ある日、デパ地下でお惣菜を買いました。
ダーリンが仕事先の新年会だと言ったから内心、(やったー! 今日は夕食をつくらなくてもいいぞ。何か買って帰ろう。)と思ったのです。
そうして数種類のお惣菜を買って家に帰り、そのうちのある1つのパックを開けたときでした。
「あれ・・? これ、痛んでる臭いじゃない?」と思いました。
それは、「れんこんと鶏肉の黒酢あんかけ」というシロモノでした。
黒酢なのだから、酸味の強いにおいなのはわかる。
けれど、この酸味はおいしそうなにおいじゃない。
なにか饐えたような、というか・・ 食材が古くなっているかのような臭いだ。
腐ってまでいない、というのはわかるけれどその一歩手前、というような臭い。
こういうとき、皆さんならどうしますか?
もう1度そのお店にそれを持って出かけますか?
それとも「こういう状態なんだけれど・・」と電話をしますか?
あるいは「もう、いいや。ここでは2度と買わないだけのことだ。」とあきらめて何もしませんか?
私は最後の手を選択してしまいました。
もう面倒くさかった、ということもあります。
そして腐ってまではいないのだったら「こういう味です。」と言われればそれだけのことになってしまうだろうし、と思ったからでもあります。
当然、手付かずで残りますわね。
でも何となく勿体無い気がしてそのまま私は冷蔵庫にしまいました。
そして次の日。
いつもの夕食の席で、冷蔵庫からそれを取り出した私は、もう一度よぉくにおいをかいでみると、あれ? 何もにおわなくなってるなーと思いました。
まぁ、冷やしたんだから常温や温かいときに比べたらにおわなくて当たり前だったかもしれませんが、やっぱり昨日少し臭うような気がした、と思ったのは私の好みの味でなかったからなだけだ、と思い、食卓に出しました。
ダーリンは結構ぱくぱく食べていましたので、やっぱり何ともなかったんだ、と思いました。
私も1つつまみましたが、確かに感じない。
昨日よりむしろおいしいわ、なんて思っていました。
そうして夕食が終り、30分か1時間が経過した頃だったでしょうか。
ダーリンがいきなり、「うっ、胃が痛い・・」と言ってトイレに駆け込んだのです。
そのときには、「どーしたの? 大丈夫ぅ? 飲みすぎたんじゃないの? このところ付き合い酒も多かったしさぁ、胃腸が疲れてるんじゃないの?」と言っただけでした。
けれどそれから何度もダーリンは嘔吐しはじめたんです。
その間隔も徐々に狭くなっていきます。
尋常じゃない、と思いました。
これは食中毒、何かに当たった、という緊急性のものだ、と思ったとき、初めてハッとあの黒酢の鶏肉のお惣菜のことをようやく思い出したのです。
私が何ともなくてダーリンだけに症状が出る、ということは、ダーリンだけが食べたものということになる。
それはアレしかない。(厳密にいうと一切れは食べたけど)
どうしよう・・・
ダーリンに申し訳ないわ。
ただの食あたりだったらまだしも、これ、ノロウィルスとかO-157とかだったらどうしよう。
だんだん悪いことを想像してしまいます。
前にO-157で亡くなった人の症状を雑誌で読んだとき、だんだん苦しむ間隔が短くなっていき、そして家族がせめて、と思って背中をさすろうとすると、
「止めて! 余計に苦しいから。」と言った、というのです。
それとまさに同じ・・!
ダーリンは私が背中をさすろうとすると、「余計に苦しいから止めてくれ。」と言ったのです。
ダーリンが嘔吐しに何度もトイレに入り、戻ってくるたびに、
「ね? 楽になった? これで吐くもの全部吐いたって感じ?」と聞いても、
「・・うぅん。まだ残っているっていう気がする・・」と言います。
ええぇ~っつ!
これだけ吐いてるのにまだ残ってる、って感じで気持ち悪いの?
もうこれは救急車でも呼んだほうがいいな、と思った頃でした。
「あ、今度は下痢・・」と言ってまたトイレに駆け込みました。
だんだん下がってきてるんですかね。
とにかく身体が全部出し切ろうと頑張ってるんだな、と思いました。
お食事中の方、まことにすみません。(・・って、携帯かパソコン見ながら食事、ってないか。)
そうしてトータル、トイレに駆け込んだ回数が嘔吐が7~8回、下痢が7~8回ってところでしょうか。
ようやく収まったようで、「寝たい。」と言い出しました。
「病院行かなくて大丈夫?」と言うと、
「うん、まだ大丈夫。」と言います。
この“まだ”というのが恐い。
いまのところ大丈夫だけれど、まだこれからもっと大きな波がやってきそうだ、という予感でもするんだろうか。
私はひとまず「わかった。」と言って、こりゃあ今夜はまた真夜中とかとんでもない時間に救急車を呼ぶ羽目になるかもしれんぞ~ということを覚悟して、部屋着からもう1度洋服に着替えて布団のなかに入りました。
でも、心配で心配でねぇ。
O-157で我が子を亡くしたお母さんの手記では、
「ずっと苦しみ続けて、どうしてやることもできずにただ弱っていく我が子を見ているのが辛かった。」
と書いてありました。
そりゃあそうでしょう。
そんなこと、耐えられない。
そういう意味では一番辛い家族の亡くし方かもしれないなぁ。
どうしよう。
ダーリンが死んじゃったら・・ なんてことを考えていた割には、ほどなく私は眠ってしまいました。(なんて人・・)
朝になってダーリンに、「どう? 調子は。」と聞くと、「うん、もう大丈夫みたいだ。」と言って、さすがに朝食はスープしか口にしませんでしたが、普通に会社に出かけて行きました。
どうやら、ノロウィルスとかO-157の線は免れたようだ、とホッとしたとき、今度はめらめらとデパ地下の惣菜売り場に腹が立ってきました。
やっぱりアイツのせいだ。
最初から古かったんだ。
あちらとしてはその日のうちに食べたものについては責任は取るだろうけれど、次の日に食べたものについてどうこう言われても・・
その日じゅうにお召し上がりください、って書いてあるだろうが、って言うだろうなぁ。
けれど、生ものでもあるまいし、夏場でもあるまいし、揚げ物を一晩冷蔵庫に入れておいたぐらいのことでここまでになるってことある?
