AND SO ON

世界の片隅から、愛をささやいてみたり @goo

映画『電車男』(※ネタバレあるかも)

2005年06月12日 | 映画
普段見る映画と観客層が違って新鮮でした。
若い女性が大多数。女子中学生のグループもいました。
カップルがちらほら。お母さんと娘さんという組み合わせも。

気軽に見られるロマンティック・コメディでした。
楽しかった。

エルメスさんが、ありえないほどいい人でねー。
この人がいい人でなかったら成立しない話でもあるんだけど、
おとぎ話だからいいんです。
(作品化されたときから、この物語はファンタジー化したと思います)
意地悪なシンデレラや性格の悪い白雪姫、
文句ばかり言うクラリスを、誰が見たいか、ということですよ。

主人公の電車男クンを演じる山田孝之くんは、
目鼻立ちがキュートなのに顎のラインがシャープではなく、
そこら辺が微妙にリアル。演技もうまい。
エルメスさんを演じる中谷美紀さん、
私はいままでキレイだと思ったことはなかったんだけど、
この映画では夢のようにキレイでした。

本筋は、ある意味古風な物語なんだけど、
そういう物語ほど職人技が大切でしょう。
それがね、大変心地よいわけですよ。
小さくてにやりとするエピソードの積み重ねも
そつがないし語りすぎない。
監督、どういう人? と思ったら、TVドラマの人でした。
ある意味場数は踏んでいるわけで。

その上、気づいたらやたらと俳優陣が充実していて。
小さな役で出てくる人のほとんどが、顔も名前も一致する役者さん。
この映画、企画発表から公開までものすごく短期間だったんだけど、
俳優陣の芸達者さもそれを支えたのではないかと思います。
 
この映画のクライマックスは、秋葉原での告白シーンではなく、
その直前、くじけそうな主人公を叱咤激励する無数の書き込みが
拍手のように降り注ぐ、架空のプラットホームのシーンです(断言)。

そんな夜が本当にあった。
と思うと、ちょっと涙ぐんでしまいました。
 
と同時に、主人公の告白の言葉に、そうだよね、
恋でなくてもいいんだ、人を好きになるんじゃなくてもいいんだ、
友人でも、家族でも、電車で偶然乗り合わせた人でもいい、
たまにはPCの画面を消してさ、
ちょっと隣の人を見てご覧よ、
ちょっとだけ言葉を交わしてごらんよ、
新しい世界が開けるかもしれないよ、
ということも、映画のメッセージとして感じました。

とか思いながら、私はまたPCの前だ、まったくーっ(笑)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする