暑さも寒さも終わる頃、残暑残寒が一番心身に堪える。残寒という言葉はあまり使われないが、残暑と同じ意味あいで存在する。あと残すところ八月も今日を入れて二日なのにこの日中の暑さは何だろう。半世紀の記憶のある人間には異常としか言いようがない。それなのに小中学校の夏休みは昔より早く開けるようで、朝小中生とすれ違うようになった。小学校低学年や先生は大変だろうなと思う。
この異常な暑さの中で若さの特権か、テニスをしている若人を見かけた。確かに熱中症には要注意だが、炎天下に健康で若い人達が外で活動するのは大いにあってよいことと思う。六十年前の昔、炎天下で走り回った後飲んだ水道の水が甘露のように美味しく、齧る檸檬がちっとも酸っぱくなく気持ちよく感じられた。生きている感覚の原点で、生命の貴重な記憶だ。