今週の朝採り野菜ボックスのお手紙です。
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石井さんのイチゴが始まりましたが、今回、複数パック頼む方が多かったです。今年も抜群に美味しいですからね~。ただ、去年は気温が高かったために半分近くが炭疽病(たんそびょう)という病気になってしまったそうです。
野菜の病原菌というのは大体が高温多湿で繁殖します。昨年の先は気温が高く、本来、9月からどんどん気温が下がってくるはずが夏日が非常に多い異常な秋でした。気温が下がると虫の活動が収っていくので、大根など冬野菜の種播きは9月頭から行うのですが、昨年はその頃に播いた大根が虫でほぼ壊滅した事は、みなさんも覚えているかと思います。
その時期からイチゴはハウスで育てるので、当然、露地より気温や湿度が高くなります。本来の気候であれば問題が無いはずが、過去に無いほどの病気が出てしまったのは、やはり異常気象の表れですよね。
それでも力強く育ったイチゴは今年も美味しいです
知らない方もいるかと思いますが、イチゴは実はバラ科です。だから新鮮で生命力が溢れるイチゴは何より香りが違います。
石井さんのイチゴが美味しい理由は、単にバランスが良い酸味と甘みが口に広がるからだけではなく、まず、芳しいイチゴの香りがふわ~っと広がるからです。イチゴがバラ科だと聞くと、イチゴの美味しさはまずは香りだということも納得出来ますよね。
ちなみに、サクランボ、リンゴ、洋なし、桃などもバラ科なのです。香りって、果物にとって美味しさの大事な要素なんですよね。石井さんのイチゴは数日おいても十分美味しいのですが、1日1日鮮度は落ちて香りは飛んでいきますので、お早めにお食べ下さいね。
続いて卵のお話です。
来月から30円値上げとなりますが、世の中は昨年からずっと高騰してましたから、今まで逆に値上げとならなかったのは、小倉さんとの顔が見える長いおつきあいだったからかな?と思っています。15年以上前から先代にお世話になっていたのですが、今は2代目の小倉さんとのおつきあいになっています。
卵は「物価の優等生」と言われてきましたが、昨年来、価格が上がった国内での理由は鳥インフルエンザです。鶏業界は産業化されているので、超大型の養鶏場は工場のように管理されているウインドウレス(窓が無い)鶏舎です。
外部と遮断されていているのでウイルスの侵入が防げると言われてきましたが、いったん侵入されると一気に広がってしまうというリスクがあり、何度も「今度こそ」といった鶏舎のモデルチェンジがされて来ました。
しかし、結局、目に見えないウイルスの侵入を何度も許して来ているのがウインドウレス養鶏場の歴史で、去年は100万羽以上が処分されました。この結果、日本の卵を支える鶏さんがいなくなったため、供給が追いつかなくなり品薄となりました。
そしてもう1つの理由は円安です。
日本の畜産のエサはほぼ輸入しているため円安で飼料代が高騰し卵代も値上げされました。ただ実情としては飼料の高騰に対し値上げのスピードが遅く、沢山の畜産農家が廃業しました。
必要な分は値上げするべきだと思いますし、数十年も価格がほぼ変わらなかった、つまり今までが安すぎたのだと思います。卵に限らず「まともな食べ物には適切な価格」がある、といった理解が広がれば良いですよね。