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翻訳詩の試み(23)-2

■出版翻訳は、サイバーをいやーな感じで引きずっているが、ここを早急に突破して、次の企画に入りたいと思っている。しかし、学者の書く英語は、じつにまちまちで、内容がないものほど飾り立てる傾向が強い。

(写真)掃除




わたしは今何を聞いているのだろう
わからない
聞こえるものを聴いているのではない
だから何も聞こえないのだ
窓を伝わる雨について語ろうというのではない
わたしにはそれは聞こえない
たしかに雨は重要な主題だが
この問題には関係がない
わたしには何が聞こえるのか
沈黙 沈黙
沈黙のハーモニーを聞いてみたい
じっさい聞こえているのはただの沈黙―乾いた沈黙だ
それはハーモニーを必要としない
この沈黙を前に何ができるのだろうか
それをすくい上げて見ることはできる
だが見たところで
どうにもならない
わたしはそれを聞かなければならない
わたしはそれを聞く 
だがまたしても
沈黙 沈黙
時間はハーモニーに似ている



2
What am I hearing now?
I don’t know.
I’m not listening to what I hear.
So I hear nothing.
I won’t speak about the rain
pattering on my windows:
I don’t hear it.
I agree that the rain is an important subject,
but it’s tangential to the problem
under discussion.
What do I hear?
Silence, silence.
I wish I could hear
the harmony of silence.
What I actually hear
is just silence – a dry silence,
a silence that doesn’t call for harmony.
What am I to do with this silence?
I can scoop it up
and look at it.
But looking at it
doesn’t get me anywhere.
I must hear it.
I do hear it. So what?
Silence, silence.
Time is harmonious.


■まだ、推敲の余地はあるが、これで、23篇すべてが終了した。
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翻訳詩の試み(23)-1

■旧暦3月21日、土曜日、

(写真)Untitled

兼業はしんどい。まだ慣れないので、体調が整わず、昼間、サイバーがなかなか進まない。


メロディとハーモニー

1

ハーモニーとは何だろう
わたしの思考はこだわる
わたしの思考に
わたしの意識に
わたしの重い良心に
過去に
未来に
現在は
あなたからの電話にその姿を変える
あなたの電話を待つことに
わたしはこの世界に降り立ったところだ
「昇る」と「降りる」ではなにが違うのだろう
なにも違わないと中国人は言う
わたしがどこにいようとたいした問題ではない
上だろうが下だろうが
「昇る」と「降りる」はひとつのハーモニーなのだ
わたしは聴いてみたい
現在というメロディを
ハーモニーについて書きながら
あなたの電話を待つ
電話から聞こえる
「イエス」も「ノー」もハーモニーなのだ
(それはあなたの声ではない)
ハーモニーはあいまいな言葉
ハーモニーは光
だからこそ
ハーモニーについて書けるのだ


MELODY AND HARMONY

1
What is harmony?
My thoughts that dwell upon
themselves, my consciousness,
my heavy conscience,
the past, the future.
The present is reduced
to your telephone call.
Waiting for your call!
I’ve come down in the world.
What’s the difference between
‘up’ and ‘down’? The Chinese say
there’s no difference.
What does it matter wherer I am,
up or down?
Both ‘up’ and ‘down’ are a harmony.
I’d rather hear
the melody of the present.
Waiting for your call,
writing about harmony.
And harmony is ‘yes’ or ‘no’
I hear on the telephone.
(It’s not your voice.)
Harmony is a noncommittal phrase.
Harmony is the light
which enables me to write about
harmony.


■長い詩なので、2回に分けてアップする。アファナシエフの核心に近い思想が語られていると思う。
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