駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

何を食べればよいか

2013年06月27日 | 医療

            

 何が理想の食事内容と摂取法かを定めるのは難しい。人間を使った食事の対照実験は困難で、しかも結論を得るのに何十年と掛かってしまうので、きめ細かい科学的な基準を出すのは難しいのだ。

 食事内容で得られるものは異なると思われるので、何を理想とするかも問題になる。単に長生きすればよいのか、猛烈に働ければよいのか、子孫を沢山残せればよいのか、楽しく生きられればよいのか・・・、人さまざまだろうし、社会にとっても何が良いかは難しいところだ。

 医療現場でも、疾患ごとの食事指導内容はこの五十年でかなり変わってきている。最近は糖尿病に対する糖質制限食、この考え方は以前よりあったのだが、その極端なものが非専門家から提唱され、糖尿病学会も微妙な反論を出している。

 どうも健康増進の食事内容を定めるのは簡単ではないようだ。勿論、妥当な線はあるわけで、厚労省が基準を示すのは意義深いと思う。しかも具体的なメニューまで考案して示すのは、画期的と思う。おそらく殆ど関心を示してこなかった国民も、具体的なメニューが出てくれば興味を示し、実践する人も出てくると思う。身近な材料で誰にでもでき、飽きの来ないバラエティに富んだものを期待している。

 

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