半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

最近の福島原発の影響は?

2011年09月15日 | 自分の時間
8月頭に、「東京電力福島第1原発事故に伴う損害賠償の範囲を示す中間指針」を出してから、1ヶ月が過ぎました。

千葉県民は精神的には大分安定してきていると思いますが、奥さんのママ友の中の一人は、毎週、市が発表している幼稚園の放射性物質測定値をウオッチングしているそうです。

NPО法人「チェルノブイリのかけはし」というところがありまして、被ばくした子供を日本に滞在してもらって少しでも回復してもらおう、という活動をされている方々がいます。

その代表の野呂美加さんの講演が先日成田であり、その講演録が我が家にも廻ってきました。


こういった情報が入ってくると、比較的「まっ、大丈夫じゃないの」というスタンスのうちの奥さんも最近は「放射能って最近どうなのかね?」といった心配が出てくるようです。


私も仕事柄、また、意識してそういった情報を見続けている立場なので、事故から半年、近況を整理してみたいと思います。


まず、福島のHPをちょくちょくみているとわかるのですが、他の地域と違って、やっぱり福島は特殊事情があります。

野菜については、地域によっては「放射性物質不検出」のところが多いです。
他県と全く同じレベルで「不検出」です。
つまり、大きな面積の福島、会津磐梯山など山々がある福島は、一概に「フクシマ」とは言えない状況です。ただ、やはり傷ついたイメージは取り戻せなく、桃もブルーベリーも激安で先月は売られていました。
福島に関しては、生活費まで全て補償するのは当然です。9月に受け付けたものを10月から支払うということが中間指針に書いてあるようですが、以前の生活に戻れない方々の気持ちもくんでもらいたいと思います。


ただ、一方で原発に近い地域はまだまだ多くの問題を残っていると思います。

まず、海。
県庁などの海のデータをみればわかりますが、海面の放射性物質の数字は下がっていますが、むしろ海底はセシウム、そしてカルシウムと性質が近くて骨に固定化されてしまう(=内部被ばくの期間が長年に渡って続く危険性が高い)ストロンチウムが、徐々にたまっています。

もともと、福島原発の近くの海産物は販売していないのかもしれませんが、海底に沈んだ魚の死骸やプランクトンを食べるカニ、エビ、貝などは、海をキレイにしてくれる代わりに、自分達の中に放射性物質を溜め込んでいるのが現状だと思います。

また国の規制値も、やっぱりおかしいです。

学校などは、測定値がかなり低くなってきてはいますが、1つ目についたのが「農村公園」というところです。
8月31日時点での農村公園での測定結果というものが載っていまして、(→コチラ)、これをみると


国の「校庭・園庭等における国の暫定基準値(3.8μSv/h)」

と書いてあります。


ここで「えっ、3.8μSv/hが基準値なの!?やばくねぇ~!?」と反応できる親なら良いですが、もしわからないのであれば、「数字感覚」を子供のために持ちましょう。

3月に書いたブログを見ていただいて良いと思いますが、「μ(マイクロ)」「m(ミリ)」といった「単位」を是非頭にいれておきましょう。
→その2
→その1


さて、3.8μSv/hというと、「/h」は「/hour=時間あたり」のことですから、1時間あたりです。

24倍して1日に換算すると、91.2μSv/日です。

これに1年に換算するために365日をかけてみると、33,288μSv/年=33.3mSv/年 です。

1年間公園にいることはないからといって、年間被ばく量が33mシーベルトにもなる公園が「暫定基準値ライン」なんです。


食べ物のベクレルの規制値、というのは、1kgあたりですから、毎食1kgそれを食べ続けたとしても、、、と考えれば、「そんな、1kgも毎食食べられないよ」といったイメージが沸き、直感的には大丈夫だとわかります。

しかし、この農村公園の規制値はどうなのでしょうか?

