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千葉ロッテと日本史好きの千葉県民のブログです
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井口枠

2009-01-21 21:24:37 | 千葉ロッテ

ただでさえバレンタイン監督の去就問題でシーズンに期待がもてない気がしている中で、さらに井口という爆弾を抱えることになってしまいました。
下手をすれば梅雨入り前にもチームが空中分解するかもしれないと、そんな不安を感じています。

栄光の6継承!ロッテ 井口にレギュラー保証 (1/21 スポーツニッポン)

ロッテ・瀬戸山隆三球団社長(55)は20日、大リーグ・フィリーズからFAとなった井口資仁内野手(34)の獲得を発表した。
千葉市内の球団事務所で井口の代理人と最終交渉し、年俸1億8000万円プラス出来高払いで総額6億円の3年契約で合意。
背番号は6に決まった。
「やっと入団を決断してくれた。非常にうれしいし、ホッとしています。チームの核になってくれると思う。すぐにチームのリーダーになってくれる存在です」。
待望の「ロッテ・井口」誕生に瀬戸山社長からは期待の言葉が次々と飛び出した。
全試合フルイニング出場を目標にする井口に、“レギュラー保証”も用意。
同社長は起用法も契約の条項に盛り込んだことを明かし「出来高もあるし、ケガさえなければ全試合全イニング出てほしい」と話した。
主力にも定期的に休養日を与え投手の右左で日替わりオーダーを組むバレンタイン監督にも、その意向は伝えるという。
ボビー政権下ではフロント主導で初の補強選手でもあるが「監督も計算できる右打者が欲しいというのはあった。思惑と一致した部分はある」と説明した。
出来高払いもMVP、リーグV、出場試合数など多項目にわたり、満額なら2000万円に達する。
2年か3年かの契約年数は井口に一任していたが、結局、期間中にメジャー復帰を認める条項を含まない3年契約を選択。
意気込みを再確認して、同社長も満足そうにほおを緩めた。
4年ぶりV奪回への使者が加入。
「まずプレーで活躍し、将来は監督にもなっていただける人だと思う」。
落合(現中日監督)らが背負った背番号6を継承する“新ミスター・ロッテ”に、期待は膨らむ。

瀬戸山球団社長の手腕は評価をしていますし、バレンタイン監督とどちらを取るかと問われれば瀬戸山球団社長を取るのが私の立ち位置ですが、それでも最近の得意満面の笑顔を見ると虫酸が走るのは私だけではないはずです。
補強ポイントからかけ離れていようとも、とにかくメジャーリーガーという大物プレーヤーを獲得したことを誇るような態度には感心できません。
もっと黒子に徹する姿勢を見せた方が瀬戸山政権の延命に繋がるのではないかと余計な心配をしていますが、得意の絶頂にある瀬戸山球団社長には届かない願いなのでしょう。

それでも井口が加入したことは戦力面ではプラスの要素ですし、期待通りにセカンドのレギュラーとしての活躍をして欲しいと思っています。
しかしその井口の足を引っぱるかのような瀬戸山球団社長の発言には、正直なところ怒りすら覚えています。
こんな条件を出してまで獲得をしたかったんだよ、これが私のテクニック、実力なんだよとアピールをしたいのでしょうが、井口枠の存在をマスコミに公表する必要がどこにあるのか、ブロガーとしては重要な情報ではありますが、井口にとっては迷惑な発言だと思います。
実力があると信じているのであれば契約にレギュラー保障などの条項を盛り込まずともよいと考えるのが普通ですし、しかもそれを公表することで「井口はフロントに贔屓をされている」という印象を選手やファンに与えてしまったことは、井口にはマイナス以外の何ものでもありません。
若手を引っぱるなどのチームリーダとしての活躍をも期待される井口ですが、こんなことでは全ての言動が色眼鏡で見られてしまいます。
井口にとっては入団早々に、いきなり非常にやりづらい状況になったのではないでしょうか。

