今朝は冷え込むという予報で、確かに昨日一昨日よりは朝の空気はひんやりしていた。しかし冷たくはなくむしろ心地よかった。葉桜の当地には、もう本当に寒い日は来ない感じがする。
内科系臨床医の仕事では口先三分と揶揄されたりするが、言葉のやり取りが大きな部分を占める。勿論、投薬の選択は非常に重要だが、生活習慣病と言われるように、その患者さんの生活というか人生に介入して良い影響を与えることが大きな仕事の柱になっている。
話をすることによって、患者さんの生活を変えてゆくのはさほど易しいことではなく、口先三分という人には、ではやってごらんと席を譲りたい。高血圧症脂質異常症糖尿病・・には食事と運動が大切で、特に肥満者には体重を減らすことが求められる。
受診するたびに注意されるのは楽しいことではなく、嫌な顔をされる患者さんも多い、そこを嫌にならないように、実行しやすいように具体的に食事標本を見せたり記録を付けさせたり、褒めたり慰めたりで、継続出来るように仕向けてゆく。勿論、中には、やってます、努力してます、頑張ってますと、言葉には言葉で応酬される患者さんも居られる。そういう時は、結果を出して下さいと切り返している。言葉のやり取りを言葉のやり取りで逃げ切らせないように、時には厳しく迫る必要がある。というのは高々3、4kgの減量で、明らかに疾病の状態が改善することが多いからだ。そうなれば薬も減らせるし、通院回数や検査の頻度も減らせる。厚生省も喜ぶかも知れない。
どちらかというと女性に多いのだが、言葉には言葉で擦り抜けようとされる人には結果を出してと切り返す必要がある。
こうした切り返しは患者さんだけでなく、それこそ口先三寸の政治家にも必要だ。言い訳、取り繕いそして目を逸らす新しい目標設定はもう沢山、言った通りの結果を出せと迫りたい。
違うと思います。
要は、患者を勇気づけるか、意気消沈させるか、だと思います。
私が定期的に通っている公立の総合病院の先生は、数値が良くなるとつまらなそうな顔をします。
先日なんか、血圧が下がったら、「今日のところはいいですね、今日のところは」と、云われました。
反対に数値が悪くなると待ってましたとばかり態度がイキイキします。
「薬を増やしますか」。
のど元まで出かかっている言葉があります。
「苦しむのは誰だ」、「医療費を払うのはだれだ」、そして「死ぬのは誰だ」と、、、。