昨日の朝、テレビをつけていたら、島根県の離島で面白い高校での試みがある、というニュースをやっていました。
その島前高校(とうぜんこうこう)では、「島留学」というものを行っていて他府県からの生徒をすごくたくさん受け入れているのです。
元々は地元の生徒の人口も少なければ流出もあって廃校に追い込まれるところだったことからの苦肉の策みたいですが、今では「大学に行くためだけが高校生活じゃない。むしろ社会に出てからどれだけグローバルに活躍できるかが問題。そのためには今のうちからいろんな人、色んな文化と交流して見識を広めるのが一番!」という考えから島留学を謳うようになったということです。
皆さん実に活き活きと学んでいる様子が映し出されていました。
テレビではほかの高校にはない取り組みが映し出されていました。
例えば講師に学校の先生ではなく、地元の人とか専門家を呼ぶ。
農業の実習では地元の農家の方、陶芸の授業では陶芸家を呼んだり。
「島だから出来ない、とは言わせない。」というのがモットーのようです。
そしてその授業には事前に申し込んで許可を受ければ、一般市民の方も参加できるのです。
ティーンエイジャーの高校生と人生を半ば過ぎた方が一緒に同じものを学ぶことによってお互いに高めあい、それぞれの年代ならではの考え方やものの見方を受け取る。
ステキですよね。
ほかには課外授業で寺子屋みたいに、市営の塾でテーマに沿った議論を戦わせたり・・
ここでも専門家を呼んだり、一般市民が参加できたりととにかく人材育成と人の交流に余念がない、って感じでした。
この日は、「祖父がやっている酪農を受け継ぎたいが、島での酪農はすたれてきている。どうしたら酪農に未来はあるか。」という提議をした生徒が世界でも酪農が盛んな国はどうしてきたのかを調べた成果を発表し、漁業関係者の方がそれについての意見を述べたりしていました。
こうした取り組みは各地でもどんどん行っていただきたいし、応援したいな~と思いました。
閑話休題。
おとといの日曜日、ダーリンとゴルフに行ったのですが、そのゴルフ場にたどり着くにはかなりの田舎道を高速を降りてからさらに40分ほど走らなければなりませんでした。
のどかな田園風景とゆったりとした平屋のおうち、広々とした敷地を眺めながら私はふと、
「収入が確保されているなら、こういう田舎に住むのもいいねぇ。」とつぶやきました。
するとダーリンが、
「そんな気になるよなぁ。田舎の人たちってなぜか結構お金もってるもんなぁ。」と言いました。
それで私は自分の父方の親せきの田舎を思い浮かべました。
もうずいぶん前に訪ねたことがあるきりだけれど、おばさんどうしてるかなぁ・・って。
おばさんは地元の役場に勤めているので安定はしているはずですが、そんなに多くの収入があるわけではないでしょう。
けれど古くて大きな家に住んで余裕はありそうです。
「結局、使うところがないからじゃない? 毎日家と役場の往復で役場では制服を着るし、帰りに遊ぶところがあるわけじゃなし。だからまず洋服がいらないわよね。そいで、家でも少しの畑をやっているし、近所からの野菜のおすそ分けもあるみたいだからがつがつお肉を食べるわけではなければ、食費もそんなにかからないだろうしさぁ。家は先祖からのものだし、となれば衣食住なんにも使うところがないじゃない。
昔、海外旅行で農協ツアーの人たちを日本人の恥だ、みたいにバカにしてたときがあったよね。
みんなカメラを首からぶら下げて団体でぞろぞろ行動して、みやげ物屋となるとそれっ!とばかりに群がって買い物して・・って、それって旅行の本当の楽しみ方を知らないさもしい行動だ、日本人の旅行の仕方ってみんなああいい風なのか、って笑いものにされて・・
けれど思ったけれど、私ももし、こういう田舎にずっと住んでいて今度農協主催の海外旅行があるよ、町内の人たちもみんな行くから安心だよ、って言われて参加することにしたら、そうならない、っていう自信ないな~。」
と言いました。
来る日も来る日も変わらない日常・・・
夏でも5時を過ぎたら、山の陰がつくる色合いは濃くなりめっきり夜の色を呈してくる。
街に比べたら早い時間の夕食。
早い時間のお風呂。
少しばかりテレビでも見て、寝るだけ。
日曜日になりお休みだ、と言っても田畑は生き物だから手入れはしなくてはならない。
あっというまにお昼。
これから何時間もかけて街に出て、特に街に出なければ手に入らないものもないのにただブラブラと盛り場を楽しむ、というほどの気にもなれない。
別にいっか・・