もはやヨウ素などは全く検出されない時期で、残るはセシウム、ストロンチウム、あるいは原発周辺ならプルトニウムといった半減期がシャレにならないものしか残っていないのに、この規制値です。


で、この「農村公園」は『「校庭・園庭等における国の暫定基準値(3.8μSv/h)」を2回連続で下回ったので施設管理者に利用制限の解除を要請する』となっています。

俳優の山本太郎が反対運動に行ったときは、「年間20mシーベルトの規制値は高すぎる!」といっていました。

あれ?年間20mシーベルトって、さっきの「校庭・園庭等における国の暫定基準値(3.8μSv/h)」を1年換算したものより低いじゃない?

あれれ?私の計算が間違っているの?

それとも、何か係数をかけるのかな?


・・・と私も混乱していますが、逆にいえば、単位が「時間あたり」なのか「年間あたり」なのかで、全然違ってくるんですよね。


客観的にみつめてみると、福島の規制値は、おかしいと、直感が言っています。


では、我が千葉県はどうか?というと、農産物や水などは6月ぐらいまでは多少出ていましたが、それ以降は、不検出が多く、落ち着いています。

・水は不検出
→コチラ

・農産物も不検出
6月に少しだけ出ましたが、それ以降は大麦、お茶以外は不検出です→コチラ

・飼料米は籾付きでも不検出→コチラ
・牧草は4月は超えていましたが、6月ぐらいから落ち着いてきました→コチラ

・原乳もほぼ不検出→コチラ


もちろん
・お茶(荒茶)
・水道終末処理場の汚泥→コチラ
からは出ています。

「荒茶」というのは、摘み取ったお茶を業者が煎って乾燥させたものです。ただでさえ、小さい葉の塊で放射性物質を受取やすいお茶ですが、多分生のまま1kgで測定したら、規制値はオーバーしません。煎って乾燥させて、その軽い状態で1kgとか単位量を測ったから出ているだけです。

汚泥も同様。水道水からは出ていませんが、その沈殿物は濃縮されているわけですから、素では出ないものも出るわけですよね。

じゃあ、原発問題が起きる前に同様の検査したときはどのぐらいの値だったのか?という比較データがあればいいんですが、それが無いから、本当に規制値が正しいかわからない。。。

これも問題ですね。

ちなみに、魚は、暫定規制値以下で少しですが放射性物質は検出されています。
ヨウ素はすぐに出なくなりましたが、セシウムが出ています。
→コチラ

マアジが少しですが確実に出ています。
→コチラ

現状の数字が事故前と同レベルなのか、上がっているのか、知りたいものです。

そして「生物濃縮」を考えると、魚介類系は、先々が少し不安ですね。


日本が広大な面積で、お金もざっくざっくあるなら、「原発周辺●kmは全部移住しましょう」と言えたのでしょう。
「疑わしきは、移住」という強制措置もできたのでしょう。

チェルノブイリでは、お金は無く、データも無かったのですが共産体制だったので「強制」ができました。
なので、「金は出さないけど強制移住」をさせたわけですが、3年後、移住したところも「超汚染地帯だった」そうです。

また、当初は「強制移住」をさせていたのが、そのお金も無くなってきたので、放置したそうです。
あるいは、村を除染しないまま埋めてしまって戻れないようにしたそうです。しかし、これもお金が無くなって、村の道路を挟んで半分が埋められて、もう半分は放置されて、住民がそこに麦を植えたり、、、といった状態だったそうです。

日本はそこまではしないですよね。面積も大きくなく、補償せずに強制移住などする国ではありません。
もちろん「お金」がジャブジャブあるわけではありませんから。。。(どこの国もそうですが)


その土地で生まれ、育った人々。生活の基盤がある土地。

それを半永久的に壊滅する「核放射性廃棄物」は、稼動している原発から、未だに生み出されています。
青森県六ヶ所村に埋めるのも、「暫定措置」に過ぎません。
高速増殖炉もんじゅは、世界が「無理」としてストップした形式ですが、日本は事故を続けながらも未だにあきらめていません。あるいは、地層処理が「研究中」です。

原発に踏み出した時点で、「核放射性廃棄物をどうするのか?」といった呪縛からは離れられません。

誰もが不安を抱えながらも、「原発を容認してきた主権者」として、子供達へ責任を持っている者として、やはり原発は無くしていく必要があると思います。
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