どるち & えこう の 『美術館・博物館めぐり』 & 『美味しいもの』日記なのだ

プレーリードッグのぬいぐるみの『どるち』と 飼い主?の『えこう』が書く 美術館・博物館や 飲食店の感想なのだ

『コレクター福富太郎の眼 昭和のキャバレー王が愛した絵画@東京ステーションギャラリー』なのだ

2021年07月16日 | アート【展覧会 & 常設】(~2022年)

今回のブログわ 巡回わ あるけど 東京でわ 終わってしまった展示で 備忘録として書くのだ

ぼくらわ 先月のことで 終わっている展覧会のことだけど 東京ステーションギャラリーで開催していた<コレクター福富太郎の眼 昭和のキャバレー王が愛した絵画>を見てきたのだ



ぼくが気になった作品なのだ

松本華羊が描いた<殉教(伴天連お春)>なのだ


信仰の力なのか 桜が美しかったからかのか わからないけど これから死んじゃうのに すべてを受け入れ少し微笑んでいるように見えるし 瞳に白い点を施し うるんだ瞳に見せていたのだ

あと 着物の襟の柄が十字架で 着物も格子の柄で殉教を表現しているみたいなのだ

桜も描れているし 散り際の美学というか 美しいと思ったのだ


寺島紫明が描いた<鷺娘>なのだ

鷺娘わ 江戸時代から続く歌舞伎や日本舞踊の演目だそうで 鳥と人間の叶ぬ恋のお話なのだ

四曲一隻の屏風の作品で 闇夜を表す薄墨の背景わ 輝くほどの白が映える白無垢姿の鷺娘の美しいのだ

頭巾から見える娘の表情わ うつむき加減で鳥と人の恋に悩んでいるように見えるし 好きな殿方を思っているようにも見えて少しキラキラ感もあるように思えるのだ・・・

この作品のポストカード作って欲しかったのだ・・・


特別出品で 岡田三郎助が描いた<あやめの衣>なのだ


おそらく10年ぶりに見たのだ

今わ ポーラ美術館所蔵なんだけど 以前わ 福富太郎さんが所蔵していたなんて知らなかったのだ


山本芳翠が描いた<眠れる女>なのだ



他にも 鏑木清方の<初冬の雨>・<南枝綻ぶ>・<祭さじき>も良かったのだ


福富太郎さんのコレクション ぼくらの好みとぴったり合って お亡くなりになってしまっているから 叶わないんだけど 作品について いろいろお話してみたいって思ったのだ・・・

東京での展示わ 終わっているけど 新潟 大阪 高知 富山 岩手の順に巡回するそうなので お近くの方わ ぜひ ご覧になってほしいし ぼくらの中で 展覧会の年間ベスト10候補に入る 素晴らしい展覧会だったと思うのだ



ここから先わ えこうの感想なのだ

東京ステーションギャラリー <コレクター福富太郎の眼 昭和のキャバレー王が愛した絵画> 終了しました

http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202104_fukutomi.html

作品リスト
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/pdf/list_202104_fukutomi.pdf




展示構成

Ⅰ コレクションのはじまり 鏑木清方との出逢い

Ⅱー1 女性像へのまなざし 東の作家

Ⅱー2 女性像へのまなざし 西の作家

Ⅲー1 時代を映す絵画 黎明期の洋画

Ⅲー2 時代を映す絵画 江戸から東京へ

Ⅲー3 時代を映す絵画 戦争画の周辺

鏑木清方の作品や、東西の作家の日本画、洋画の黎明期の作品から第二次世界大戦に至る時代までの作品約80点を展示していて、福富太郎のコレクションから離れた作品や、ご遺族から寄贈された作品も数点ありました。


気になった作品

3.鏑木清方 刺青の女

あやしい絵展の前期にも展示していた作品。外での行水をする前か、した後のなのか分からないが、格子模様の浴衣から現れた白い肌の刺青や背景の紫陽花が淡い色彩で美しい。ただ、女性の手ぬぐいを噛んでいる仕草が苛立ちを連想させる。


4.鏑木清方 薄雪(※著作権が切れてないので、トリミングされた画像ですが展覧会のチラシの画像を載せます。)


