荻野貴の外野への復帰が決まったことでサブローへのアプローチが微妙になってきたかなとも思っていたのですが、その矢先にあっさりと機関紙が流れを断ち切ってくれました。
まさかの一面に持ってきましたので確たる情報を握っていると見るのが妥当だと思われますので、おそらくはサブローがここからはしごを外されることはないでしょう。
むしろタンパリングを疑われるぐらいに水面下で接触がされていた可能性が高く、その意欲を他の補強にも振り向けて欲しいとは単なる独り言です。
何にせよいろいろな問題をはらんだサブローの獲得は、あまり面白くない形でオフの動きを引き出しそうな予感があります。
サブロー ロッテ出戻り 巨人在籍わずか154日 (11/30 スポーツニッポン)
サブローが帰ってくる。
ロッテは、巨人からフリーエージェント(FA)宣言した大村三郎外野手(35)を獲得することが29日、分かった。
12月1日にも行われる球団首脳会議で、今季途中まで在籍したベテランの再獲得を正式に決める。
古巣復帰後は登録名も「サブロー」に戻す方向。
今年6月30日に交換トレードで移籍してから巨人在籍わずか154日。
最下位からの巻き返しへ、ロッテが精神的支柱を呼び戻す。
林信平球団運営本部長は、FA宣言したサブローの獲得について「今の時点ではコメントできません。コメントできそうになった時にします」と語るにとどまったが、本格的に動きだす日は近づいている。
12月1日、重光昭夫オーナー代行がオーナー会議に出席後に中村家国球団社長、林本部長らと会談。
そこで来季に向けた補強策について話し合い、サブローの獲得を正式に決める。
ロッテ在籍時は「サブロー」の登録名で主軸として活躍。
05年、昨年と2度の日本一に大きく貢献した。
今年6月には若返りを理由に、工藤との交換トレードで巨人に放出された。
しかし、サブロー不在となったロッテは下降線の一途をたどり、13年ぶりの最下位に転落。
生え抜きのベテランであり、選手会長としてまとめ役でもあったサブローの放出は、チームの士気を著しく下げる結果となってしまった。
シーズン終盤の10月2日にフロント陣を一新させた重光オーナー代行は「サブロー選手が出ていった後から成績が悪くなった」として、退団した瀬戸山隆三前球団社長、石川晃球団運営本部長の旧フロント陣を批判。
個人名こそ伏せたが「今年出ていった人を呼び戻したい」とサブローの再獲得を示唆。
巨人で登録名を本名の大村に戻したサブローも出場わずか48試合に終わり、出場機会を求めて11月22日にFAを表明した。
もちろんサブローを全否定するつもりはありませんし、感情論で言えば嬉しい話ではあります。
やはり長い間に渡ってチームを支えてきた選手には骨を埋めて欲しいですし、サブローが再びロッテのユニフォームを着ることに否はありません。
しかし編成部が「外野手以外の全てが補強ポイント」と言っていた中で、その外野手を一番に補強をするのですからガッカリです。
重光ジュニアの気まぐれとしか思えない発言に右往左往している球団が哀れでもあり、また来季のチーム構成を不安に感じているのは私だけではないでしょう。
世間を賑わせている巨人のお家騒動などは、ロッテの迷走に比べれば単なるガキの喧嘩でしかありません。
そもそも外野手を補強した、と考えることが間違っているのかもしれません。
ここ数年のサブローの守備を見れば外野手としては限界にきていることは明らかであり、岡田や伊志嶺が台頭をし、そして荻野貴や清田、角中がいるロッテで外野の定位置を獲れるわけもなく、DHを福浦と競い合うか代打要員となるか、このあたりは出場機会を求めてFA宣言をしたサブローとどう折り合いをつけるのかが難題です。
さらには重光ジュニアの肝いりでチームに復帰をしたサブローを使わないという決断を弱気の西村監督ができるのか、サブローが結果を残してくれれば何の問題もありませんが、不幸にも衰えを隠しきれなかった場合には火薬庫になることを覚悟しなければならないでしょう。
