崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

私の日本語

2010年06月28日 05時35分29秒 | エッセイ
 広島で暴雨の中、タクシーに乗った時、運転手が話掛けてきて懐かしく広島時代の話をした。降りる直前に「お客さんは中国から?」といわれた。私の日本語はどうなっているのだろうか。亀松氏邸宅で留学生のために茶道会があり(写真はお茶の先生の亀松節子氏)、そこに来たフランス人のクリストフ氏が完璧な日本語で話した。「他国の外人に負けた」という感がした。その後権藤氏ご夫妻が来られ、古希祝賀会の時の映像を編集したものの試写会が拙宅で行われた。私の「ご挨拶」の日本語を徹底的に検証した。間違いはないがなんとなくニュアンスが日本人ではないといわれた。日本語には方言があるが、その方言にもならない、本当に日本人になれない「韓国人」である。
 私が韓国で日本語の教師をした時代を振り返ると冷や汗がでそう。その最初の教え子の魯成煥君(蔚山大学校教授)が完璧な日本語で祝辞を述べて会場を驚かせたような雰囲気であった。今大学では留学生の日本語教育が充実しており、その留学生たちの日本語の進展が早いのが嬉しい。私は「日本文化論」を担当しており、韓国人と中国人の学生たちを通して、文化を比較するのが楽しい。