解説の一部にはこう書かれていました。
『歌舞伎の「恋棄却大和往来」(近松門左衛門作)飛脚宿屋の養子忠兵衛は、深い仲になった遊女梅川を店の金百両を着服して身請けし、二人で大和国へと逃げる。本作はようやくたどり着いた故郷新口村での雪の場面である。』

展覧会のポスターにもなっていて、こちらもあやしい絵展の前期に展示していた作品。寒さに震え身を寄せ合う二人が描かれているが、店の金を着服し逃げたことへの後悔はないように思えた。


5.鏑木清方 妖魚

解説には、こう書かれていました。
『第2回帝展に出品した際、その評価をめぐり賛否両論が巻き起こったという異色作。アーノルド・ベックリンの模倣だという批判もあったが、清方は当時その作品を見たことがなく、むしろ愛する泉鏡花の文学から影響で選んだ、グロテスクに属する画題であったという。清方自身は失敗作だったとしているが、福富は「先生にしては珍しい裸婦作品で他にないわけです。(中略)鏑木清方展を美術館などでやると必ずこの作品は出品してほしいという依頼がきますね。私は清方先生の名作の一つと今は固く信じています。」と語っている。』

こちらもあやしい絵展の前期に展示していた作品で、私の中で、鏑木清方の作品って、男性が好む清楚な美人画ってイメージがあるのだが、この妖しい魅力のある人魚は男性を惑わす感じがする・・・。


24.鰭崎英朋 生さぬ仲

大阪毎日新聞に掲載された柳川春葉原作の小説「生さぬ仲(なさぬなか)」が芝居として上演された際に絵看板として描かれたものだそうです。

色が地味めの着物をしている女性が2人と子供が描かれており、女性は髪がほつれ、やや着崩れた感じで、右の女性は母親か子供を抱いており、左の立っている女性は、焦点があってない。正直「生さぬ仲(なさぬなか)」の物語は知らないので、どのような場面が知らないが、髪がほつれていたり、着物が着崩れても、鰭崎英朋が描く女性は美しいと思った。


26.池田輝方 お夏狂乱


寛文2年に実際に起きた播州姫路の旅籠屋の娘お夏と手代の清十郎の駆け落ち事件が画題の作品で、清十郎は死刑になり、力なく座り込み呆けるお夏が描かれている。

二曲一隻の屏風で、着物などの輪郭線ははっきりしているのに、お夏の肌の線はうすく、ふわっとしており、表情と一緒で儚げ、目は三白眼になって狂ったお夏を表現している。

ちなみに池田輝方の夫は池田蕉園。


28.池田蕉園 秋苑

やや暗い萩の庭に立つ、うすい桃色の着物を着ている女性が描かれ、白くて可愛い子猫を抱いていて、着物が映えるように背景に庭を暗めに描いているみたい?


32.松本華羊 殉教(伴天連お春)


解説には、こう書かれていました。
『「爛漫な桜の下、荒莚の上に鎖で繋がれた美人という構図は、いかにも大正時代の際物的な趣味のものである。」と福富は書いている。池田焦園門下である尾竹竹坡に学んだという福富好みの系統に属する華羊の作品で、あること以上に、作品の内容と出来映えに惹かれ入手したのだろう。主題はキリシタン追放によってジャカルタに流されたジャカルタお春といわれていたが、近年の研究で、岡本綺堂の新歌舞伎「切支丹屋敷」のヒロインにもなった遊女朝妻が斬罪となる直前の姿ではないか、との説が有力になっている。』


38.北野恒富 道行(※あやしい絵展で撮ったもの)


近松門左衛門の「心中天網島(しんじゅうてんのあみしま)」を題材としたもの、心中ものって、人気がないらしく、画廊から福富に連絡が来たそうで、福富はこの作品を欲しかったそうだが、欲しいのが分かってしまうと値段を上げられてしまうから、あまり欲しそうにしなかったそうです。

前に見た時にも思ったが、右隻の色のうすいカラスは、死への案内人のように思え、左隻の2羽のカラスは、心中で二人が死んだあとの魂がカラスに変化したんじゃないかと思っている。


40.松浦舞雪 踊り


本作は、恒富の阿波踊りの連作からの影響が顕著で、特に恒富の第17回院展出品作「阿波踊り(1920年)」とはモチーフが左右反転しているが、図柄がよく似ているそうです。

