マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

第3章 中級ステップ(6)

2009年06月27日 | 数独

(2)「候補数を消去する」手筋
 ⑨「3国同盟」
 図1をご覧下さい。ある問題を解いて来て、ここで一見先に進まなくなった状態とします。「X-wing」~「Squirmbag」等の手筋の成立を調べたが、発見出来なかったとします。
 今までは、一部の例外を除いて、ある一つの候補数について消去出来ないかを調べてきました。ここからは複数の候補数について調べを始めます。
 一部の例外と書きましたが、④「自明の2国同盟」と⑤「隠れた2国盟」が例外でした。理論的な流れから行けば、これらの「2国同盟」は複数(2個)の候補数について調べていますから、単独の候補数の後に調べるべきかも知れませんが、実は「2国同盟」を手筋として使う問題が圧倒的に多いのです。そこで戦略的狙いで、やや早めに登場させました。
 複数の候補数について考察するのも2段階あります。
 (a)同一ブロックについて考察する。
  (b)複数のブロックについて考察する。
 です。(a)については、この中級ステップで (b)についてが上級ステップの「XY-Wing」や「浜田ロジック」等で取り上げます。前置きが長くなりましたが、図1に注目して下さい。
 

            図1
 図1の6列の黄色印3マス、ここに登場する数3と4と7は、次の条件を満たしています。
 「この3マスには3と4と7以外の数は登場しない」
 一般的に言えば「3マスに登場する数はx、y、zの3数だけである」この条件を満たすとき、3マスに登場する3数は「自明の3国同盟をなす」と呼ぶ事にします。
 この問題に即して言えば、6列の{a,c,f}マス(黄色印マス)の{3,4,7}は「自明の3国同盟」をなしています。「自明の2国同盟」の拡張です。どの様な効果を他に及ぼすかと言う問題ですが、3と4と7はこの3マス内に収まる=3つセットでの準確定なので、この3マス以外には3も4も7も存在し得ない。言い換えれば候補数が存在すればその数を消去出来る、となります。
 そこでg6のマスから4を消去出来ます。
 消去できる理由付けは違う面からも説明可能です。もしg6=4が成立するとa6、c6、f6に入る数が不足してします!
 ここで重要な点を指摘しておきます。6列の3つのマスa、c、fが「3国同盟」をなしている反面、ここに入れない3国(すなわち3マス)はどうなっているのか。こちらも言わば反「自明の3国同盟」の立場から「3国同盟」をなしているのが当然ではないでしょうか!
 しかし「自明の3国同盟」の定義「3マスに登場する数は3つの数のみ」を満たしていません。ただ次の条件は満たしています。
 「3つの数は3マスにのみ」存在する。同じような条件に見えるかも知れませんが違います。6列のd、g、h行(ピンク色印マス)の候補数を良く見ると、この3マスでは数は{2,4、6,8}の4個が登場し「自明の3国同盟」を成してはいませんが、{2、6、8}の3数に限定すると3マス{d、g、h}にのみ存在します(他のマスに2、6,8は存在しません。確かめて見てください)この時この3数の登場する3マスを「隠れた3国同盟」と呼びます。
 「自明の3国同盟」はその3数の存在がはっきりと、(見える人には)見えるから「自明の」が付き、「隠れた3国同盟」はその3数以外の数も登場し来て「3国同盟」が言わば隠れる様に存在していることから「隠れた3国同盟」との名が冠せられていると思います。


            図2
 黄色印3個が「自明の3国同盟」でピンク色印3個が「隠れた3国同盟」です。「自明の3国同盟」の成立故に「隠れた3国同盟」を構成するマスから、(存在すれば)3と4と7を消去します。この局面ではg6から4が消去され図2に至ります。
 「隠れた3国同盟」は{2、6、8}のみから成立するとして、6列の{d、g、h}行から、これらの候補数以外の数を消去すると考えても良いと思います。図2は消去後の局面です。


            図3
 その後の展開を一部書きますと、g行に候補数4は2個(g2、g3の赤色マス)存在し、しかもⅦブロック内の2個ですから、i2から候補数4が消去され、i4=5が確定、連鎖反応的にi4=5、c4=4が確定し、それに伴い候補数を消しゴムで消して図4に至りました。


            図4
 例題6 さて図4から3国同盟を探してください。解答は図5です。




                           図5
 黄色印のマスが「自明の3国同盟」であり、ピンク印マスが{4,5,9}の「隠れた3国同盟」です。
 最大のポイントは未確定6マスが二つの3国同盟に分かれたと言うことです。
 6=3+3 次回のブログでは、この点の考察を推し進めて行きます。