私は瀬戸山球団社長の経営手腕を高く評価をしていますし、ロッテをここまでにした功労者であると認めています。
しかし昨年に井口枠の存在を明らかにしてしまうなど顰蹙を買う言動が多いことも確かで、今回も大きなミスをやらかしてくれました。
千葉ロッテ入団の金泰均「けがなくフルタイム出場が目標」 (11/13 中央日報)
金泰均(キム・テギュン、27)はもう日本プロ野球千葉ロッテ・マリーンズの所属だ。
13日午前、千葉ロッテの瀬戸山隆三球団代表に会い、契約書にサインした金泰均は、この日午後、ソウル小公洞(ソゴンドン)ロッテホテルで記者会見を行った。
瀬戸山代表も同席した。
3年・最大7億円(契約金1億円+年俸1億5000万円+オプション1億5000万円)の大型契約だ。
金泰均は「高く評価してくれた千葉ロッテに感謝している」と語った。
瀬戸山代表は「金泰均を4番・正一塁手と考えて迎えた。全試合に出場してほしい」と期待を表した。
--国内フリーエージェント(FA)の‘最大魚’金泰均を獲得したが。
(瀬戸山代表)「今日、千葉ロッテが金泰均と契約を結んだ。千葉ロッテは金泰均選手と契約したことをうれしく思う。金泰均選手と両親、関係者に感謝している。韓国の宝物のような存在の選手を迎えた。金泰均選手が日本で成功し、韓国ファンを喜ばせてほしい。金泰均選手が日本に行っても多くの応援をお願いしたい」
--日本進出が実現した所感は。
(金泰均)「自分の価値を高く評価してくれた千葉ロッテに感謝している。個人的にはシーズン序盤から海外進出を考えていた。目標が実現してうれしく思う。しかし同時に気持ちが重い。ハンファの成績が良くなく、初めて最下位になった。チームの主軸打者として、チームが良くない状況で離れることになって申し訳ない。ハンファ球団、チームの同僚、ハンファのファンに申し訳ないという気持ちが強い」
--契約条件は。
(瀬戸山代表)「3年・契約金1億円・年俸1億5000万円。インセンティブはこれから細かい話をする(金泰均は「3年・総額1億5000万円水準のオプションがある」と話している)。午前中にすべてを決めることはできなかった。期間(3年)は確実に保証する」
--千葉ロッテでの金泰均の地位はどの程度か。
(瀬戸山代表)「これまで千葉ロッテの強打者といえば福浦和也を思い出すだろう。しかしこの数年間、福浦が試合に出られない時期もあった。金泰均選手を4番打者・正一塁手と考えて迎えた。全試合に出場してほしい。約束ではないが、千葉ロッテの希望だ」
--突然契約を締結した理由は。
(瀬戸山代表)「千葉ロッテは新しいチームで新たなスタートを切ろうと考えている。金泰均選手が中心打者の役割を果たさなければいけない。パワーと技術を備え、守備力も高いと聞いている。獲得を急ぐしかなかった。球団側も金泰均選手が早く決断してくれたことに驚き、うれしく思っている。私たちに会う前から日本へ行きたいと考えていたようだ。韓国と縁が深い千葉ロッテを選んだのではないだろうかと思う。千葉ロッテも金泰均選手が成功し、ファンも喜んでくれることを望む」
--金泰均の獲得には現場とフロントが合意した状況だったのか。
(瀬戸山代表)「双方とも考えてた。西村徳文監督と球団オーナーも同じ考えだ。千葉ロッテは新しい体制を準備してきたが、二塁手の井口も金泰均選手と一緒にやりたいという意思を表した。期待している」
--先に日本に進出した先輩打者の失敗が負担になると思うが。
(金泰均)「私より先に日本に進出した先輩を見ながら感じた点は多かった。韓国の野球よりレベルが高いということは知っていた。急に日本行きを決めたのではなく、数年前から準備してきた。適応さえうまくできれば問題はないと思う」
--千葉ロッテに決めた理由は。
(金泰均)「日本行きをまず決めた状況で、千葉ロッテが良い待遇を約束してくれた。李承(イ・スンヨプ)先輩がプレーしたチームだ。李承選手を尊敬しているが、李承先輩が所属していたチーム、李承先輩のように頑張りたいという考えで決めた」
--李承を意識しているのか。
(金泰均)「今年は成績が良くないが、李承先輩が日本でホームランを打つ姿を見ながら、いつもうらやましく思っていた。李承先輩が韓国で残した記録は本当に大変なものだ。私も韓国で9年間挑戦してみたが、超えるのが難しいということを知った。李承先輩は超えたい目標でなく、尊敬の対象だ。多くのことを学びたい」