二曲一双の屏風で、三味線の音色に合わせて若い二人の娘が踊っており、着物もピンク色、オレンジ色、赤などで若々しく、はつらつとしている。登場人物の3人の動きの残像?を表現しているのか、あたりの光を表現しているのか、人物の輪郭線の外側に薄い赤?(ピンク?)で周りをほんのりと塗っていた。


42. 島成園 春の愁い

この作品もNO.32 松本華羊の<殉教(伴天連お春)>と同じく新歌舞伎「切支丹屋敷」を題材とした可能性があると指摘されている。東京小石川の切支丹屋敷に囚われの身となった遊女の朝妻が斬罪になる前に、せめて庭屋敷の桜が開くのを見たいと願い出たところ、憐れんだ奉行が許し、桜を愛でた後に受刑をしたという物語である。(解説から)

こちらの作品も、松本華羊の<殉教(伴天連お春)>と同様、悟ったような表情をしていた。以前に書いたブログをチェックしてみたら、前にも見たことがあった。


43.島成園 おんな(※これもあやしい絵展で撮ったもの)


この作品の旧題名は<黒髪の誇り>だそうです。

着物の柄の各々の能面の表情が女性の内なる心情を描いているように思った。


44.島成園 春宵

屏風から半身を出す花魁が描かれ、白無垢姿なので、これから身請けされるのでは?と思った。半身だからチラリとして美しい。

この作品のポストカードも欲しかった・・・。


45.寺島紫明 鷺娘

解説には、こう書かれていました。
『「鷺娘」は、江戸時代から続く歌舞伎や日本舞踊の演目で、これまで多くの画家たちが題材に取り上げている。雪の夜の佇む白無垢姿の娘、この娘は鷺の化身である、舞台で白無垢から華やかな衣装替え、娘らしい恋心を踊るのだが、鳥と人間との叶ぬ恋に悩み、やがて地獄の責め苦を受けて息絶えるという悲しい結末に至る。』


46.甲斐庄楠音 横櫛

解説には、こう書かれていました。
『河竹黙阿弥(かわたけもくあみ)作の歌舞伎「処女翫浮名横櫛(むすめごのみうきなのよこぐし)【通称:切られお富】」で、この芝居を一緒に見た義姉が上機嫌でお富の真似をする仕草を見て着想を得たといわれる。横櫛の3点は1915年に亡くなった義姉の追悼の意を込めて描かれたと考えられる。』

全身像の2点は見たことあるが、上半身のみの横櫛があるって今回の展示で初めて知った。この横櫛は、前に見た京都国立近代美術館のような妖しい感じはあまりしないし、どちらかといえば、広島県立美術館の方に似ているような感じで、ちょっと清楚な風に見える?


51.川村清雄 蛟龍天に昇る



63.岡田三郎助 ダイヤモンドの女


『時事新報』元旦号(1908年)の豪華付録として付けられた石版画の原画だそうです。


あと、前にも見たような記憶がある北野恒富の<浴後>も良かったし、未完?の作品で小磯良平の<婦人像>も印象に残った。


チラシの画像を載せます。(クリックすると大きな画像で見れます。)
   


この展覧会は、今年に入ってからずっと楽しみにしていたのに、最初の2日間のみ公開されて、その後6月に入るまで休館中になっていたので、やっと見れた!という感情と、やっぱり期待していた以上の素晴らしい作品が展示していて、見ることが出来て大満足だったのを覚えています。

どるちの方でも書いていますが、各地に巡回しますので、お近くにお住まいの方は、ぜひご覧ください。すごくオススメですよ!!


巡回情報

新潟県立万代島美術館 9月18日(土)〜11月7日(日)

あべのハルカス美術館 11月20日(土)〜2022年1月16日(日)

高知県立美術館 2022年1月29日(土)〜3月21日(月)

富山県水墨美術館 2022年7月15日(金)〜9月4日(日)

岩手県立美術館 2022年9月17日(土)〜11月6日(日)


この後わ 新高円寺駅に移動して<pizzeria sol(ピッツェリアソル)>でランチをしたんだけど そのことわ 今度書くのだ



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