前に行った時と同様、「松阪商人の館」や「本居宣長旧宅跡」などを見学し、阪内川ほとりを散策した後松阪城方面へと向いました。前回は城址に上り、松阪の町を一望し、本居宣長記念館を見学しましたが、今回は城址入口手前を左折し「御城番屋敷」に向かいました。観光情報センターで仕入れた資料で、ここが重要文化財に指定されていることを知ったからです。(写真:阪内川)
御城番屋敷とは、松阪城の警護を任された紀州藩士とその家族が住んでいた長屋形式の屋敷。文久3年(1863年)に建てられたもので、この様な屋敷の中で最大規模のものとパンフレットに書かれていました。まずは石畳を歩み、両側の2棟の長屋の外観を眺めました。その長屋の一軒が公開されていて、中に入ると説明員の方が詳しく説明をしてくれました。(写真:石畳。正面の石垣は松阪城址)
(御城番屋敷を裏側から見る)
取り壊されてもおかしくなかったこの建物が現存してるのは「苗秀社」という合資会社があったからとのこと。その話に吃驚。現在もその会社の所有財産で、19軒のうち子孫の方が住む数軒以外が月7万8千円の賃貸。重要文化財にして賃貸住宅とは珍しい事です。室内に上がって内部見学すると、八畳間が2つと、六畳間が二つの意外に広い造り。縁側が付き、厠も見学。説明員と言うより、この建物の語り部といった雰囲気の方の熱心な説明と、この様な歴史遺産に興味を持つ私達の間で、非常に良きコミュニケーションが成立し、楽しく興味深い話が聞けて、松坂の印象は更にアップしました。(写真:御城番屋敷内部)
(長屋としての面影残る御城番屋敷の棟)
松坂からは再度近鉄特急で賢島へ。そこからはバスで「賢島プライムリゾート」へ。(写真:英虞湾に沈みゆく夕陽)
(賢島プライムリゾートから望む、自前のプールと英虞湾)