1月16日から18日にかけて2泊3日で、東北・北陸地方への旅をしてきました。
目的は例によってケータイ国盗り合戦の国盗りと、学生時代からのライフワークである史跡巡りです。
冬場の旅は数年前の3月に鳴子温泉に行ったぐらいで、スキーなどをやらないこともあって寒いときに寒いところへ行く意味が分からない、というのが私のスタンスでした。
しかし年末年始の出社の振替休日で5連休を取得することになり、ケータイ国盗り合戦のイベントを消化したいニーズと旅に出たいという発作が相まって、この1月下旬という未体験の時期に北国へ旅立つことを決意しました。
天気予報では仙台あたりは晴れだったものの、山形などは16日から17日は降雪確率が80%以上で最低気温は氷点下、しかも18日の夜には関東地方は雨と、まるで私の決意を腰折るかのような悪い予報のオンパレードでした。
ところが傘を差すようなことは1度もなく、もっとも傘などは持っていってもいないのですが、史跡巡りの目的地では快晴、移動中は多少の吹雪いた天候に遭って北国を体感するという、私にとっては非常にラッキーな3日間となりました。
心配をしていた雪による運休や大幅な遅れもなく、時刻表片手の旅には申し分のない正確な電車の旅をすることができました。
よくよく考えてみれば旅に関して言えば私は晴れ男で、学生時代から都合100日以上の旅程で雨にあったのは数日でしかありません。
学生時代は天気を横にらみで日程を決めていたので当たり前と言えば当たり前ですが、それでも20日近く雨に降られなかった卒業旅行なんてのもありましたし、社会人となってからは自由度が低下したために本州に上陸した台風に向かうように西上して、名古屋ですれ違って目的地の四国は快晴なんてこともありました。
まあこれも小さく運を使ってジャンボ宝くじの当選から遠ざかっていることの一因なのかもしれませんが、今回も小さな幸せを噛みしめています。
とは言え、トップに掲載した写真のような光景には千葉県民としてはなかなかお目にかかれませんし、新庄駅での夜の雪の美しさ、かみのやま温泉駅での朝焼け、そして米沢から新潟に向かう途中のプチ吹雪など、いろいろな体験をさせてもらいました。
ちなみに私のブログに掲載した写真はクリックすると大きなものを見られますので、興味がある方は是非ともクリックをしてみてください。
意外だったのは覚悟をしていたほどの寒さを感じなかったことで、決して雪国の寒さを甘く見ているわけではありませんし、本格的な冬の時期は別なのかもしれませんが、手袋にニット帽、マフラーに携帯カイロを装備したのが肩すかしを喰らった感じで、寒さに身を切られるようなことにはなりませんでした。
ほぼ無風だったこともあるのでしょうが、ビル風が吹きすさぶ東京の寒さの方が体感温度的にはきついというのが正直なところです。
また内陸部はさすがに積雪量が多かったのですが、海よりの地域の市街地はほとんど雪が残っておらず、仙台や新潟などでは拍子抜けをしてしまいました。
新発田などでは歩き回ったこともありましたが汗ばむぐらいで、一言で北国とひっくくることが雪の少ない地域に住む人間の偏見であることがよくわかりました。
それでも当然ですが寒いことは寒く、雪の量も私としては半端でないところも多くありました。
上山城では朝一番だったこともあってか通路も雪かきがされていない状況で、そこを踏み分けて歩き回る羽目となりました。
そんな中で、以前に訪れたときには気がつかなかったのか、あるいは最近にできたのかは分かりませんが、足湯があったのには助かりました。
むこうづねぐらいまで雪に沈んで歩き続けるとじんわりと足先が濡れてきてしまい、そのままにしておくとしもやけになってしまうところでした。
直ぐにでもつかりたい気持ちを抑えて先に城の周りを一回りして足先を冷やすだけ冷やして、開館まで10分ぐらいの待ち時間で足を温めて生き返りました。
夏場には味わえない快感であり、また温泉地ならではサービスに感動しました。
ちなみにかみのやま温泉では1月25日に霊感タレントの稲川淳二を迎えて「真冬の怪談ナイト」が開催されるようで、あちらこちらにポスターが貼ってありました。
ところで温泉と言えば冬場の旅にはかかせないアイテムですが、今回は残念ながら温泉宿に泊まることは日程などの問題でできませんでした。
こればかりは行き当たりばったりの旅のマイナス面で、仕方がないので大浴場のあるホテルを探して泊まりました。
