駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

相対性理論を待つまでもなく

2011年04月25日 | 町医者診言

 重力によって光が曲がるエディントンの観測結果に民衆は沸立ったけれども、アインシュタインは当然だとさほどの感動もなく受け取ったようだ。この物理の発見に先立つこと数千年前に、鋭い人間の観測者達は人間の言説は発言者の都合の良いように曲げられることに気付いていただろう。

 人間の政治的社会的発言には勿論内容の吟味評価が第一ではあるが、なぜそういう発言をするかというメタ解析が欠かせない。そしてもう一つ、発言者の辿って来た軌跡を追って置くことも忘れてはならない。こうした見方を裏を見るようで潔しとしないあるいは単純にそのまま発言を受け取ってしまうと、気付かない内に自分に不釣合いな方策に賛成していることになってしまう。

 人間と言うのは身勝手なもので、手術をしても延命できるのは五人に一人ですと説明されると患者さんの五人の内の四人は自分はその一人に入れると思うものだ。人間は自分は特別と思いやすい。特別とまでは思わなくても、少なくとも中流と思ってしまう。それを一歩踏み出て、既存マスメディアの構図を見破りたい。御用学者どころかに気付くだろう。

 尤も、医者の言葉までも脅しているだけだなどと裏読みで受け取るのは止して頂きたい。

 「えっどうしてまだS病院へ行っていないの、きちんと紹介状を渡したじゃない」。

 「あー、痛みが治まったんでいいかなと思ったんだよ」。

 「それじゃあ、手遅れになってしまうかもしれない。明日行ってください」。

 「まあ、そう言われてもね。運転免許の更新とかあるから、連休明けでいいでしょ」。

  がんが隠れていることもあるって、別に脅しているわけじゃあないんだが。

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