またここにきてバレンタイン監督の方針に逆らうかのような里崎やサブローの全試合出場を目指すとの発言も、この井口の待遇とは無縁ではないと思います。
里崎にしろサブローにしろ、もちろん井口にしてもレギュラーとして全試合出場を目指すことはプロ野球選手としては当たり前のことですし、バレンタイン監督の気まぐれ選手起用に疑問を呈している私ですから、むしろその心意気をよしと受け止めています。
しかしこの井口枠の存在を公表したことや、バレンタイン監督の今季限りを開幕前に発表したことによるチームへの悪影響は枚挙に暇がありません。
公然とバレンタイン監督の方針に挑戦する発言をする選手、これは求心力の低下を意味します。
来季以降のバレンタイン監督の続投が決まっていれば、こういった発言を里崎らがすることはなかったと思います。
また清水のバイアウト条項を含む契約のように、FAの権利を持っていればたいていの横車を押すことができるという、わがまま奨励の風潮も見られます。
サブローや橋本が今季も結果を残し、オフにレギュラー保障や全試合出場の確約を契約に盛り込めと言い出したらどうするつもりなのでしょうか。
完全に組織としてのたがが緩んできているように思えてなりません。

ロッテ石川副代表が編成トップに (1/21 日刊スポーツ)

ロッテは21日、組織改革で球団部を「チーム統括部」に変更し、石川晃球団副代表が部長を兼任すると発表した。
石川副代表が事実上、補強やドラフトなど編成部門のトップになった。
前任の本多幸喜球団部部長はチケット部の主査に異動。

そんな私の心配をよそに、瀬戸山派の権力掌握は着々と進んでいるようです。
チームに好結果をもたらしてくれるのであれば誰が権力を握ろうと知ったことではないのですが、ここ最近は表舞台に姿を見せなくなった重光ジュニアの動向が気になりますし、本社筋が一連の騒動をどう見ているのかも大きなポイントだと思います。
今回の巨額を投じたフロント主導の井口獲得が失敗に終われば、本社筋によって一気に瀬戸山派が一掃される可能性も当然ながら考えなければなりません。
そうなれば例によって本社から野球のやの字も知らない天下りがやってきて、再び暗黒時代に逆戻りすることになります。
瀬戸山球団社長を評価しているからこそ自重をして欲しい、心からそう願っています。

 

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9 コメント

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びっくりする人事ですね (hiro)
2009-01-21 22:26:58
本多さんの処遇がすごいことになってますね。
普通の会社では考えられないです。重役の権力争いでコケた方の重役の子分でも、格下げ人事はないでしょう。懲戒処分に近いですね。

通常の権力闘争以上に、よほど何かあったのでしょうか。

何にせよ、オーナーの後輩を獲得して、オーナーへの忠誠心も示せたことですし、瀬戸山氏の地位も安泰でしょう。

来季、案外、私は打線は心配してなかったりします。大砲はいないものの、中距離打者がずらっと並んで、2塁打記録をつくるんじゃないかという期待があります。

ただ、心配は投手陣で、今年もまた誰かが箸にも棒にもかからない大不調で、黒星を積み重ねるということにならないかと。先発枠に対して候補が余っているので、全員が気を引き締めて、仕上げてくれればと思うのですが。

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暗黒時代の再来 (放浪カモメ)
2009-01-22 01:45:34
ご無沙汰致して居ります。ブログは拝見致しておりましたが、年末年始とあまりにも目に余る球団の動向に、コメントを書いては消し、書いては消し…を繰り返し、投稿せずに静観を貫いてきました。しかし、もはや限界です。

現在のロッテは球団として、もはや「死に体」と化してしまっています。組織運営が正常に機能していない。ボビーも去る事から、先を見越して、09年度を変革のための準備の一年と考えているのでしょうか。
しかしながら、長年のファンとしては暗黒期の再来を恐れずにはいられません。若手の育成や台頭を無視した補強などの点での球団の無策ぶりやシーズン前にボビーの09年度での契約打ち切り、ホセの解雇、中途半端な新外国人の補強、井口の獲得・レギュラー確約、清水のバイアウト条項、橋本のFA補償ランクの問題…。球団の暴挙には、やはり理解しかねます。

はっきり申し上げて、組織としてはシーズン前に空中分解しそうではなく、既に分解してしまった感があります。仮に、シーズン中に皆が好き勝手やり、奇跡的にも(まぁ力のある選手が要るので十分ありえますが)好成績を挙げたとしましょう。そうすると、09年度のオフはどういった事になるかは言わずもがなです。10年度以降、大打撃を被るのは目に見えてなりません。何しろ、既に組織として体を成していないのですから。

