『読むクスリ』 上前淳一郎著
■コラム集
一時期すごくハマって読んでいました。
新刊が出たら即買っていたほど。
ある時点でぱたっと辞めてしまいましたけど…はて?
「週刊文春」で連載されているコラムをまとめたものです。
確か「聞き書きならこの文章が秀逸」みたいなことを言われて、
それで読み始めたのでした。(聞き書きをする必要があったので)
ビジネスなどの第一線で活躍する人などの、
ちょっとためになるいい話を集めたものです。
どれも短いものなので、気軽に読めると思います。
長年続いているため(いまも?)、時代背景が色濃く出ていたりもしますが。
私の記憶に最も残っているのは、小学生(か中学生)の頃、
「ひまわりの花は、本当に太陽を追って首を振るのか」
と、先生に質問したら、
「どうだろうなあ。先生は本当だと思うが、きみ、見てみんか」
と言われた、という人の話です。
自分で調べろと言われるとは思っていなかったので驚いた、
教えてもらう以外に学ぶ方法があるんだ、と感動した、
そこでその年の夏休みにじっくり観察と研究をした、
しかし、1年で終わらなかったので、毎年毎年研究し続けた、
そうして、そのまま植物学者(生化学者?)になった、という話です。
確かにこの人自身素養があって、
「ひまわり、実際に首を振るぞ」とわかったら、次は
「暗い部屋の中でも追いかけるんだろうか」とか
「途中で反対を向かせたらどうなるんだろうか」とか
次々に新しい疑問が浮かんでは追究を始めるんですよ。
一言で彼を動かした先生もすごいけど
(もちろん、研究結果を報告するたびにすごくほめてくれたそうです)
素直に追究を始めた彼もまたすごいなあ、と印象に残っています。
そして結局、ホルモンか何かを発見するんですよね。
とまあ、こんな感じの話がぎゅーっと詰まっているのが、
この『読むクスリ』シリーズなんです。
いやちょっと、懐かしいなあ(笑)