駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

なぜ新型コロナは抑えられているのだろう

2021年12月17日 | 医療
               

 師走も半ばを過ぎた。一年を振り返る季節なのだが、去年に続き取りあえずコロナでなあと言いたくなる一年だった。
 先日、忘年会ではないのだが数名の同業者と会食をした。なぜ日本ではこの三カ月新型コロナ感染が少ないのだろうという話になったが、前線の臨床医にはよくわからない。中枢の感染症専門医にもわからないようだ。彼らは聞かれればもっともらしい理由をいくつか並べるけれどもそれは見解というか意見で、裏付けとなる説得力のあるデータが不足している。果たして政府は現在日本で新型コロナ感染者数が飛び抜けて減少している理由を叡智を集めて研究しているだろうか、私は集められていないと見ている。
 二年も経つのに新しい感染症に対する人材を集めた政府対策機関ができていないのは日本の後進性の現れだと思う。まだわからないが、もしオミクロンによる第六波を小さく抑えられたとしたら、有効だったノウハウを感染で苦しんでいる諸外国に教えなければならない。どうしたら、オミクロンを最小限に抑えられますかと聞かれて追試可能な科学的方法を答えられるだろうか。
コメント
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