我が家にも数種類のユリが咲いてたが、今残っているのはクルマユリ(車百合)と種類のわからない白いユリである。
ヤマユリ(山百合)も咲いていたが、カメラで撮る前に散ってしまった。
なじみの山野草の販売業者が、珍しい山野草だと見せてくれた。名前を聞くのも、見るのも初めての植物である。四国、九州、愛知などのごく一部の深山に生えるというから、もちろん多摩丘陵に自生してはいない。
ワタナベソウ(渡辺草)と聞いたとき、これは発見者の名前だと思ったが、案の定その通り、発見した高知県の小学校教諭渡辺先生の名前である。私が発見すれば、学会では無名であるが、「寅太草」と付けるのであろう。
ランの名前が付くがキジョラン(鬼女蘭)は、ランではなくガガイモ科の植物である。秋に高尾山を歩くと、頭に毛の付いた種子を登山道で多く見かけるが、果実にはなかなか会うことがない。かなり成長しないと実が付かないので、果実のほとんどが高い木に巻きついた所にあるからである。
また葉と同じ色をした熟してない果実を、見つけるのも骨が折れる。
先日、高尾で緑の果実と蕾が並んだ画像を撮った。8月~9月に開花するので、観察を続ければもっと良い画像が期待できそうである。
本やネットで調べても、キジョランの実が、2年がかりで大きくなって熟して弾けることはあまり触れてない。鬼女の髪を振り乱した実を見つけようとするが、花や緑の実は注目されないからであろう。
この立派に成長した果実の隣に、今年の小さな蕾を見れば、2年説に納得できる。
鬼女蘭の名前は、鬼女に由来するが、蘭のことはほとんど説明がない。花が蘭に似ているからだろうか?
あるホームページに鬼女乱とあったが、こちらが正しいようにも思える。
高尾にアサギマダラ(浅葱斑)が多いのは、キジョランの葉がアサギマダラの幼虫の食草で、これが高尾にはたくさん生えているからである。
(高尾山)
偶然続いた欄シリーズであったが、終わるとなると寂しくなり、先日行った神奈川県立相模原公園の、コチョウラン(胡蝶蘭)を取り上げることにした。園内の大温室(神奈川グリーンハウス)の入口のスペースに、旬な花として臨時に飾ってあった。
壁面いっぱいに、鉢植えのコチョウランを並べてあり、これは壮観である。いくら後ろに下がっても、カメラの枠からははみ出てしまう。
これだけでは少し物足りないので、高尾山のアサギマダラ(浅葱斑)を追加する。
いつも遊んでくれるのは雌であったが、先日はアオスズラン(青鈴蘭)を撮りにいった時は、雄が遊んでくれた。
この日の目当てはアオスズランであるが、残念ながら花は終わっていた。がっかりして帰るところに、慰めるように現れたのは、待望の雄のアサギマダラであった。
羽根の下の黒い斑点が、雄の証拠である。
(2010.7.10) (2010年の群生を追加) (2010.8.15)