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一日一句(66)






春月や半跏思惟するホームレス





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レベル4の沈黙


■旧暦2月22日、土曜日、


(写真)窓・人生

春期講習も始まったので、いろいろと、忙しくなってきた。翻訳も、執筆も進めなければ、と焦るこの頃である。

「3.11」は、いまだ、現在進行中の問題だが、ぼくにとっては、二つの矛盾した気分を強くさせるものになった。一つは、自分のしたいことをして死んでいこうという気分である。地震や放射能に直面して、いままでになく死を具体的なもの、リアルなものとして感じた。これは、肉親も含めて、他者の死ではなく、「自分の死」として、地震と放射能を感じた、ということである。それが、したいことをして死んでいこうという気分につながっている。これは、いわば、「今の自分」に関与しようという話だが、もう一つの気分は、これと、矛盾するようだが、「今の自分にだけ関与していてはダメだ」という気分である。「未来に関与したい」という気分である。普通、これは、自分の子どもに対してうっすらと感じるものだが、原発問題を経験して、未来の社会(あるいは、人間に限らないので、未来の地球と言うべきかもしれない)に関与したいと感じるようになった。具体的に、こうした気分が、どういう形をとるのか、今は見えないが、二つの気分が、自分の中に渦巻いている。そして、はっきりしているのは、この二つの気分は、現存社会の全体構造に対する「怒り」にルーツをもっているということである。「怒り」は反復・持続させなければならない...。



今から、12年前の初秋、東海村で起きたレベル4の臨界事故を覚えているだろうか。この事故で、667名の被爆者と死者2名を出した。この事故に衝撃を受けて書いた、拙い詩をここに掲載しておくことも、何か、意味があるかもしれない。俳句との出会い以前の詩は、すべて封印したつもりだったが...。




レベル4の沈黙




鏡に映った
影のように沈黙して
たえず誰かを促しながら
われわれはなぜ黙っているのだろう
スイッチを切った後の
深夜テレビのように
空虚なことばにあふれたこの部屋で

善との距離は年とともに遠く
一月の凍った風に
それを閉じ込めてきたままだ

明け方に降った
白い灰のように沈黙して
たえず何かを促しながら
われわれはなにを待っているのだろう
幕の下りた舞台で繰り返される
モノクロ仮面の無言劇を演じながら

ふいに冬の青空を見た気がした
― 青い光を見た者は
  すべてを失わなければならない

誰もいなくなった
避暑地の秋のように
沈黙してしまいたい
たえず見えない視線に促され
われわれは何をしゃべっているのだろう

伝えたいのはこれじゃない
語り合いたいのはそれじゃない
なぜおまえは促すのか
ことばよ

自分との距離は年とともに遠く
明け方に見る夢の中に
それを忘れてきたままだ

眼があったときの
好きな女の微笑のように
時を止めてしまいたい
たえず見えない気配に促され
われわれはなにを演じているのだろう
望みたいのはこれじゃない
憎みたいのはそれじゃない
なぜおまえは促すのか
身体の他者よ

指先で震える経済システムは街を沈黙させ
暗い目つきをした政治学は愛を沈黙させる
何をどう怒るべきなのか、人はことばを失う

「われわれは仕事をしただけだ」(アドルフ・アイヒマン)
そう、いつでもわれわれは仕事をしただけだ

窓から飛び降りる人の
背中を押しているかもしれないのに
地球の裏側で
飢えた子どもを泣かしているかもしれないのに


初出『COAL SACK 37号』(2000年8月)


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3月25日(金)のつぶやき

09:24 from web
Thank you all for RTs. @msb2005 @jshb32 @haiku_shelf @tiniaden
15:30 from web
Thank you @LuisaNievesIna for kind words. spring day// horses running along / the sea #haiku #poetry
21:25 from goo
シュラウドからの手紙 #goo_delfini2 http://blog.goo.ne.jp/delfini2/e/0c214325abbce0cd00bbaf5404a5e1c3
22:45 from web
Thank you Angelika for #FF. @haiku_shelf Water and vegetables start getting polluted. I check out the data every morning. Anger beyond words
22:46 from web
Thank you both for RTs. @IF_Wolf @haikudatabase
22:47 from web
spring evening// a word, / reading a paper #haiku #poetry #fhaiku
22:48 from web
a shadow/ following me// spring moon #haiku #poetry #fhaiku
22:56 from web
a half-full / white cup// spring #haiku #poetry #fhaiku
by delfini_ttm on Twitter
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一日一句(65)






