K氏は中年になってからの友人だが、馬が合い親友になった。彼は十年程のサラリーマン生活後小さい会社を経営していたのだが、昨年息子に譲り今は悠々自適の生活をされている。
サラリーマン時代に麻雀とゴルフを習わされ、ゴルフは並だが麻雀は小遣いがいらないほどの腕前になったそうだ。二十年ばかり週に四、五日麻雀をやる生活を続けたが五十を境に止めたという。小遣い稼ぎにはなったが、そうしたお金は身に付かず負けた人に奢ってやったり、競馬競輪に使ったりしてしまったという。家庭をあんまり顧みず、どうもよくはなかったというのが氏の感想だ。
麻雀や競馬競輪などやりそうに見えないのでその話を聞いた時には驚いた。私も学生の時には麻雀を多少やったが、雀鬼には敵わず大負けはしていないが小負けをした方で、どうやって勝つのかと聞いたところ、よく観察して色々憶えておくのだそうだ。特殊な才能だと思うが絵のように記憶するのだという。
K氏は穏やかな人で競馬や競輪も熱くはならず少しやった程度というのはそうだろうなという印象だが、麻雀が強かったとは意外な気がした。K氏は非常に顔が広く、人の好き嫌いが少なく自然に人をよく観察している印象だ。そういう人は麻雀が強いのだろうか?。接待掛け麻雀で辞職した黒川氏も人付き合いが良いらしくそこはK氏に似ているようだ。しかし10万負けたとハイヤーの中でぼやいていたそうだから腕前はたいしたことはないらしい。
何となく不健康なイメージある麻雀のために書いておきたいのだが高齢間では三密でも掛けない飲まない吸わないの三ない麻雀が認知防止のために結構やられるようになっている。当院の患者さんにも三ない麻雀を楽しむ高齢者が何人か居られる。子供や高齢者は掛けなくても楽しめる優れたゲームと思う。