駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

困る、他人責きの人達

2022年10月25日 | 小験

            

 

 年を取ると誰でも多かれ少なかれ少しずつ呆ける。軽度で他愛のない物忘れであれば、病気とも言えず楽しく終わりを全うできる。しかしながらどういうわけか、物忘れでも人を責める人の場合は角が立って色々波風が立ってしまう。

 一番多く、困るのが物盗られ妄想だ。これは正直に言わなければならないのだが、女性つまりお婆さんに多い。見当たらないと(大抵は仕舞った場所を忘れただけ)盗まれたと言い出す。どういうわけか女性、嫁さんや時には娘さん、が盗んだと言い出す。盗んだと言われて聞き流せる人は少ない。悪循環が起き、家庭の中で孤立してしまう。間に入る息子もうまく収められる人は少ない。夫は既に他界していることが多い。

 医院や薬局に飛び火することもあり、薬を呉れなかったと怒りの電話が掛かってくることが年に何回かある。絶対間違わないということはないが必ず複数の目で確かめて患者さんの目の前で確認して入れているのでまず間違わない。全部渡さないということはあり得ない。ケアマネさんなどを煩わして見に行って貰い確認するとほらここにあるでしょと出てくる。何だあった不思議とは言うらしいが、謝ってはいただけない。正直、怒られた受付薬剤師はうんざりする。

 こうしたことが全国津々浦々で起きていると思う。他人責きの人達は厄介だ。飛躍し言い過ぎかもしれないが、女性の社会参加で平和志向が強まるという期待は必ずしもそうではないかもしれないと心配になる。

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