絶対やっぱり最初から古かったんだって。
私はそのデパートのHPの「お客さまからのお問い合わせ」というメール欄に今回のことを書き込んでメールしました。
苦情というつもりではありませんでした。
絶対そこのせいだよ! とは思っていたものの、現物がもうない以上証明できる話じゃないですからね。
ただ私はその「れんこんと鶏肉の黒酢あんかけ」はその日の特売だったので、ほかの惣菜より倍くらいのボリュームで販売していましたから、多くの人が買っただろうなぁ、他の人たちは大丈夫だったんだろうか? 同じ様な意見が寄せられているということはないんだろうか?
だったら一言うちでもこういうことがありましたよ、という事実だけは伝えておいたほうがいいのでは、と思ったのでした。
そうしたらものの1時間もしないうちにすぐに担当者と名乗る人物から電話がかかってきましたよ。
「ご主人、大丈夫ですか? その後、お加減いかがですか?」って。
よしよし、一番心配してくれるところを心配してくれてるな。
いちおう、合格。
「病院へは行かれましたか?」
「いや、行ってないと思います。もう大丈夫、って言ってたんで・・」
「行ってくださいよ。うちが費用はもちますので。」と言う。
ん? とここで違和感。
はっきりとそちらに責任がある、と認めるのか?
それもわからないうちから病院の費用はもちますから、っておかしいんじゃあないの、と思うが会話をつづける。
「これからそちらへご説明にうかがってよろしいでしょうか?」と言うので、
「は? これからはちょっとお客さまがいらっしゃるので都合が悪いです。
けど・・ どちらにしてもわざわざ来て頂かなくても大丈夫ですよ。
私は他からもそういう申し出がなかったかなぁ、ということが気になったのと、あそこのお店ってあそこで調理をされてるわけじゃありませんよね? なので、いつ調理したものを持ってきてるんだろう、っていうのが知りたかったには知りたかったですけど。」と言うと、
「ハイ、それはですね・・」と流暢に説明がはじまった。
さすがにこのフロア担当者もそこは気になって、あらかじめお店に聞いてきたらしい。
「他の方からはどこからもこのような報告は受けていないです。
ご指摘のようにあのお店はあそこでは調理をしていませんで、別の場所の工場で調理をしておりますが、それらの食材はすべて当日調理したものを当日売り切る、というかたちで行っているとのことです。」
・・・あ、そう。
なおさら、それだけ聞けば来て貰うようなことは何もないじゃない、と思いつつ、
「私が言っていることはすべて証明できないことばかりなので、どこまで本当のことなんだ、と思って聞いてらっしゃるかもしれませんが・・」と言うと、
そこだけやけにわが意を得たり!って感じで、「えぇ、えぇ!」と返事をしたのがなんだか気に入らない。
「あきらかに買った直後で家でパックをあけたときに饐えたような臭いがしたんですよねぇ・・」と言うと、あちらさんも、
「黒酢ですからねぇ・・」と言う。
もう、こんな不毛な会話を続けても仕方がない、と思って、
「わかりました。
うちの主人も回復にむかってますし、食材についてはその場で申し立てない限り、何も証明できないなかでどうのこうの言っていても始まりませんしね。
ほかからはそういう報告もないなら、それで結構です。」と言うと、
「よろしいですかぁ?」と向うもほっとした様子で電話を切りました。
でも、何だか釈然としない・・
うちはそのデパ地下にもう一度行こう、と思えば行ける距離だったのだから確かめに行けばよかった、と悔やみました。
けれどたいていの人はいったん家へ帰っちゃって食品が「あら? これ、おかしい。」と思ったとき、どうするのかな~
電話の1本くらいはその場で入れるんだろうか?
そうしたら向うはどういう善処というか提案をしてくれるんだろう?
最近ではあまりにもモンスタークレーマーのことなどが取り上げられるせいで、「私はそういうつもりじゃない。」と、普通の人がクレームをつけなくなった、ということも聞きます。
クレーム=言いがかり、と思ってしまうんでしょうか。
クレーム、という言葉がいけないようにも思いますねぇ。
ひとまずは「事実確認」ですからね。
すぐに動かなかったせいで、結局後だしジャンケンのようにメールをしたせいで、釈然としない気持ちだけが残ってしまった出来事でした。
しかも・・
ダーリンには何度も「ごめんね、ごめんね、私がおかしいかも、って思ってのに食卓に出しちゃったから。」と言っても、「いいよ・・」と言うだけ。
私は、「キミのせいじゃないからいいよ。」という言葉を期待してたんですけど、どうやらそこまで言う気にはならないみたい。
っていうか、どこかで「だからおまえ、あんま食べなかったんだろう・・」と思ってるっぽい。
うわ~~~
ダーリンの信頼を失うことが一番恐いわ。
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