少し前の話題になってしまいますが、「共食い」で芥川賞をとった田中さんの記者会見が話題になりましたね。
「4度も落とされたら(田中さんはこれまでに4度候補になっているのです。)断ってやるのが礼儀かと思いますが、私は礼儀を知らないので、・・・もらってやる。」とか、
「どうしてそんなに不機嫌なんですか?」と尋ねられて、
「この会見がですよぉ。」と泣きが入ったりしていました。
これが本当に根性悪い人かと言うと、生来の人の良さがどこかに見え隠れするようなほほえましさがあるので、記者の人たちも一見辛らつにみえるような答えが返ってきても、会場は常に笑いに包まれていました。
そして私は、田中さんのこの答えが印象的です。
田中さんは20歳から小説家をめざし、現在39歳。
苦節20年にしてようやくこれから食べられるか、というトバ口に立ったわけですが、これまでいっさい、定職どころかアルバイトさえしたことがない、と言います。
それを記者に「どうして働いてみよう、とは思わなかったんですか?」と尋ねられて、彼はこう答えました。
「働いたら、負けだと思いました。」
この意味するところ、私にはよぉくわかります。
これを本業にしたい!という強い願いがあるとき、単なる食い扶持を稼ぐという手段のために別の職業に手を出すことが自分が勝負に負けたかのように思える、ということ。
私もオーラソーマで食べて行くのは大変だけれど、それ以外のことでお金を稼がなければならない、ということに対して、「同じお金ならなんでもいい。手段は選ばない。」とはどうしても思いたくはありません。
オーラソーマをより引き立てるようになるようなこと、私のオーラソーマのスキルがあがることにつながるようなことしかやりたくない、と思っています。
そして、私は田中さんと同じ作家の浅田次郎氏の生き様をふと思い出しました。
彼が自分のエッセイに書いていたことですが、浅田氏も売れない時代がずーっと長くありました。
その間、彼の場合はいろんな職業を経験していますが、ただ1つだけ自分に課していたことがありました。
それは、書けても書けなくてもとにかく1日6時間は机の前に座っていること、それが彼の“作家”としてのプライドだったのです。
浅田氏は書けないときは、6時間身じろぎもせず、腕組みをしたまま原稿用紙を前にただ座っているだけ、という日も続いたようです。
しかし、彼は、そんなにも書けないならその時間はほかごとに費やそうとはしなかった。
なぜならそれが彼の職業だからです。
彼はほかの仕事もしていた時期がありますから、疲れて帰ってきて、睡眠時間を削っての夜更けから朝方にかけての6時間というときもあったことでしょう。
そんなとき、今日も書けそうにもないなら、いっそちゃんと睡眠をとったほうが身体のためにもよいだろう、と寝てしまう、という選択はしなかった。
精神的に楽なほうを選ぶなら、ちょっとの間短期のアルバイトでもやったほうが気がまぎれたことでしょう。
でも、その方が楽だから、という理由では彼はそちらへ流れようとは微塵も思わなかった。
なぜなら重ねて言いますが、それが彼の職業だから。
浅田氏にも今回芥川賞を受賞した田中氏にも共通した、“意地の張り方”を見たなぁ、と思いました。
いわば、ふたりともいつでも闘えるように、ファイティングポーズをとることだけは決してやめなかった、ということです。
たとえそれがシャドーボクシングでも、ファイティングポーズをとらなくなったときは、それは自分に負けた、ということだから。
逆な言い方をすれば、自分にとってそれはファイティングポーズを取っていることだ、と胸を張って言い切れることであれば、アルバイトをしようが派遣会社に登録しようがいいと思います。
ぎりぎりまで努力しているか。
そういうことだと思います。
そんなことを思っていたら、先日ある研修を受けていたとき、同じクラスに参加していた方が、ランチの時間にまで持ち歩いていたノートに何かを書こうとして、やはり、でも言葉が出てこない、という感じで、
「あ~! だめだ。やっぱり、書けない。」と言ってノートを閉じました。
その人はたぶん、講座の内容を自分なりに理解した言葉で、休憩時間にまとめようとしていたのだと思います。
でも、できなかったので、結果的にはノートを閉じ、ペンを置いた。
その様子を見ていて、私は、(でも、ペンをかまえて、ノートを開いて、いつでも言葉がつむぎ出せたら、すぐにノートにそれを吐き出すぞ、というところまで彼女はやった。ぎりぎりまで努力した。えらいなぁ。)と、田中氏と浅田氏のことを思い出したのでした。
私たちは日常、ほんとうは出来るかもしれないのに、ずいぶん手前の地点で実はあきらめてしまっている、ということがありませんか?
例えば、毎朝ジョギングをすることにしている、とします。
健康にいいことはわかっているけれど、毎日となるとちょっと起きるのにつらいって日もあるよな~ さぼりたいと思う日もあるよな~、とか思っちゃいますよね。
そんなとき、前日に天気予報では「明日は雨。」と言っている。
これ幸いにと、「明日はこれでは出来ないな。」とあきらめてハナから目覚まし時計をセットする時間を遅らせる。
でも、天気予報は外れることもあるし、霧雨のようなよわ~い雨だったら、ウィンドブレーカーを羽織る程度でジョギングには差し支えないかもしれない。
でも、いつものように朝起きて、ぎりぎりの時間にその判断をしよう、とはしなかったりする。
いいや、いいや、1日ぐらい、と自分を甘やかし、惰眠をむさぼる。
まぁ、楽しみの趣味でやっている程度のジョギングのことでこんなに厳しく自分を戒めることは必要ないかもしれませんが、自分が本当にやりとげたいと思っている夢があれば、やはりそれはぎりぎりまでファイティングポーズをとり続けた者が最後には笑うのだ、という気がします。
ちょっとあらためて気を引き締めようと思いました。
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