この3連戦を象徴するかのような守備のミスが目立った試合でしたが、そのミスが多かったロッテが勝ったのはそれをカバーする好守があったからこそです。
濡れた人工芝に苦労をしたのも分かりますが初回にボールを握り直して内野安打としてしまったクルーズ、五回に一塁走者を気にして送球が遅れたことで内野安打にしたり、足下の打球にバウンドを合わせ損なって捕球ができなかった中村、六回の無死一二塁からの目の前に転がったバントにしめたと力んだのかサードへの送球が逸れた田村、七回の犠牲フライからの返球が逸れたクルーズにやはりバウンドを合わせ損なってアウトのタイミングだったのに後逸をした中村と、これだけ重なれば勝てたのが不思議なぐらいです。
それもこれも五回の無死一二塁からのポテンヒットになりそうな打球にスライディングキャッチをした岡田、一死満塁から長い距離を正確なバックトスで併殺を成立させたクルーズ、六回の田村の逸れた送球を体をいっぱいに伸ばして捕球をした中村、二死満塁で深いところの打球に追いついて体が流されながらも機敏な送球でセカンド封殺とした鈴木、七回のフェンス直撃かとも思われた打球に追いついた岡田、八回の無死満塁で痛烈な打球に押されることなく捌いた福浦など、つま先立ちで踏みとどまったといったところでしょう。
ブランコの打球には終わったと頭を抱えましたし、糸井の打球もそう、しかしそれよりも今日は鈴木の身のこなしこそがMVP、3安打猛打賞などよりも価値があったと思います。
そこに触れもせずに「アレ」を要求することしかできないワンパターンなインタビュアー、情けなくて涙が出ます。
そんな今日は午前からずっと雨模様な雲の動きでしたので小雨になったのを見計らって家を出たため、普段からすれば考えられないほどに早くに球場に着きました。
そんなこんなで時間を持て余してこれまた普段では並ぶことのない抽選会に参加をしたところ、一等を引き当てて西野のサインボールをゲットです。
こうやって小さく運を使っちゃうんだよな、とは思いながらもシンプルに嬉しく、凍り付く場面の多かった試合でも気がつけばニヤニヤ、たまにはこんなことがあってもよいでしょう。
欲を言えば敬愛大学の関係者の皆々様、今後はもう少しインクの出るペンでサインをもらっていただければ幸いです。
大嶺祐は6回途中で9安打2失点、ヒットのうち可哀想な打球もあり気の毒ではありましたが、本人も反省の連続四球がもったいなかったです。
立ち上がりのピッチングからすれば完封をするのではないか、ぐらいの内容だっただけに、野手に足を引っ張られたこと、面白いように決まったカーブに頼りすぎてしまったことが粘りきれなかった理由ではないかと、次の西武戦では所沢のリベンジをしなければなりませんからネジの巻き直しが必要です。
それでも140キロ台のストレートがあってこそのカーブ、スプリット、スライダーと型が完成をしつつあるようで、大器晩成、今季の二桁勝利だって夢ではありません。
ここのところ早めの降板が続いていることで規定投球回に達するにはもう少し時間がかかりそうですが、一気に壁を乗り越えて次のステージに進んでもらいましょう。
その大嶺祐が早めの降板だったことで継投は総動員、あの場面で使ってもらえるようになったのかと嬉しくもなった香月良はヘルマンへの内角ストレートは100点満点、あれがボールとなればお手上げで、今日はかなりストライクゾーンが動いていたような、いってこいではありましたがヘルマンと糸井の微妙なジャッジもあり、審判にも苦労をさせられました。
その後は松永、益田、内とピンチの連続、七回から内、大谷、西野の勝利の方程式で終わり、と思っていただけに意外な起用が続き、昨日に打たれたぐらいで投げさせるのを躊躇する伊東監督でもないでしょうから大谷は大丈夫かと心配にもなり、松永のイニング跨ぎなど首を傾げるところはありましたが、しかし大谷抜きであればあれしかなかったのでしょう。
最後はミスター三者凡退、の西野が締めての眼下の敵を蹴落とす3タテを食らわせて、何はともあれ今日は中島とT-岡田に救われました。
打線は吉田一をあっさりと攻略をしての素早い先制、追加点でしたが、しかし中盤以降に抑えられたことが試合をもつれさせたとも言えます。
相手も必死ですので簡単には打てないのは分かりますが、何はともあれカード最終戦でよかったです。
その吉田一を前回にもKOをしているのですからまずは1点を取ることが重要、という点からすれば初回の無死一塁で調子の上がらない角中にバントをさせなかったのが不満と言えば不満で、結果論ではありますが送っていれば清田のヒットで先制ができていたのにと、木田二世の吉田一をもっと早くマウンドから引きずり降ろせたかもかもしれません。
そうは言いながらもデスパイネがこれまた湿り気味な中で中村、田村らの下位打線が仕事をしているのは好材料で、途中出場でヒットを放った荻野の復権の先は岡田なのか角中なのか、守備でミスが目立つ中村の代わりを虎視眈々と狙う三木に高濱など、チーム内の争いが活気づいてくれればと思います。
そしてその中村がミスを連発した直後のベンチで松山コーチが懇々と指導をしていた姿は前政権のときにはあまり見られなかった光景ですし、遠目だったので人違いかもしれませんがその横で三木も話を聞いていたのにはやや胸アツ、送球を逸らした田村にすかさず後ろから力を込めて頭を叩いた福浦も意外でしたし、チームは動いているのかもしれません。
この期待が裏切られないような、スローガンどおりにチーム一丸で泥臭く白星を拾っていく、そんな野球を東京ドームでも見せてください。
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◆8月30日(日) 千葉ロッテ-オリックス22回戦(ロッテ14勝8敗、17時1分、QVCマリン、22,749人) ▽バッテリー |