崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

国会中継を見て

2011年03月06日 05時05分11秒 | エッセイ
一昨日前原外相が在日朝鮮人から献金を4年間で総額20万円を受けたと自民党の議員から鋭く攻撃されるのを見た。子供の時から可愛がってくれて5万円ずつもらったことに激しく攻めるのを見て違法とは思われても情けのない社会だと思っていた。昨日広島からこられた当大学の名誉教授の方がそのことについて「いじめだ」という。意外に私と同感であった。彼は金額が少ないこと、外国人とは言っても国籍だけの在日朝鮮人であり、幼いときからの人間関係からお年玉やお小使いのようなものと思われるという意見であった。
法律を守るという論理は正しいかもしれない。しかしそれはイエスがユダヤ教の立法主義を非難しながら愛を叫んだことを思い出させる。自民党は60年以上政権を握ってきたのに100年否、永遠に独占しないと満足できないのであろうか。権座に居座ったときは一見ジェントルに見えた議員が、今は狼のように怖い顔をしている。
今は昔韓国のある青年が警察に監視されているとき、自転車で物を運んいた。その時物を物差しで計って数センチオーバーしているので違反として捕まった話を聞かせてくれた。その国民が怒って民主化されている。先の名誉教授は前原外相が窮地に追い込まれているとき菅直人総理が小額、人情、特に日韓関係の立場からも問題視ないといったらよいのに、と嘆きの溜息をした。正義や遵法精神は必要であるが、その以上重要なのは法律lawが成り立つ慣習文化folkwaysへの理解であろう。W.G. SumnerのFolkways: A study of the sociological importance of usages, manners, customs, mores, and morals (1907)を参照して欲しい。