崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「やきもちの文化」

2010年06月10日 05時06分25秒 | エッセイ
 宇部出身の菅直人氏が山口から8番目の総理になった。鳩山の高支持率の下落から一気に支持率が上がった。人気というか、世論というものはこんなものかと疑わしくなった。古くから「民の心は天の心」といわれたが「天の心」とは程遠い、真理がないようにも思われる。人気が上がると欠点を探る人が出てきて、マスコミが煩くなって足を引っ張る作業が始まる。「上げて下ろす」が日本の政治であり、それは日本の政治文化そのものかもしれない。否、「褒め殺し」(別の意味ではあるが)の力学ともいえる。競争原理の民主主義ではなく、人を妬む「やきもちの文化」かもしれない。
 民主主義は多数決が一つ大きい原則であれば国会で選ばれた人は野党でも認めなければならない。そうなのに野党の人の話は否定的なものが多い。新しい希望をもって政策の実現を見守ってから批判しても遅くない。人財豊富な山口県が「奇兵隊」を送り、日本の政治を変えることを期待する。「山口出身」ではなく、「山口産」の総理を出したい。(写真は下関唐戸で筆者撮影)