午前中診察した患者さんの年齢を眺めると十人に一人が九十代になっている。長く診療していると長く通院される患者さんも多くなるので当然のように思えるが、実はこれは長生きする患者さんが増えたということで、十四、五年前までは九十の坂を越えられる人は少なかった。八十半ばまではまずまず元気でも、八十代後半亡くなくなられる方が多かった。
今や日本は世界の中でもトップクラスの長寿国になった。なぜ長生きの人が増えたか、様々な要因があるのでこれだと一つの要因を挙げることはできないが、何といっても生活環境に恵まれているということが一番大きいだろう。格差が拡大しても衣食住に事欠く人はほとんどおられない。誰もがほぼ十分な医療が受けられる仕組みができている。介護システムは献身的な人達(多くは女性)によって機能しており、老人の一人暮らしにも様々な援助がされている。
街中の診察室に座って世の中を感知しながら、問題山積の内閣の挙動を見ていると、全体を総合的俯瞰的に見る力が不足していると感じる。
世界的な長寿国となった日本を支え続けるのは新型コロナでより一層難題となってゆくのだが、首相は携帯料金値下げ、ゴーツートラベル、オリンピックに固執して全体を総合的俯瞰的に見ようとしない。見る能力がないのかもしれない。
日本は自助共助は十分できている気がするが欠けるところがあるとすれば、それは優れた人物を公助に担ぎ出す作業だと思う。
久し振りのご訪問になりますね。
ありがとうございます。
> 首相は携帯料金値下げ、ゴーツートラベル、オリンピックに固執して・・・とございますが、携帯料金値下げについては中国のファーウェイ製のスマホに国で援助をして値段を安くし、そのためアメリカなどの製品が脅かされてきていることに対抗するために日本にも料金値下げの要請があったということではないのでしょうか・・・?
ゴーツートラベルも新型コロナウイルスのために旅館やホテルをはじめとする観光業界が大変なのでそれを助けるといったためなのではないのでしょうか・・・?
もっとも、観光業界と利害が絡む議員連中の圧力があるためだろうとは想像されますが・・・?
オリンピックは、つぎ込んできたお金はもちろんですが、これまで一生懸命にやてきたことをすぐすぐにはやめられないといったこともあるのではないのでしょうか・・・?
不勉強で政治や世の中のことなどよく分からないわたしの拙い考えです。
どうか、ご指導をお願いいたします。
携帯電話の値下げ要請がアメリカからあったという情報はないと思います。直接の国の補助はありません。単純に携帯電話料金が高いという庶民感覚を察知して、携帯料金を下げて一点突破で好印象を得ようとする戦略と思います。デジタル化促進の弾みになるかもしれません。私も携帯料金が下がるのは有難いと思います。しかし、物事は色々つながっていますので、良い効果ばかりではなくしわ寄せがありますし、他に重要な課題が山積しています。
ゴーツートラベルは観光業界の助けになりますが、同時に新型コロナの感染を拡大させます。そして現行のシステムでは高級旅館ホテルと大手の旅行業者が主に潤うだけです。新型コロナの感染を抑制することが急務で、旅行業者の方には他の援助形態を考えた方がよいと思います。
全世界にコロナが蔓延する現在半年後にコロナが終息するとは考えにくく、三密が避けられないオリンピックでコロナの感染を抑制するのは難しいと考えるのが常識と思います。無観客で一部の国の選手だけで開催するのは一つの方法と思います。いづれにしろ新型コロナ禍の現在、今から半年先のことを決めるのは無理です。放映権の契約継続とアナウンス効果のための戦略と思います。
政治は支持を得ることが重要でその戦略に優れているのが菅内閣と思います。コマーシャルと同じ手法が使われています。
新型コロナ対策と経済政策との兼ね合いが難しいのは確かですが、首相は正面に向き合って国民に丁寧に説明しようとしません。そうすると固執しているように見えてしまいます。
単純化して拙い説明をしましたが、物事は非常に複雑ですので、色々な情報を集めて考えないとなかなか理解できないと思います。