電脳筆写『 心超臨界 』

悲しみは二つの庭を仕切るただの壁にすぎない
( ハリール・ジブラーン )

歴史を裁く愚かさ 《 ここまで来たか歴史教科書――西尾幹二 》

2024-05-11 | 04-歴史・文化・社会
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ここに例示した一枚は、日本文教出版版244ページの日中戦争の記述にそえられている。「日本軍の残虐行為を伝える中国の壁画」の説明があり、若い中国人女性を後ろ手に縛りつけ、動けない彼女の乳房を折しも日本兵が短刀で刺したところの絵である。兵の足元には赤子がころがっている。いうまでもなく中国側の反日宣伝材料であって、ほんとうにこういうところがあったかどうかは誰にも分らない。かりにあったとしても、ここにあるのはどこまでも一枚の絵である。


『歴史を裁く愚かさ』
( 西尾幹二、PHP研究所 (2000/01)、p30 )
第1章 教科書問題を考える前提
1 歴史の分からない歴史教科書

◆ここまで来たか歴史教科書

われわれがあまり見たくない外国の反日宣伝の言葉やポスター、目をそむけたくなるひどいイラストが今度の教科書に多数のせられていることは、最近各方面で取り上げられている。どこの国の教科書のつもりか、という怒りの声もよく聞く。すべては上に見た観念的歴史観の行き着く到達点である。

ここに例示した一枚は、日本文教出版版244ページの日中戦争の記述にそえられている。「日本軍の残虐行為を伝える中国の壁画」(*)の説明があり、若い中国人女性を後ろ手に縛りつけ、動けない彼女の乳房を折しも日本兵が短刀で刺したところの絵である。兵の足元には赤子がころがっている。

  (*)「日本軍の残虐行為を伝える中国の壁画」http://tinyurl.com/ncofna6
    同じ絵が「小学6年上」(大阪書籍)に掲載されている。

いうまでもなく中国側の反日宣伝材料であって、ほんとうにこういうところがあったかどうかは誰にも分らない。かりにあったとしても、ここにあるのはどこまでも一枚の絵である。しかも相手は子供の教科書である。12~15歳の感じ易い子供たちにみせてよい絵だと読者は果たしてお考えになるだろうか。私は怒りを通り越して、悲しさを覚えるばかりだった。文部省検定官はこの絵の掲載を平気で許可したのであろうか。

また、検定7教科書のうち6書は、朝鮮戦争を北朝鮮の侵略として明記せず――日本の戦争はすべて侵略と明記するくせに――7書全部がロシア革命をいまだに高く評価し、なぜか60年安保闘争を特筆大書している。スターリンの犯罪はもうしわけ程度に1、2行言及されているが、社会主義体制の悪としてでなく、スターリン個人の犯罪のごとく扱われている。しかも7書どれもがポル・ポトの集団大量虐殺についてはまったく記述していない。

そしてまだ歴史的事実について多くの疑問が噴き出している旧日本軍による散発的・無計画的殺害事件は、競って誇大に書き立てるのである。

ソ連が崩壊し共産主義の脅威が去った今、なぜこんな“季節外れの”の歴史観が教科書の世界にだけ大きな顔をしているのだろう。なぜ自国の歴史を憎悪し軽蔑する心情がにわかに目立つようになったのだろう。

中韓両国への「謝罪」外交の失敗のつけを支払わされていること、それに抵抗できない連立政権の性格の弱さに由来することは一つの背景だが、それならなぜ国民は自国の歴史を憎み蔑む心情にさして反発せず、むしろそれを迎えるかのごとく乗せられ、自己否定を道徳的償いのように思い込んでしまうのであろうか。これはまだ少しも解明されていない、最大の心の謎である。

最近、ロンドンにいる友人の入江隆則氏から手紙があり、末尾に次のように書かれてあった。

「たまたまイギリスの歴史教科書を読み、それが日本のもの以上に日本に対して公平であることに驚きました。東京裁判で日本無罪論を展開した裁判官がいたことまでちゃんと書いてあります。日本が戦争に突入した理由も経済的・政治的に、日本にとっての必要性と合理性が示唆されています。日本の戦争によってアジアのみならずアフリカまで独立できたことが、ちゃんと書いてあるのです」(後にこの教科書はイギリスの中学生相当用の Macmillan版の Mastering Modern World History であると分った)

戦勝国はなにものにも呪縛されていない。日本の戦争はドイツの戦争とは異なるのである。イギリスをはじめ世界中がみな承知していることだ。50年も経てば、戦勝国と同じ晴れやかな認識に立つことは許されているのではないだろうか。

※この絵は1年後に急遽削除された。これは教科書改善運動の成果の一つである。
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