--来年の目標はどの程度か。
(金泰均)「目標値を決めていない。けがなくフルタイムを消化すれば良い成績が出そうだ。新年から欲張らず、チームメートと親しくなりながら、チームが勝てるプレーをしたい」
--追加で獲得したい韓国選手はいるか。
(瀬戸山代表)「今シーズンは金泰均選手だけを考えてきた」
--いつから日本に行きたいと考えていたのか。
(金泰均)「子どもの頃から海外でプレーしたいと思っていた。国内で最高になってから進出するというのが最高のシナリオだった。その目標を達成できず残念に思う。日本に行くために準備して努力したのは3年くらいだ」
--今後の日程は。 (瀬戸山代表)「明日、金泰均選手が日本に行く。16日午後に日本で記者会見を行う」
まるで福浦は終わった選手であるかのような発言は、許すことができません。
もちろん韓国での記者会見ですからリップサービスもあるでしょうし、中央日報が都合のいいように記事をまとめた可能性もありますが、これに近いことを言っているであろうことは瀬戸山球団社長のこれまでの言動を見れば想像がつきますし、とにかく言葉が軽すぎます。
私が福浦であればさっさと荷物をまとめて秋季キャンプを切り上げて、帰京をした上で球団に退団を申し入れるでしょう。
もちろんロッテで我慢をした方が高給を得られることは間違いありませんが、戦う前から起用について球団があれこれいう中でプレーなどはしたくもありません。
この瀬戸山球団社長の発言は昨年に井口が嫌な思いをするきっかけとなったのと同様に、福浦を傷つけるとともに金泰均にも悪い影響を与える、そんな愚挙だと断言をします。
今回の金泰均の獲得は親会社の意向も働いていたと思われますし、資金的なバックアップもあったでしょうから瀬戸山球団社長が得意満面になって饒舌になる気持ちも分かりますが、要職にある立場で言っていいことではありません。
ロッテには福浦という長年チームを支えてきた一塁手がいるし、井口やサブロー、大松といった選手もいる。
しかし金泰均は彼らに負けない力を持っているので、4番・一塁を勝ち取ってチームに貢献をしてくれると期待をしている。
同じ選手の名前を出すのであればこれぐらいのことを言えないのかと、どうにも情けなくなってきます。
先の発言は西村監督の選手起用にも影響を与えるでしょうし、もしそうでなくても色眼鏡で見られることは間違いありません。
不幸なことに結果が伴わない金泰均や、川越や山田といったベテラン勢を使い続けるようなことになれば、福浦への同情と相まって西村監督の求心力は一気に低下をすることは避けられず、ファンのみならず選手からも離反者が出てもおかしくはありません。
出足から重い十字架を背負わされたことは気の毒としか言いようがありませんが、超前向きに考えれば西村監督がフラットに選手起用をするかどうかの試金石になるとの見方もできますので、金泰均についての西村監督のコメントや、オープン戦からの起用法に注目をしたいと思います。
金泰均に対しては含むところはありませんし、競い合って4番・一塁を奪うのであれば何の文句もありません。
複数年契約は結ばないとの発言の舌の根の乾かぬうちに結んだ3年契約や、西岡らに匹敵をする年俸についてもロッテという球団の成り立ちを考えれば仕方がないところもあると、そこは理解をすることもできます。
ですから望むことは謙虚な姿勢で、瀬戸山球団社長が何を言おうが「実力でポジションを奪い取る」との姿勢を見せてくれることがロッテで気持ちよくプレーをするためには大切であり、またそれが金泰均のためにもなると思います。
間違っても自分は特別だと思い上がらないこと、記者会見での発言を見れば心配はいらないようにも思えますが、それだけは強くお願いをしたいです。
しかし瀬戸山球団社長も石川球団副代表も、とにかく出たがり屋もたいがいにしてもらいたいです。
これだけ表面に出てくるのは巨人の清武球団代表ぐらいですから、ちょっと異様すぎる光景と言えます。
権力闘争に勝利をしてはしゃぎたい盛りなのだとは思いますが、勝利者となったからこそ黒子に徹することで権力を長く維持できるということを理解できなければ、彼らが頂点から転がり落ちる日も遠くはないかもしれません。
手腕を評価しているからこそ惜しいとの気持ちが強く、この忠告が耳に届くことを願っています。