春深き海の底より余震くる









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シュラウドからの手紙


■旧暦2月21日、金曜日、

(写真)旅・自転車とともに

今日は、午前中、施設への往診の医師の手配やケアマネとの連絡、福祉用具のレンタル会社との調整など。午後、買い物。水がやはりない。フランス産の硬水しかないので、しかたなく、買って帰ってお茶を入れたが、てんで、話にならない。



昨日、詩人の鈴木比佐雄さんと電話で話した。鈴木さんのルーツは、福島原発のある町にある。ぼくは、鈴木さんから、非常に多くを学び、その詩的持続力や反復力、息の長い仕事ぶり、温厚さなどに、敬意を抱いてきた一人である。ひそかに、それは東北の血なのかもしれないと思ってきた。その美しい故郷は、完全に破壊され汚染された。

福島原発の問題は、大地震、津波、余震に加えて、現在進行中の深刻な問題であり、これは、こと、東電1社の問題ではなく、エネルギー産業をめぐる全体利権構造の問題(地域独占電力会社、協力企業、政府、官僚、原発メーカー、銀行、マスコミ、学界など)として考えるべきだろう。そして、その問題を考えることは、その全体構造に、無関係では済まないわれわれの自己批判も含まれるはずである。利害関係者として、あるいは、電力消費者として。さらに、原発の問題は、エネルギー問題や核兵器といった地球的な問題と地続きと言えるのである(まさに、ここで、「領土」が問題化し、「国家」が問題化している)。

鈴木さんは、2003年の時点で、次のような、予言的な詩を書いている。




シュラウドからの手紙


                                   鈴木比佐雄




父と母が生まれた福島の海辺に
いまも荒波は押し寄せているだろう
波は少年の私を海底の砂に巻き込み
塩水を呑ませ浜まで打ちあげていった

波はいま原発の温排水を冷まし続けているのか
人を狂気に馴らすものは何がきっかけだろうか
検査データを改ざんした日
その人は胸に痛みを覚えたはずだ
その人は嘘のために胸が張り裂けそうになって
シュラウド(炉心隔壁)のように熱疲労で
眠れなくなったのかも知れない

2000年7月
その人はシュラウドのひび割れが
もっと広がり張り裂けるのを恐怖した
東京電力が10年にわたって
ひび割れを改ざんしてきたことを内部告発した
2年後の2002年8月 告発は事実と認められた


私はその人の胸の格闘(ひびわれ)を聞いてみたい
その良心的で英雄的な告発をたたえたい
そのような告発の風土が育たなければ
東北がチェルノブイリのように破壊される日が必ず来る
福島第一原発 6基
福島第二原発 4基
新潟柏崎刈羽原発 3基
13基の中のひび割れた未修理の5基を
原子力・保安院と東京電力はいまだに運転を続けている
残り8基もどう考えてもあやしい

国家と電力会社は決して真実を語らない
組織は技術力のひび割れを隠し続ける
福島と新潟の海辺の民に
シュラウドからの手紙は今度いつ届くのだろうか
次の手紙ではシュラウドのひび割れが
老朽化した原発全体のひび割れになっていることを告げるか

子供のころ遊んだ福島の海辺にはまだ原発はなかった
あと何千年たったらそのころの海辺に戻れるのだろうか
未来の海辺には脱原発の記念碑にその人の名が刻まれ
その周りで子供たちが波とたわむれているだろうか



■シュラウドに、熱疲労による、ひび割れがはじめからあったとすれば、レベル5の汚染ではすまない。各地の放射線データに注目する必要がある。
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3月24日(木)のつぶやき

00:07 from web
afterquakes/ from the sea// spring cold #haiku #poetry #fhaiku
01:04 from web
RT @itokenstein: 東電は今日の会見でPuについての線量を明示しませんでした。明日それについて言及があるようにも。今私が学生の有毒物質誤報的なツイートに注意などしたのは(大人なら黙ってブロックして終わり)明日の発表にかなり神経を使っているからです。水道水中の ...
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一日一句(64)






春の水奪いあう日が来ようとは













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3月23日(水)のつぶやき

00:00 from web
spring thunder// a deep voice/ of the sky #haiku #poetry #fhaiku
00:02 from web
blackout// white spring dark/ all over #haiku #poetry #fhaiku
07:47 from web
Thank you all for RT and mentions. @jshb32 @haiku_shelf @tiniaden @cirrusdream @LuisaNievesIna Many afterquakes here this morning.
by delfini_ttm on Twitter
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一日一句(63)






停電や一面白き春の闇









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3月22日(火)のつぶやき

11:31 from goo
Cioranを読む(26) #goo_delfini2 http://blog.goo.ne.jp/delfini2/e/b1535dfcc5f1373242c39e2e52d4df94
23:57 from web
windows/ lives// spring morning #haiku #poetry #fhaiku
by delfini_ttm on Twitter
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