駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

台風一過の青空が見えない

2018年09月05日 | 人生

      

 夜半まで風の音がうるさく寝苦しかったのだが、いつの間にか寝入り、目が覚めたら風の音は消えていた。朝刊を取りに庭に出ると台風一過の青空はなく鉛色の雲が空を覆っている。二十世紀には台風が過ぎ去ると青空が見えたものだが、この十五年ばかりは一難去ってまた一難、いつまで続く泥濘かと感じる。微かに曙光はあり、備えあれば憂い少なしで、携帯の警報音が功を奏したか、台風の規模に比して被害は少なめだったようで、気象庁や災害対策関係者にはご苦労様と申し上げたい、被害に会われた方にはお見舞いを申しあげます。


 自分は四、五歳若く見えるし体力も年齢に比しまずまずと思っていたのだが、古希の峠を越えてから何だか急に衰えを感じ、あとどれくらい働けるだろうかとマジで考えるようになった。アラフォーを過ぎるころから個体差が出始め、アラカンを過ぎると同級生とは見えないような暦年齢と身体脳年齢の差が出てくる。最近は勉強会や研修会に出る回数もめっきり減ったのだが、まだまだせっせと出席している同年輩が数人いる。
 「おいY君、元気だなあ」と声を掛けると「物忘れがひどいよ」と言いながら元気溌剌としている。その言葉にちょっと安心しながらも、だんだん追い抜かれるようになったとギアチェンジを考え始めた。まだ医学雑誌に書いてあることは基礎があるので成程と頭に入るのだが、資格を維持するためのセルフトレーニングの問題がからきし解けなくなった。こんな難問を出しやがってと出題者の中に何人かいるはずの後輩の頭を小突いてやりたくなる。

 Time and tide・・と言うが、着陸態勢に入りましたと機長の声が聞こえる。出力を落とし急に静かになった機内で、さてどうやってどこまでと考えている。

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