っと考えますと、球団として早期に次期政権構想を立てても、オフには選手の大量流出や契約更改時の問題などを考えますと、09年度ではなく、10年度から数年かけてチームの再構築を図る事になるでしょう。再構築期間はもちろん混沌とした状態で、優勝戦線やAクラスも微妙な状態が続くと思われます。そうなると、選手離れや監督の更迭などで、また混沌とした時期が続く…まさに負のスパイラルです。

そうならないためにすべき事は幾つかあったのですが、既にボビーの即時解雇、次期政権へという手は使いそうもありませんので、まずは、次期政権を早期にまとめ上げ、09年度オフには即時に次期政権の指揮の下、ドラフトやトレード、FA流出も含め戦力分析に着手し、次期政権を全面的にバックアップするフロント体制を作る事が先決です。現フロントを完全に解体するのも良策でしょう。その上で、10年度から完全な新生ロッテで再始動させ熟成させていく。
このような状況に陥ったのも、身から出た錆ですし、もはや、短期的な視野ではなく、長期的な視野でフロントも選手も再構築していくしかないでしょう。再び、閑散としたマリンスタジアムで一部の区画だけがお祭り騒ぎといった光景が目に浮かびます。赤字も膨らむでしょう。入団拒否も起こるでしょう。
球団は誰のものか。ファンを無視したフロントのものとならないようにして欲しいものです。それが、ボビーの遺した大変大きな遺産なのですから。
長文になり、申し訳ありません。
(とはいっても、これからもファンを辞める事はないでしょうね。長年に渡り、生活の一部となってしまっていますから(笑)
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なんか・・ (サボテンの花)
2009-01-22 07:42:13
ボビー対瀬戸山で軍配が瀬戸山に上がりかけてる昨今、瀬戸山のやりたい放題に正直嫌気が差してきます。

けど瀬戸山に代わってからは強いフロントに変わり、良い面が多々ありましたがこちらもボビーと同様、長期化に対する弊害が生じ始めているのではないでしょうか。

瀬戸山勢力が増大するにつれて「ロッテ」と言う名の「ホークス」のようにチームカラーが変わってきてしまってるように思います。こうなると球団としては別物。乗っ取られた感が有り、応援コメより批判コメしか打てません。

