駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

鰻に聞いても

2015年08月17日 | 旨い物

               

 寿司、蕎麦、鰻は和食の極みで、これを旨いと食べられる幸せを感謝したい。土用の丑の日に鰻を食べ損ねたので、久し振りに噂の名店まで1時間ほどドライブして行ってきた。

 ちょっと分かりにくい場所で、民家を改造したような店ではあったが、噂に違わず美味しかった。予約した時に「鰻重でいいですか」と聞かれたので「はい」と答えてあり、メニューは見なかったのでお値段を知らなかった。食べ終わり先に車で待っていると、支払いを済ませ助手席に座った女房が開口一番「いいお値段よ」という。聞けば二人で八千円と言う。えっと驚いてしまった。時々行く市内の鰻Kが確か二千八百円くらいだったと思う。それでも高いと思っていたのだが、その上を行くお値段でびっくりした。これでは「またどうぞ」と挨拶されたのだが、次は来年になりそうだ。多くても年に二回が良いところだろう。

 この調子では旨いと評判の店ではいずれ鰻重五千円という日が来るだろう。新幹線の中で暴力団の暗躍する養鰻業という記事を見たが、どうも困ったことになってきている。絶滅危惧種だから保護はやむを得ないとしても、稚魚のシラスウナギの漁獲高が闇の中で、取材に行っても一寸それは教えられないどころか取材そのものが出来ない所も多いようで、保護しようとしても実態が不明で管理できないらしい。

 私が子供の頃は鰻丼が二百五十円くらいだったと記憶する。ラーメンは七十円くらいだった。ラーメンも何だか具の種類が増えて高くなったから、値上がり率が飛び抜けているわけではないかも知れないが、このままでは鰻の蒲焼きも絶滅する可能性があると感じた。

 落語でぬるぬる滑る鰻を捕まえきれず、店から出て入ってしまう新米職人が何処へ行くと聞かれて、鰻に聞いてくれというのがあったと記憶するが密漁が横行する現状では、これからどうなるか鰻にも分かるまい。

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