黒田長政 PHP研究所 このアイテムの詳細を見る |
豊臣秀吉の軍師として名高い黒田官兵衛を父に持つ黒田長政の、織田信長への人質時代から関ヶ原の合戦で東軍を勝利に導く活躍をする頃までの半生を描いた作品です。
あまりに有名な父を持ったがゆえの苦悩、反発、そして達観と、今までにない切り口で描かれています。
黒田長政と言えば常に父との比較をされ、一段低く描かれることが多い武将です。
しかし長政個人を素直に見れば、時代の趨勢を冷静に見つめて出処進退を決めたことなど、充分に一流と呼ぶに相応しい動きを見せています。
そんな長政を有名な後藤又兵衛との確執にも多くを触れずに、豊臣秀吉から敬して遠ざけられた父を冷徹な視点で見つめるなど、独白を中心とした描き方をしています。
真の成功者は誰だったのかと、考えさせられるような作品です。
2009年1月28日 読破 ★★★★☆(4点)