研究所の蔵書を分類しながら立ち読みをするのは仕事か遊びか。日韓文化交流基金から寄贈していただいた本の中から意外に関心が持てるものがある。昨日はその中から一冊を手にして精読している。『韓国での仕事の日:田舎司祭の日記から』と訳してもよさそうな英語の本Korean Works and Days:Notes from the Diary of a Country Priestである。韓国の農村での生活を書いてあったので視線を注いで読み始めた。ソウルの南の地域、読み続けると安仲という辺鄙な田舎の地名のことが書かれている。それは一般読者とは違う私に関心があるところである。私はその当時、そこにいたからである。私が大学を卒業して初任地の所だったからである。安一商業高等学校の教師をしながら大学院での論文を書き、飲食の夕食会に参加せず研究に注力した時を思い出した。その時カソリック神父さんと会ったような、その名前にも記憶があるRichard Ruttの著書である。村の生活文化を細かくリアルに描いている。日本時代のことにも触れている。私はそこから陸軍士官学校へと寂しい別れをしたことを新たに思い出す。