ちょっと休憩とばかりにごろごろしているとあっという間に夕方。
家族で外食できるレストランが周りにあるわけではなし、今日もまた私が同じような変わり映えのないメニューで夕食をつくるんだ。
そしてそれを見た家族も新鮮な驚きがあるはずもなく、ただ黙々と夕食を食べるんだ。
弾んだ会話もなく・・
やれやれ、日曜だからってちょっとぼーっとしているともう夜だなぁ。
こんな日常を送っているなかで年に1度、海外旅行にでも行きませんか? 自分たちだけで行くってなると色々と調べて気も張るだろうけれど、これは町内の知った顔の人たちが行くのだから安心だよ~
ただツアーコンダクターの人についていけばいいんだよ~
そう誘われたら、たまの気晴らしと喜んで行くでしょう。
行けば「2度とここへは来られないかもしれない。」との思いからいっぱい写真も撮るでしょう。
近所の人たちじゅう私が今海外旅行に来ていることは知っているから、お土産を買わないわけにはいかないでしょう。
・・・となると、先述したような典型的な日本人の田舎モノのツアー行動をとりそうです。
「・・・そうやって暮らしててさ~ もう家の古さが限界に達したわ、ちょっとごまかし程度のリフォームじゃどうにもなんないのよ、建てかえなきゃ、ってなったとき、ケンちゃんならどうする?
どうせ1から建てるならこんな田舎じゃなくて、街でマンションでも買おうか~ とか思ったりしない?」
と聞くと、
「思うな~ だから実際、今このあたりの家も人が住んでない空き家になっているところが多いみたいだよ。」と言いました。
・・・人はこのようにして田舎を離れてしまうんですよね。(想像だけど)
どうしても離れられない事情がある人は別として、何かちょっとしたきっかけとかしがらみがない場合だと「じゃあ、何もここでなくても・・」となってしまう。
格段に街に憧れているわけでもない。
そこに行くだけで人生変わると思っているほど能天気ではない。
けれど、こんな田舎に比べたら便利なだけでも多少はマシなんじゃないだろうか。
そんなくらいの決断で田舎を後にしてしまうんではないでしょうか。
今では農業回帰とか言って田舎暮らしに憧れて逆に街から田舎に移り住む人もいらっしゃいますが、「自分が新鮮でおいしい野菜が食べたいから。」というだけで移住するほどの決心がつくほどの人はそんなに多くはないでしょう。
安全で美味しいものは食べたい。
けれどそれはそういうことをしている人から買えばいいなら、それで済ませたい、という人のほうが数として圧倒的に多いんじゃないかと思います。
だから島前高校の生徒が提議した「どうしたら酪農が栄えるんだろう?」というテーマは、「魅力的な農産物を作るようになれば自然に人が買ってくれるようになる。」→「衰退から脱却して隆盛する産業」→「村から人が出て行かない」という図式なんでしょうけれど、ここでは「村から人が出ていかない」は結果論です。
「出て行かない」どころか、「他から人が集まってきてしまう。」というくらい嬉しい悲鳴をあげるようになるためには、どうしたらいいんだろう?と考えるときそれは名産があるから、とかそんなことではなくて、結局は“人”なんだろうな、と思います。
島前高校の一番の売りである「島留学」もそうして集まった日本全国からの高校生がいるよ~というだけで異文化交流のるつぼという顔を見せるんですね。
そう考えると、島前高校の試みは素晴らしいものだけれど、すべて今のところ、学校側、大人がお膳立てしてやっていることばかりなんですよね~
生徒たちが自発的に「これをやりたい!」とか自主的に作り上げたプログラムが出来るようになったとき、ここは今以上にホンモノになるのだろう、と思いました。
そして私も、岐阜という東京や大阪に住んでいる人たちに比べたら、
「どこ? そこ。 そんな田舎にはなかなか行けないわねぇ。」と言われないように、岐阜のいいところをいっぱい探してリンクして提供できるようにしたいと思っていました。
例えば、全国的にも有名な鵜飼いとセットしてオーラソーマのリトリート企画をつくるとか。
けれど、それ以前に私が「わざわざ遠くからでも会いたくなるような魅力的な人」にならなくては意味ありませんよね。
そして私自身がそんな魅力的な人となるためには、もっともっと色んな人と出会い、交流する事そのものが必要なんでしょうね。
研鑽、研鑽、研鑽の日々あるのみだね。
がんばりまーす。
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