前日の最後の悪あがきが無駄にならずに今日に繋がったと、そんな初回からの猛攻でした。
荻野がプロ初の4安打猛打賞で核弾頭として切り込むと、清田はファールで粘って10球を投げさせての四球で二死からの先制劇をもたらすとともに追加点のタイムリーツーベースにダメ押しのツーランと大活躍、地元での試合であれば同期同い年のお立ち台だったでしょう。
西武からすればダメージの大きい初回の26分間の守備は打者一巡、野上が49球も投げてのことですから最後まで引きずったのではないかと、久しぶりにスカッとさせてもらいました。
ただそれもこれもミス合戦の様相を呈した中で西武がやらかしまくったのが勝因の一つでもあり、前日に殊勲の渡辺が野上の立ち上がりの足を引っ張る落球に打席では守備妨害、また間に合わないホーム返球をカットしなかったり深い守備位置でポテンヒットを連発したり、さらにはメヒアの悪送球が決定的な失点に繋がるなどボロボロ状態で、一方のロッテも打ち取った打球が三遊間を抜けていったり清田が打球を逸らすなど似たようなものでしたから、勝って兜の緒を締めなければなりません。
結果的にはランエンドヒットと外野フライで進塁打にはなりましたが二回の無死一塁では木村が投げていることを考えればバントで確実に得点圏に走者を進めるべきでしたし、四回の無死二塁にへっぴり腰でバントをミスした鈴木は16安打と打ちまくった打線の中で一人だけ蚊帳の外な6タコですので、明日は早出特打ちにバント練習でしょう。
あの得点差でなぜに、と思わずにはいられない荻野のフェンス際のスライディングもあり、一日でCS圏内に復帰をしながらも手放しでは喜べない、が正直なところではあります。
それもこれも木村がピリッとしなかった、そこに尽きるでしょう。
5点もリードをしてもらいながらもあっさりと3点を失い、さらに味方の援護がありながらも勝ち投手の権利どころか四回も持ちませんでした。
初回の秋山への2球は外角低めに素晴らしいコースに投げ込んで今日はいけると思ったのもつかの間で、追い込みながらも勝負球に欠いたことでファールで粘られて甘く入ったところを痛打され、4回途中で6安打3失点の降板は75球という球数からすれば仕方のないところでしょう。
それでも6点のリードでしたので追加点を許すまで、と思わないでもなかったですが、どのみち五回を投げきるにはスタミナが持たなかったと思われますから傷口が広がる前にとの判断は妥当で、またベンチに戻ってから伊東監督が木村に握手を求めて、その木村には笑顔すら見られましたからあるいは最初から三回を目処に、という話だったのかもしれません。
それにしても木村からすればプロ二勝目を手にするに千載一遇のチャンスだったのではないかと、それが苦笑いだったとしても笑っている場合ではないでしょう。
浦和で頑張ってきたからこそのようやくの一軍での先発のチャンスをふいにした、とも言えなくもなく、二回の無死満塁から自らの俊敏な動きでピンチを切り抜けられるかと思ったところでの外崎への魅入られたようにど真ん中に投げ込んでしまった初球が悔やまれますし、それでも粘られながらも四球で崩れることがなかった、と前向きに考えることにします。
その木村が残したピンチを切り抜けた香月良に2年ぶりの白星が転がり込んできましたが、ここまで地味に頑張ってきましたので天からのプレゼントでしょう。
木村と同じくコントロールで崩れることがなくなったのはストレートに威力が増してきたことが理由でしょうし、今日も攻めの姿勢が感じられました。
そして大谷、西野の登板は展開からすれば異例ですが登板間隔が空いていましたので調整登板はありでしたが、大谷の2イニング目には絶句で、この展開で投げさせられない藤岡に松永であれば一軍に置いておいても戦力になりませんから、勝っている展開では投げることがないであろう郭俊麟と田中で乗り切った西武とは対照的でもあり、昨日とは真逆に終盤に攻勢を許してメヒアと森を目覚めさせてしまった感もありますので、明日の大嶺祐の足を引っ張ることにならなければと願うばかりです。
打線は久しぶりに大爆発です。
初回の二死からの連続四球、3連続タイムリーはどこのチームかと頬をつねる思いで、その口火を切った福浦のタイムリーは見事でした。
福浦は今日もマルチヒットで今季中の1900本安打到達が視野に入ってきましたし、守備でも投手への声かけや精一杯な動きでチームを盛り立ててくれています。
オギキヨの活躍は前述のとおりで、ここのところ湿りがちだった角中も3安打猛打賞、そして久しぶりのスタメンマスクだった吉田も打撃では田村にかなりなアドバンテージがあるところをアピールできたのではないかと、野上が悪すぎたことを考えても各選手が気持ちよくバットを振れていたのではないかと思います。
クルーズも底を打ったのではないかと期待をさせる3打点、デスパイネはボール球に手を出さずの3四球、小技を除けばいい攻撃ができていました。
明日は初物の高卒ルーキーが相手なだけに、育成機関に成り下がらないよう、プロの厳しさを教える連日の猛打でいきましょう。
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◆8月22日(土) 西武-千葉ロッテ19回戦(ロッテ11勝7敗1分、18時、西武プリンス、29,236人) ▽バッテリー |