観ようと思っていた映画が予想外に人気があったようで23時台であっても満席状態だったために、今ひとつ気乗りがしなかったのですが「マネーボール」を観てきました。
こういった自伝的な映画はハズレが多いので正直なところパスをするつもりだったので、ほとんど勢いでしかありません。
そして世間的な評価はかなり高いようですが個人的にはイマイチ、イマニ、イマサンといった感じで、何が悲しくてこんな時間に映画館にいるのだろうかと涙が出てきました。
マネーボール |
今や球界の一つの常識ともなりつつあるマネーボールですが、こと日本では受け入れられるのは難しいかもしれません。
映画でも描かれていましたが、完全に選手を商品として扱うところなどは日本人には合わないと思われます。
成績が落ちても生え抜き選手には思い入れが強くあるのが日本の特徴ですし、それなりに結果を残した石川前球団運営本部長への風当たりを見ればそれは明らかです。
また戦略としてはロッテのような貧乏球団は積極的に取り入れるべきではないかとは思うものの、トップがあれでは編成部も落ち着いて仕事はできないでしょう。
統計学に基づいて編成をしても、オーナーが感情論に走り、監督が数字を無視した采配をするようではお話になりません。
話を映画に戻しますが、この描き方ではビリー・ビーンよりもピーター・ブランド、その逸話からすればおそらくはポール・デポデスタがモデルではないかと思われますが、こちらの方が主役ではないかと思えるぐらいの感じがあります。
もちろん優秀な部下の提案を採用することこそが上司の能力の一つではあるのですが、自伝の映画化にしては意外な感じが否めません。
その一方でスカウトや監督を旧時代の遺物のような描写をしたり、意味不明な娘との交流を持ちだしてみたりと、何を語りたかったのかがよく分かりませんでした。
著書を読んでいるという前提があっての映画化ではないかと思うぐらいにそもそもの主題であるマネーボールの説明もおろそかであり、かなりのガッカリ感があります。
それでいて20連勝のシーンの異様な盛り上げ方には違和感がありまくりで、久しぶりに観たことを後悔した作品でした。
2011年11月12日 鑑賞 ★★☆☆☆(2点)