駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

ノーベンバー

2015年11月16日 | 町医者診言

              

 本当は九を意味するノベンバーだがジュライ、オーガストが割り込み十一月となった。秋の終わり冬の始まりの特色のない季節で何もないノーベンバーと詠んだ人も居た。地域によっては紅葉の見頃で賑あう所もあるようだ。私は空気が澄んでさほど寒くなく、好きな月だ。

 11月に研修医が回ってくることが多く、今年もやってくる。10年前この制度が始まった頃の初々しさ情熱はなくなり延べ五十人ばかり面倒を見てきたのだが、この五六年はどんな研修医が来たか記憶が薄くなり、以前お世話になりましたと勉強会で挨拶され、果て誰だったかと言うこともある始末だ。

 厚労省はこの研修医制度を見直そうとしている。十年一昔だから良い考えだとは思うが、どう変えるのか気になる。全国から研修医が集まって研修医時代を共に過ごすことは卒業大学の異なる仲間が出来ることでとても良いことだと思う。唯、今の方法だと人気のあるところに研修医が集まる傾向があり、地方の大学の中には卒業生が首都圏に行ってしまい、他大学の卒業生も応募して来ず、新入生が足りず困っているところもあるようだ。

 中々名案もなさそうだが、現在のシステムは系列化している大学関連病院の壁を破ることのできる可能性があり、それは良い点だと思う。日本で良質の臨床研究がしにくい理由の一つに大学で系列化した関連病院の問題がある。系列化に良い点もあるとは思うが弊害の方が大きそうだ。この壁は強固で簡単には崩れそうにない。人材交流が壁を破る一番の方法と思う。どう見直すか、厚労省に広く意見を聞いて知恵を絞って戴きたい。

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