駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

丸の内の変貌

2008年08月27日 | 
 年に数回上京する。仕事がらみのことが多いので、さほど歩き回る時間はないが、東京駅周辺はよく見て回る。この5,6年で、ちょっと時間がある時、出歩くのは八重洲から丸の内側に変わった。オアゾ丸善から新丸ビル、丸ビル、東京フォーラムまで地下街があり。地上へ出て足を伸ばせば有楽町まで近代的なビルと瀟洒な店が続く。
 先日の会合には外国からの参加者もあり、何人かと少し話をした。妻が東京の印象を聞くとカルフォルニアからのご夫婦は異口同音に「ビューティフル」。と言う。20年前ならちょっと違和感があっただろうが、今はそうかもしれないと首肯できる。
 富士山は美しいがそれは遠景。山肌は決して美しいとは言えない。市街地の美しさは富士山とは違い、眺めてよりも歩き回って感じ取られるもののようだ。おそらくビューティフルの印象に清潔感の占める割合が大きいのではと思う。イーストリバーに映るニューヨークの街並みや凱旋門へ続くシャンゼリゼ通りは見渡せば美しいけれど、歩き回れば清潔な東京がビューティフルなのかもしれない。
 例えば、確かに丸の内の清潔で整った近代的な街並みは美しい。しかるに21世紀に皇居が垣間見える紛れもない東京に出現したこの和のかけらもない街並みに、果たして我々が遠い昔から受け継いできた感性が生きているのだろうか。と妙なことを思った。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 王義之の印象 | トップ | ロンパリ現象 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

」カテゴリの最新記事