オフになるとロッテの報道に対するコメンテーターと化してしまう傾向にありますが、なかなか前向きなニュースが少なくて筆が進みません。
今日も清田の入団拒否の可能性を告げる各紙の記事に頭を痛め、気持ちも沈み気味です。
ロッテ4位清田、順位納得せず入団拒否も (11/5 日刊スポーツ)
ロッテからドラフト4位指名を受けたNTT東日本・清田育宏外野手(23=東洋大)が入団拒否する可能性が出てきた。
4日、千葉・船橋市内の同社グラウンドで練習後に「正直迷っています。ドラフトにかかったことはうれしいけど、4位という評価で悔しい気持ちが強い」と複雑な心境を明かした。
ドラフト直前に垣野監督と面談した際、「3位以上ならプロに行くが、それ以下なら行かない」と、プロに行くためのラインを設定した。
予想を下回る4位指名に加え、同1位が俊足強肩のトヨタ自動車・荻野貴司外野手(24=関学大)というのも引っかかったという。
「荻野とは同じタイプなので、考えることがたくさんある。今年の都市対抗で活躍できずにチームに迷惑をかけたので、もう1年残って恩返ししたい気持ちもある」と話した。
千葉出身で、ロッテには幼少のころから愛着を持っていた。
そんな揺れる心中を察してか、2度入団拒否して今年、意中の巨人から指名されたホンダ長野から電話があったという。
「周囲はいろんなことを言うが自分の人生なんだから自分で決めろ、と言われてありがたかった」。
12日の日本選手権前までに方向性を出すようだ。
清田は指名に喜びのコメントを残していただけに、これは正直なところ意外でした。
アマチュア選手にとって指名巡目は評価の証しであり、また契約金や年俸、背番号などに直結をするだけに相当な意識を持っていることは理解ができます。
プロは入団をしてからが勝負だ、自由獲得枠もとの前評判だった大松は予想外の5巡目での入団も今はロッテの4打者にまで成長をしたことに学ぶべきだ、その悔しさをバネにすればいい、などなど他人は何とでも言えますが、上位指名選手は長い目で見てもらえるなどのアドバンテージがあることも確かですから、清田の気持ちも分からないでもありません。
また荻野が同級生で同じ右の外野手であることに微妙さを感じていましたので、同じことを清田も考えていたことに納得感もあります。
ですから大豊作とも言われている来年のドラフトで今年以上の巡目で指名をされるよう頑張るとの気概は買いたいですし、その頑張りが評価に繋がればロッテに愛着はあるようですから再びの指名を拒否することもないでしょう。
それはそれでいいかなと、別に冷めているわけではありませんが、瀬戸山球団社長が言う何度か話せば分かるという名の誠意はせいぜい契約金に1000万程度を上乗せするぐらいでしょうから、それに納得がいかないのであれば拒否も仕方がないと割り切るしかありません。
しかしチームへの恩返しを拒否の理由にすることは、これだけはやめてもらいたいです。
昨年の長野もそうでしたが、希望球団に指名をされたり上位で指名をされた場合には恩返しなどは忘れたかのように笑顔で入団をするのでしょうから、そんな都合のいい薄っぺらな恩義は白々しい言い訳にしか聞こえません。
もちろん恩義と自分への評価を天秤にかけて、という気持ちもあるのでしょうが、ファンとしては清々しさどころか嫌らしさすら感じてしまいます。
これで清田がチームに貢献ができないまま来年のドラフトで阪神あたりに6巡目ぐらいで入団をした日には、それこそ人間性すら疑われかねません。
ちなみに意外だったのがアマチュア選手のネットワークの緊密さで、全日本に選ばれた選手同士ということもあるのでしょうが、清田が荻野を親友と呼んだり、長野から電話がかかってきたりと、もしかしたらドラフト前からいろいろと情報交換をしているのかもしれません。
長野の電話についてはロッテの指名を拒否した経緯から勘ぐる向きもあるでしょうが、私は逆に「会社の意向などは気にせずに」といった意味合いではないかと受け止めています。
昨年の踏ん切りの悪さを忘れてはいませんが、その公言どおりにチームに貢献をした上で希望球団に指名をされた長野にあっぱれとの気持ちを持っているということもありますし、勘ぐられることを分かっての電話でしょうから他意はないであろうと、まあそんなところです。
何にせよ長野の言葉ではありませんが、自分の人生ですから悔いが残らないよう自分で決断をしてくれればと思います。
もちろん入団を決意してくれることを心待ちにしていますし、荻野とともに競い合ってレギュラーの座を狙ってくれる清田のプレーを千葉マリンで見られることを願っています。