駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

ドナウの流れ

2010年05月07日 | 
 ヨーロッパはユーラシア大陸の西の端に位置している。イギリスやアイルランドなど数カ国の島国を除いて残りの二十数カ国は陸続きで隣り合って存在している。境界といっても県境と全く変わらず、列車で走っている内、いつの間にか隣国に入っていることは珍しくない。
 日本人の私には、それほど近いのに言語が異なるのが非常に奇妙に感じられた。勿論、ほとんどの人は隣国の言葉を解するようで、日本人が想像するほどは不便ではないらしい?。ホテルの受付などは数カ国語を流暢に話し、言語の天才のように見えてしまうが、特別な人達というわけではなさそうだ。
 人間の作った国境など無関係に大河はいくつかの国を貫いて流れている。ドナウはまさにそうした流れで、ドイツの黒い森から始まり黒海まで十数カ国を流域とするヨーロッパを代表する大河だ。
 オーストリア皇后エリザベート(シシィ)の愛したブタペストの中央を、街並みを映しながらイエローオーカーのドナウ河がゆっくりと流れている。河の流れというものは不思議なもので、エリザベートは勿論ナポレオンなど数々の歴史上の人物から、数多の庶民が眺めた河面を見つめていると私のような東洋から休暇でやってきたぼんくらにも、ヨーロッパの深く長い歴史が思い起こされ感慨深かった。
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