10年先まで応援したくなるような「ロッテマリーンズ」であって欲しいです。
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Unknown (富山マリン)
2009-01-22 12:46:11
日本で誰もが認める実績を継続的に残している選手ならまだしも、4年も日本を離れてた35歳の選手に「レギュラー保証」なんて…ましてや、それを契約に盛り込むなんて馬鹿げてます。
根元らのモチベーションが下がらないか心配です…。
「小宮山枠」に続いて「井口枠」いい加減にしてほしいです。
これで井口に結果が出なかったら、チームがバラバラになりそうです。
こんな話を聞くと純粋に井口を応援しようという気持ちが薄れていきます。
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レギュラー保障 (スラッガー)
2009-01-22 13:21:59
いつも楽しく拝見させていただいております。
レギュラー保障について、皆様いささか勘違いされているようなので、お話させてください。
通常メジャーでは、レギュラー保障と出来高は表裏一体で考えられています。
出来高を達成する為には、レギュラーとして出場する必要があるからです。
すなわち、高額年俸選手の年俸を成功報酬にして、球団経営の健全化を図るために、出来高とレギュラー保障がセットとなって契約されるわけです。
そして、レギュラー保障→メジャーではロースター40名枠内での契約→つまりメジャーリーガー契約&起用法についての細則では、
当然、起用できない場合の条項も盛り込まれます。一番おおきいのは怪我に関する規定。続いては不調時の規定。おそらくですが一昨年シーズン途中から3000万円、昨シーズン6000万円のオーティズには、出来高部分には相当の金額が支払われたと思いますし、長いシーズンを戦い抜くために、選手の疲労を軽減するための、御休み条項も盛り込まれます。
いわゆる日本語でいう「レギュラー保障」をそのままの意味とするのとは相当違います。
「一番手としての二塁手の枠を保証する」くらいが正しいのでしょう。メジャーには盛り込まれた条項によって、逆にレギュラーを奪われるケースがいくつもあります。でもそんな奪われた選手でも出来高以外の基礎契約の年俸は保障されるというメリットがあるのです。
御休み時は当然ネモがスターターでしょうし、途中交代も含めると相当ネモの出場機会があるはずです。長く選手で活躍したい人は、1シーズン、無理してでもレギュラーで出なければならない契約にはサインしません。たとえ年俸2000万円下がっても、適切な休養が与えられる契約を求めます。井口の場合、メジャー契約では常に競わせるような契約だったのではないでしょうか?それに、しっかりしたバックアップ・ネモがいるからこその契約だと思います。
契約形態も日進月歩なので一層複雑化してますが、ネモを評価したからこその井口捕りだったのでしょう。メジャー契約でも単年3億近くは提示されてた選手を複数年とはいえ1.8億ですからね。井口・ネモ双方にとって良いディールだと思います。
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フロント人事 (スラッガー)
2009-01-22 13:48:43
すいません、もう一つ。「フロント人事」です。
前の投稿コメントで、契約の複雑化について書きましたが、この様に契約が複雑化した場合、各選手の契約を頭に入れた采配が監督には求められますし、監督の行う選手のパフォーマンス評価とは別に、GMが契約に基づいた選手の査定をします。
本多さんには申し訳けないけど、彼の過去の経歴や実績、これからのチケット部主査への配置転換から考えて、彼がそんな複雑な査定ができないと烙印を押されたんでしょう。
査定ができない⇒複雑だが選手と球団双方にメリットのある契約ができない⇒最少投資で最大効果が図れない⇒赤字体質が抜けられない⇒今までと変わらない40億の赤字→そのうちロッテがてを引くぞ→球団滅亡。
傍から見てると、権力闘争だ!独裁だ!と見えるけど、とても近代的な方法論で球団経営に乗り出しているなあ、と感心します。
まあ、日本人の和感覚からはズレを感じるかも知れませんが、改革は痛みを伴いながらも、待ったなしで進めるべきですし、実際、ファンが痛い思いをしているわけでもないですからね。違和感や嫌悪感を感じるのはあるでしょうが。
何もしなかった球団→嫌悪感もなし→突然合併&福岡移転、に見舞われたあのときに比べたら、瀬戸山さんが独裁権を確立しようが、球団存続に向けて球団が動いていることが、何より安心です。HONDAがF1を撤退する今日、瀬戸山改革はロッテ球団40年の悲願であり、これが頓挫すると、もしかしたら、球団は無くなるかもしれませんね。だってロッテにとって球団を保有する意味はもはやなく、経営的にも広告としての球団の役割は終わっていると思いますから。
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お返事 (オリオン)
2009-01-23 00:00:24
>hiroさん
主査という役職がどういった位置づけなのかが分からないのですが、響きからすると左遷のようにも見えますね。
もっとも本多氏には目立った動きはありませんでしたし、どうでもいいと言ってしまえばそれまでですが(笑)

年間の二塁打記録、ロッテが持っていますよね。
ここのところは二塁打王を多く排出しているチーム事情もありますし、繋ぐ野球を標榜する上では本塁打よりも二塁打が多い方が上手く機能しているということなのかもしれません。
そういう意味では井口も二塁打の多い選手ですので、ピタリとマッチしてくれることを期待しましょう。

>放浪カモメさん
組織が機能していないとの評、ごもっともだと思います。
バレンタイン監督の去就は2009年の成績次第と言った舌の根も乾かないうちに2009年限りと発表をし、かと言って2010年以降のビジョンが描かれているわけでもないですし、清水やサブローらFA権を持っている選手への卑屈な交渉ぶりや、補強ポイントを無視した井口への破格の条件提示など、チームを強化するよりも自分の足元を固めることに奔走しているように見える瀬戸山球団社長の動きに不安を覚えています。

好意的に見れば瀬戸山球団社長らが権力の掌握に成功して、今は舞い上がっているだけなのかもしれません。
暫くして落ち着けば、球団経営については確かな手腕を発揮してきた実績を考えれば、あるべき姿に軌道修正してくれるのかもしれません。
しかしシーズン中にもバレンタイン監督との確執が再燃するようなことがあれば、保身に走るような行動を取り始めてそれこそ球団全体の空中分解も充分にありえるとの心構えをしていた方がよいような気がします。

>サボテンの花さん
手腕を発揮するために気心の知れたスタッフを集めること自体は、決して悪いことだとは思いません。
井口の場合はやり過ぎのようにも見えますが、今は瀬戸山球団社長を信じるしかないと自分に言い聞かせようとしています。
ただやはり権力者は表には出すぎないようにすべきだと、このあたりは故根本氏を見習うべきでしょう。

