崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

閑散な港

2011年03月28日 00時14分23秒 | エッセイ
 韓国から留学生三十数名が下関港に着いた。歓迎の垂れ幕を持っていたが意外に早く下船した。乗船客が100人足らずで港は閑散としていた。最近、韓国の全羅道光陽からの新定期船にはお客さんがたった4人に過ぎず運行が中止になったという。韓国や中国からのお客さんが大地震の影響で極端に減ってしまった。そんな中、我が大学への留学生は全員予定通りに来ることができて感謝であった。しかし彼らの荷物は非常に多く、引越し荷物のようで大型バスで二回往復しなければならなかった。荷物の多くはお水と食品であった。日本のものは汚染されたと思われているようである。また心配して父兄が4人も付き添ってきたのである。
 私は父兄への対応をした。韓国では終日テレビが日本の悲惨な状況と危険性を警告しているので日本に来ることさえ恐れているという。対応するわれわれは彼らを速やかに寄宿舎にて安定して過ごしてもらうために神経を使い、地震のことは話題にせずに過ごしてしまった。来られたときにすぐに説明すべきであったが遅ればせながら地震や津波に関しての心配は今、現在は不要であることを説明した。彼らは安心感を持ったようである。さらに近くのショッピングモールなどを案内して下関が平常であることをみてもらい安心していただいたのである。
 一方われわれは韓国からの学生たちの明るい表情から慰められて震災の影響からの重い気持ちが少し晴れた。私は留学が人生にとって大きい力になるといい、鵜沢副学長はこの危機に来られた学生は将来日韓、国際的に重要な役割が期待されるといった。われわれのベストチームと韓国側の院長と学生、父兄もベストであった。