どうも現代人にとって「恐怖」とは癒しらしい・・という話を知っていますか?
どういうことか、と申しますと、何に対して癒されるか?というのはもともと人それぞれってことですよね。
たとえば、自然に触れたり、緑があるところに行ったりというといかにも癒されるようですが、毎日自然に触れたり、目の前が緑だらけという郊外に住んでいる人にとってはそれは見慣れた光景でそれで癒されるというものではありません。むしろ、都会に来て、超高層ビルに泊まり、エアコンの効いた部屋でテレビでも見ているほうが癒される、ということになります。
私のように郊外にいって滝をみたり、小川のせせらぎをきいたりして「アーマイナスイオン!」といって喜んでいるのは街中の喧騒の中に住んでいる人間でしょう。
これと同じ理論で、人間は普段の日常生活のなかでは味わえない感覚や感情に出会うと癒される、という理論です。
では、現代のなかで日常的に最も味わうことのできにくい感覚や感情とはなにか・・というとそれが「恐怖」だというのです。それも死ぬほどの。
俺はマフィアでヤクの密売をやっていてしょっちゅう対立している組織から命を狙われているんだぜい、とかグラディエーターなら別ですが、まあそういう方は私のブログをあまり見ていらっしゃるとは思えないので、ごく一般的には「死ぬかもしれない恐怖」というものに日常的にさらされてはいないと思います。
これが原始時代だったらどうでしょうか? 男は毎日のように洞穴から狩りに出かけなくてはならず狩りに出かければ当然倒す、倒されるという関係でどちらがいつ倒されるかもしれないという恐怖にさらされているわけですし、女は洞穴で待っていてもドアにかぎをつけるわけにもいかず、いつ猛獣が穴の中まで襲ってくるかもしれない恐怖にやはりさらされていたわけですよね。こうなると恐怖は日常です。
そしてこの恐怖を感じる脳が俗に「爬虫類脳」と呼ばれているもっとも原始的な脳のなかでも奥のほうに存在する部分で、これが昨今の人間はあまり使われていないそうなんです。
使われていないものは、筋肉でも同じですが萎縮します。少し使っていない筋肉をストレッチなどで伸ばすと痛いながらも気持ちいい、やっぱりたまには使わなきゃなあ、という気になるものですが、爬虫類脳もそれと同じでたまにはストレッチして使ってやらなければいけないんだとか。それが、あえて「恐怖」を味わう、ということにつながるのです。
ジェットコースターに乗る、ホラー映画をみる、これらは爬虫類脳を刺激するので現代人にとっては、たまにはとってもいいようです。
もっとも、それが確実に安全だ、と確認された状態で行われることが条件ですが。最近では結構ジェットコースターの点検不備による事故なども起きているのであまり信じられなくなってきましたよね。
いちばんいいのはやはり、恋人同士がしっかりと手を握り合ってみるサスペンス映画でしょうかねえ。
ちなみにダーリンはホラーとかサスペンスとかが大好きで、DVDをよく借りてきます。しかも世間が「おもしろい!」とお墨付きを与えたものはオイヤらしくて、自分が「おもしろい!」と初めてお墨付きを与えたいらしいのです。だから、ダーリンが借りてくるものはすべてB級で、三流以下のものばかりです。
見始めてものの10分もしないうちに「おもしろくなーい! こんな駄作よく作ったなあ!」と言ってやめてしまうことも少なくありません。
私には、いくらは虫類脳のストレッチのためだ、といわれてもホラーやサスペンスの良さはあまり理解できないのでおつきあいしかねます。サイコホラーのような心理的なサスペンスものならまだ、いいんですけどね。
ダーリンの好みはオチも何もなく、ただくらーく、救いようもなーく、終わっていくものばかりなんです。
最初は、「何で、こんなものがすきなんだ! この人はどっか精神に欠陥があるのでは! 健全じゃないわ!」と思いましたが、今では、「よしよし、古代脳の手入れをしておるな」ぐらいに思っています。でもやはり、おつきあいはしかねます。私にはど~もオチもない怖さはストレスになるだけのようです・・
そりゃあ、「気付き」による癒しのほうが良いに決まってますよ!ね!今まで読んでくださった皆さんならそう思うでしょ?