本社からの天下りが腰掛け程度にやってきては去っていったかつての暗黒時代を思えば、瀬戸山球団社長ぐらいの優れた能力を持ったスタッフを失うようなことにはならないことを願っています。
だからこそ慎重な言動を望んでいますし、やり過ぎにも心配をしています。

>富山マリンさん
仰るような心境になってしまうことが、瀬戸山球団社長の失言による悪影響だと思います。
私のようなブロガーが井口枠だと糾弾するのと、瀬戸山球団社長がレギュラー保障を公言するのとでは、そのインパクトは違いすぎます。
冗談抜きで舌を引き抜きたいほど、瀬戸山球団社長の軽率な発言に苛立っています。

>スラッガーさん
メジャーの契約形態には疎いので、ご説明いただいた内容が今ひとつ理解ができません。
出来高を達成するためにはレギュラーとして出場する必要があるというのは分かります。
しかし仰るようなご説明の契約が、どうしてレギュラー保障となるのでしょうか。
こういった内容の契約を結べるクラスの選手はロースター枠に入ってくるのは大前提ですし、基本給と出来高に分けた契約をすることがレギュラー保障と結びつくという道筋がよく分かりません。
むしろレギュラー保障ができないからこそ、出来高という形で無用な出費を防いでいるのではないかとすら思えます。
また盛り込まれた条項によりレギュラーを奪われるケースというのも、いったいどういう例が考えられるのか、もう少し具体的にご説明いただけませんでしょうか。

それはさておき、今回の井口との契約が仰るようなメジャー流の契約なのかどうかには、正直なところ疑念を抱いています。
瀬戸山球団社長が「起用法」について契約に盛り込み、かつ「全試合全イニング出て欲しい」とコメントしていることを額面どおりに受け取れば、本人が希望する限りはベンチが交代させることはない、ぐらいの条項が盛り込まれていると考えるのが普通のように思えます。

いずれにせよメジャー契約の一般論や個々人の受け取り方で議論をしても一定の答えはでないと思いますが、それこそ傍目から見れば「井口が贔屓(優遇)をされている」と選手やファンが見てしまうような契約を結んだととられても仕方がないような報道の流れになっており、その流れを瀬戸山球団社長が補完してしまったことだけは間違いがないように思えます。
これは井口にとっては大きな足枷になると、非常に心配をしています。

また、メジャーではレギュラー選手に適度な休養を与えるのが一般的だということは知っています。
しかしだからといって井口がそれを求めているというのはやや強引な話の持って行きようではないでしょうか。
いいか悪いかは別として、日本では全試合出場することこそがレギュラーとしての勤めという考えが主流ですし、イチローや松井などがベンチの方針で休養を取らされることに違和感を感じて、場合によっては不満を口にしていたように、概ねメジャーの日本人選手は休養を望んではいないのだと思います。
実際のところ瀬戸山球団社長の希望はさておき、井口自身が全試合全イニング出場を目指しているような報道もされていますし、メジャーでは休養があるのが当然だから井口も同じであり、だから根元にも充分な出番があるとの考え方には組せません。
もちろん仰るように井口が適度に休んで、そこを根元がバックアップするような体制となるのが理想なのですが、それよりも成績がいまひとつでも井口が全試合全イニングを貫き通すことの方が可能性が高いのではないかと思います。

ところで確かに井口の年俸は昨年に比べれば半額近くに下がっているのですが、金融危機の影響もあってFA宣言をした多くの選手がオファーがなく市場に溢れかえっている現状を考えれば、破格の金額でロッテは契約をしたと考えるべきではないでしょうか。
同じ程度のレベルで、かつ井口と同じぐらいの年俸だった選手が今年は70万ドルの単年契約しかできなかったとの報道もありました。
また日米から複数球団のオファーと報道されながらも具体的な金額が表面に出ているのはロッテだけです。
こういった獲得競争の場合はどこがいくら、あそこはいくらと報道されるのが常ですし、日本はオリックスと日本ハムの名前が挙がっていましたがメジャーでは具体的な球団名はでていなかったことを考えれば、金額提示まで至ったのがロッテだけではないかと見ています。

フロントについては本多氏の能力についてはコメントするほどの情報を持っていませんし、興味もありません。
そもそも権力闘争も、誰が権力を握ろうとも、球団がよりよい方向に向かうのであれば構わないというスタンスは、本文に書いたとおりです。
また瀬戸山球団社長の手腕を評価しているという点についても然りで、だからこそ自重して瀬戸山政権が短命に終わることのないようにと願っています。

