駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

理想の診察、白昼夢

2018年02月01日 | 診療

    

 昨日一昨日と患者が少なく、久しぶりに落ち着いて診察が出来た。半数の患者さんが一ヶ月処方なので、暮れ正月から一ヶ月になる一月末から二月始めは暇になるのだ。午前中に三十人は今の季節では少なく、終わった時に気持ち良く働けたと感じた。一昨昨日までは午前中に45人程度を診なければならず、手早く診察しながら見落としがないように気を張らねばならないのでとても疲れた。十年前は午前中に五十人くらい平気で診れた記憶がある、言いたくはないが年を取ったらしい。

 一人どれ位の診療時間が理想かなと、医者側から考えると、一時間に五、六人に思われる。患者さんと少し話も出来るし、考える時間も取れ医者もほぼ満足な診察が出来る。そうして午前中に十六、七人の患者を診てお仕舞いに出来たら七十前後の医師には一番有り難い気がする。看護師二人、事務二人。本当は一人一人で良いのだが、彼女達には臨時の休みが必要だろうから、余裕を持たせたい。これでも月に二百人は診られるので、収入は減るが税金もうんと減るので、職員に十分な給与を支払っても、夫婦二人なら余裕で暮らせる。

 診療レベルが落ちることはない、何と言っても長年培ってきた病院や個人の専門医との連携があり、適切な医師に紹介できるからだ。この頃は往診に力を入れている医師も居り、往診を依頼することも出来る。訪問看護ステーションやケアマネージャとの連携も上手くいっている。

 出来もしないことを考えた。こういうのを白昼夢というのだろう。残念ながら、医者は患者を選べないし、増やすことも減らすことも出来ない。

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