サブローにとっても外様であった方が練習にも身が入って本人のためになると思っていたのですが、居心地のいい古巣に戻ることによる気の緩みが心配になります。
いずれにせよ全力疾走ができる足腰、そして気構えが伴っていないサブローであれば、あまり多くは望めないでしょう。
サブローの獲得に今ひとつ気乗りしなかった理由が緊縮財政にひた走る球団の方針であり、これで補強資金を使い果たすことになるのではないかと懸念をしています。
意外にもサブローは巨人でBランクの年俸ですから1億3000万の60%、もしくは40%の補償金と人的補償が発生をしますので、現状維持であれば来季の年俸を加えて2億800万か、あるいは1億8200万+選手をサブローのために費やすことになります。
この金額は今のロッテにはかなりのものであり、外国人選手も含めて下手をすればこれで補強が終了となることも念頭に入れておく必要があるでしょう。
ここにきてカスティーヨをリリースしたことはサブローの獲得と無関係ではないのかもしれず、あるいは球団としては新外国人選手としてのサブ・ロウを獲ったぐらいのつもりであり、また工藤に25を与えることで背番号の問題も一気に解決をさせようとしているのかもしれません。
投手(15人):荻野忠、大嶺、吉見、大谷、上野、成瀬、唐川、内、古谷、小野、伊藤、渡辺俊、木村、藪田、山本徹
捕手(2人):里崎、小池
内野手(5人):井口、今江、根元、細谷、高濱
外野手(6人):清田、荻野貴、伊志嶺、大松、角中、岡田
そして悩ましいのが28人のプロテクトですが、いったんは上記でリストを作ってみました。
巨人も村田や杉内を獲ろうとしていますので人的補償で意外な選手を持っていかれる可能性があり、あまり現時点での相手の事情を考えても仕方がないかなとは思うのですが、それでも先発投手と二塁手はキープをしておいた方がよいだろうとの考えに基づいています。
中途半端な投手が多いので簡単かと思っていたのですが、実際にやってみるとかなり28人に絞るのが意外に難しかったです。
投手(15人):橋本、服部、山本一、南昌、林、中郷、小林、香月、光原、松本、秋親、植松、藤谷、山室、阿部
捕手(5人):田中、江村、金澤、青松、的場
内野手(8人):今岡、福浦、塀内、高口、渡辺正、翔太、青野、早坂
外野手(3人):工藤、神戸、南竜
そしてリストから外れたのが上記の31人です。
ロッテファンからすれば期待の星でも一軍での実績に欠ける選手は大丈夫だろうとの甘い考えで、植松や阿部、そして翔太を外してみました。
また鶴岡がFA宣言をしたことで捕手はやばいかなと思いつつも、田中や金澤を獲る巨人でもないでしょう。
しかし山本一や中郷、早坂あたりを持っていかれるとかなり厳しくなりそうで、こういった作業はどうにも気が滅入ってきます。
本音で言えば渡辺俊はともかくとしても小野であれば手は出さないだろうとも思うのですが、重光ジュニアの生え抜き重視に端を発したサブローの獲得ですから万が一を怖れるであろうことは想像に難くなく、場合によってはさすがに無いだろうと思える福浦ですらリストに入れるかもしれません。
そうなれば細谷か角中あたりを外さざるをえなくなり、何だかんだ言いながらも結局は全額金銭に落ち着くだろうと八割方は思っているのですが、そうは言いながらも昨年に阪神ファンが味わったような落ち着かない日々を送るオフになることは避けられないでしょう。
こう考えると様々な面で歪みを生みそうなサブローの獲得ですが、ほぼ決まりでしょうから後ろ向きに考えても仕方がありません。
メリットがデメリットを上回るようサブローにはとにかく一生懸命なプレーを見せて欲しいですし、少なくとも周りからちんたらしているように見えるような動きだけは勘弁です。
まだ正式決定ではありませんから万が一のどんでん返しに期待をする、と言ってしまえば怒られそうですが、そんな気持ちを封印して今後の動向を見守っていきます。