ところでファンが痛みを感じていないと、本当にそう考えられていますか?
選手が集中してプレーができないような環境になっていることを嘆くこと、これもファンにとっては大きな痛みであると私は考えています。
とにかく改革を標榜しながら痛みだけが残った小泉政権のようなことにはならないでもらいたいものです。
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球団は誰のものか (放浪カモメ)
2009-01-23 00:31:18
早速、ちょっとしたお返事を。
私もオリオンさん同様、この一連のドタバタ劇を、「ファンが痛みを感じていない改革だ」とはどうしても思えません。上でもコメントさせてもらいましたが、「球団は誰のものか」という点において、保有権は親会社に有り、親会社の広告塔的な面が多いのも確かです。また、球団自体は指定管理者制度の下、指定管理者が運営を行っています。
しかし、それを支えているのはファンであり、それを裏切る行為を選手、監督、フロント他関係者が行えば、やはりファンへの冒瀆としか思えません。アメリカナイズで考えれば、こんな赤字体質の経営を行っている球団を持っていること自体ありえません。地域、ファンによって支えられている事を決して忘れて頂きたくないと思っております。

改革には当然、大きな痛みも伴います。その点を納得させるためには、改革の工程表やアクションプランといったビジョンが必要となります。しかし、今の球団にはそれが全くない。
本物の改革とは、今の状態を完全にスクラップし、新たに一つずつ土台から築きあげていく作業の事を言います。第二次ボビー政権でファン層を掴み、地域性や認知度が向上し、また選手に広くチャンスを与え、芽が出てきた選手や埋もれていた選手が台頭した事によって、現状のマリーンズが在ります(「好み」や「枠」といった起用法の質は今回は敢えて問いませんが)。
それももはや時代とはそぐわず、経営体質も良くない。そうなれば、改革はやむを得ませんが、球団としての方向性は、かつての暗黒期から脱却できた事を考えますと、間違いはないと考えられます。今更、一から「改革」などと言う必要はない。あえて言わせていただくと、時流に沿った修正を行うべきであり、それは監督の交代、選手、フロントの若返りも当然必要でしょう。しかし、その工程表があまりにも杜撰で、09年度前に来季の監督交代、競争を排斥した若手の台頭の阻害など目に余る行為が多いのが問題なのです。球団運営に関して博識である瀬戸山氏がこうした事を行う事自体が混乱を招いており、ファンは不安で仕方がないという事実がある事は理解して頂きたく思います。

(ちなみに、皆さま小泉構造改革に関しましては様々なご意見がおありでしょうが、当時出来うる手は打ったと評価して良いと思われます。しかし、その後の弱小政権が抵抗勢力によって改革を骨抜きにされ、元の構造に逆走させてしてしまった点、加えて、タイムリーな改革の修正を行うチェック機能が無かったため、現在の時流とずれてしまっているというのも事実です。不良債権処理が未だ断行されていなかった事を考えるだけで、ぞっとします(汗)
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お返事 (オリオン)
2009-01-24 01:35:55
小泉改革については安倍らがきっちりと後継したとしても、そもそも郵政改革しか頭になかった経済音痴の小泉の引いた路線ですから結果は同じであったと思います。
何にせよ小泉ブームに乗ったおばちゃんらも含めて、深く考えずに自民党に圧倒的な多数を与えてしまった国民の自業自得でしょう。

それはさておき(笑)

改革の工程表なき改革などは絵に描いた餅以下であること、ご指摘の通りだと思います。
バレンタイン監督を更迭する理由として耳障りのいい改革という言葉を引っ張り出してきただけであることは、そのかけらも明らかに出来ていないことからも明白です。
よって現実的には仰るように、今の路線に修正を加えていく、具体的にはバレンタイン監督が主導してきたファンサービスを自らの手でやっていけるかを模索しつつ、削るところは削るというコスト削減に着手をする形になると思われます。
入場料の改定などにもさりげなく手をつけ始めましたし、目につきづらいところでのサービス改悪も始まるだろうと考えた方がよいでしょう。
それ自体は悪いと言いますか、仕方がないことだとは思いますが、その一方で清水や井口への浪費を見るにつけ、大丈夫かとの不安の方が大きいというのが正直な感想です。
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