3/4(月) 19:56 関西テレビ
天台宗の男性僧侶から「坊主に逆らうと地獄に落ちるぞ」と脅され、寺で十数年にわたり性暴力を受けていたと告発した女性。
3月4日、天台宗の調査を受けて、涙ながらに“信仰心につけこんだ実態”を語りました。
■「長い間、性加害や恫喝、暴力による心理的監禁を受けてまいりました」
「天台宗」の事務所を訪れる叡敦さん
滋賀県大津市にある宗教法人「天台宗」の事務所を訪れたのは四国に住む50代の尼僧、「叡敦」さん。
叡敦さんは四国にある天台宗の寺の60代の僧侶から、2009年から約14年間にわたって性暴力などを受けたと被害を訴えています。
【叡敦さん 2024年1月】「長い間、僧侶Aから性加害や恫喝、暴力による心理的監禁を受けてまいりました」
叡敦さんは、男性僧侶に毎晩髪をそられ、尼僧として寺に住まわされたといいます。
■「坊主に逆らうと地獄に落ちるぞ」男性僧侶が性暴力や恫喝繰り返したという
男性僧侶は自らを“観音様の身代わり”という
叡敦さんによると男性僧侶は、自らを“観音様の身代わり”だといい、「坊主に逆らうと地獄に落ちるぞ」などと脅して心理的に支配し、性暴力や恫喝を繰り返していたといいます。
【四国の僧侶とされる音声】「仏さんはエッチはしてくれんよ。エッチで悩んでいる人がおったら、代わりにお前がエッチしてやらないかん」
叡敦さんは親戚で関西の80代の大僧正からこの男性僧侶を紹介された経緯があったため、大僧正に被害を相談するも「公になったら困る」などとして、取り合ってもらえなかったといいます。
【関西の寺の大僧正(80代)】「今でも私は彼(四国の60代の僧侶)を、この事があったのを信じられん気持ち」
叡敦さんは2019年、男性僧侶による暴行について、警察に告訴状を提出するも不起訴になりました。
■「信者さんが信仰している僧侶を奪うことはできないと思いました…」
「どんな暴力を受けても、耐えていかなければならない」
天台宗は事実確認のため本格的な調査に乗り出し、4日午後、叡敦さんからの聞き取りを行いました。
叡敦さんは男性僧侶と大僧正の僧籍をはく奪するよう天台宗に申し立てています。
2時間にわたる聞き取り調査を終えた叡敦さんは、4日午後4時すぎ、会見を開きました。
【叡敦さん】「14年たって、ようやく土俵にのれたかなという気持ちでいっぱいです」「壊れたカセットのように、暴言・言われた言葉が頭の中で常に回っている状態なんですけれども。事実確認を聞かれるたびにフラッシュバックがひどくて」
幼少期から信仰し、「仏」を精神的なよりどころにしていたと、叡敦さんは言います。
【叡敦さん】「どんな暴力を受けても、耐えていかなければならない。信者が信仰している仏様、信仰しているA(男性僧侶)を奪うことは、私はできないと思いました」
天台宗は今後も関係者への聞き取りを続けるとしています。