崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

鐙から核へ

2015年05月22日 04時37分17秒 | 旅行
日本では大相撲で横綱などモンゴル人の活躍ぶりで日本の国技が国際化の先端を走るようである。私のアジア言語文化の講義では韓国,先週は北朝鮮、昨日はモンゴルをテーマにした。私が初めてモンゴルに行ったのは1990年朝鮮日報創立70周年記念の学術調査への参加の時だった。韓国とはまだ国交がなく、日本に来てビザを申請してビザが出るのを待ちながら日本で情報を集めた。当時モンゴルは社会主義国家から解放されたばかりであり、2年後の1992年「モンゴル人民共和国」として独立したので当時観光などは想像もできない時であり、アメリカの軍事用の地図を購入、読売新聞社を訪ねて学術調査報告の映像をみた。私の他二人の学者と1か月間調査、3年間朝鮮日報に定期的に文化面に全面近く割愛して掲載、1993年に出版になった。当時画期的な調査であってモンゴルとの交流を開いていくのに有効だったようである。韓国は現在モンゴルとの交流が多く、もっとも親しい国になっている。
 昨日の授業ではモンゴルからの留学生のドルバトル君が大活躍してくれた。まずホワイトボードにモンゴル語で「牛がいる」「私が餅を食べる」をキリル文字と現在モンゴル文字で書いてもらった。日本語と語順SOVが同じであることを確認した。韓国語と同様、母音調和があること、固有語の語頭に流音(r, l)が立たないなど日本語とも親縁関係を感じることを説明した。当時私が撮った写真を見せながら相撲、弓、乗馬などを紹介した。続いての時間には中国からの留学生の大学院生の李さんが古代中国の馬のあぶみ(鐙)に関する研究発表をした。彼はそれが日本に伝播したルーツに関心を持っていたが、あぶみに関する先行研究は戦術的に重要なものだということで質疑した。ジンギスカンの世界征服が鐙によるものだという以前聞いた話を思い出した。それから鉄砲、船舶、飛行機などによって世界は征服されてきた。今は核であろうか。

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