温泉でなくても体を一直線に伸ばして浴槽につかることなどは滅多にないことなので、相当の長風呂で1日の疲れを癒すことができました。
短期間の旅で荷物が少ないとは言っても、5キロ以上のカバンを背負っての階段の上り下りや乗り換えのためのダッシュ、史跡巡りの地ではひたすら歩くという私のスタンスもあり、足腰がヘロヘロになった体へのご褒美はやはりお風呂が一番です。
旅先でちょっと気になったのは、土日にも関わらず学生服が異様に目についたことです。
当日はどうやらセンター試験であったようですが、試験を受けに行く時間帯でも雰囲気でもありません。
さすがに北国で女生徒はほぼ全員がタイツをはいているな、しかも黒、これは学校の規則なのかな、などといった感想はさておき、なぜに休日に学生服でうろちょろしているのかが気になって仕方がありませんでした。
人生初体験もありました。
新発田城の三階櫓は周りを自衛隊駐屯地に囲まれており、城の周りをぐるっと回って近づこうとしてもなかなか近寄ることができませんでした。
そうこうしているうちに駐屯地の入り口があったので、守衛に立っている迷彩服に同じ迷彩模様のヘルメットを被った若い自衛官に「あの櫓は近づくことはできないんですか?」と聞いたところ、「そういったご質問には答えられません」とつれない返事を無表情でされてしまいました。
しかも質問しようと近づいたら、小走りで道まで出てきての応対です。
まさか見るからに旅人という感じの単身者が襲撃でもすると思っているわけでもないのでしょうが、そうするのが規則なのでしょうか。
近寄れないのかなと思って駐屯地越しに撮った写真がこれなのですが、その時も何とも言えない表情でこちらを見ていました。
仕事柄から言って仕方がないのかもしれませんが、愛想を振りまけとは言いませんが、愛される自衛隊を目指すのであればもう少し応対のやり方があるのではないかなと、これは私の勝手な考えではありますが、生まれて初めて自衛官と会話をした感想です。
ちなみに三階櫓はもう少し歩いたところ、何のことはなく普通に近寄ることができました。
こちらは完全に余談ですが、昨秋の各駅電車の旅では富山県知事選にぶつかりましたが、今回は山形県知事選でした。
だからどうという話しでもないのですが、47都道府県しかない中で知事選に度々ぶつかるのは珍しいかなと思った次第です。
そう言えば前回の旅で新潟を訪れたときにも書きましたが、大河ドラマこそが最高の公共事業であるとの思いを、今回の旅でも強く感じました。
どこへ行っても今年の大河ドラマである天地人ののぼりやポスター、おみやげがずらっと並んでいました。
大河ドラマの題材は全国持ち回りとなっているという話しも、こういったものを見てしまうとなるほどと思えてしまいます。
そんなこんなで直江兼続とどれだけの関係があるのかと、突っ込み芸人並の突っ込みをしたいぐらいの商品の数々が店頭に並んでいました。
確かに旅人としてはこれ以上にないタイムリーなおみやげになりますので持ちつ持たれつなのでしょうが、きっとお菓子などは来年になれば中身は同じでパッケージが変わるのだろうなという意地の悪い感想をもって眺めていました。
おみやげと言えば、これも以前から気になっていたのですが、ご当地キャラクターといった商品が幅を利かせているのは私的には面白くありません。
キティやキューピー、まりもっこりなどが地方に合わせた衣装などをまとっているもので、そこそこ安価ということや種類が多いこともあって、収集家が多いとも聞いています。
それ自体を否定するわけではないのですが、それがメインになっているようなおみやげ屋も少なくはないのには非収集家である私としては閉口してしまいます。
中にはそれしか取り扱っていない店もあり、店としても売上げが多い商品を取り扱うのは当たり前の話ではあるのですが、ちょっと考えさせられる昨今の状況だと思います。
旅情篇と銘打ってはみたものの、何のことはなくつらつらと書き連ねただけに終わってしまいました。
少しでも雰囲気が伝わればとは思いますが、矛盾するようですがやはり旅は自分の足でその地を踏み、空気を吸うことが一番であり、また醍醐味であると再認識をしたことが、私としての今回の最大の収穫でした。
【2009年1月 東北・北陸の旅】
いざ北国へ
いざ北国へ 旅程篇
いざ北国へ 史跡巡り篇 白石の巻
いざ北国へ 史跡巡り篇 山形、上山の巻
いざ北国へ 史跡巡り篇 新発田、長岡の巻
いざ北国へ グルメ篇