『黒後家蜘蛛の会 1』 アイザック・アシモフ著 池 央耿訳/創元推理文庫
今年の目標その2「できるだけ本を読む」を順調に実行中です。
今までも
何度か話題にしてきたこの本を、またしても超絶久々に再読。
昔と変わらず面白くて、夢中になって読んでしまいました。
解説的なことは、上記のリンク先を参照していただくとして(手抜き)
今回読んだ感想は、思ったよりヘンリーって積極的に喋ってた! ということ。
もう少しみんなから「ヘンリーはどう思う?」と聞かれるまで話し出さない
記憶があったのですが、結構「一つ質問させていただけますでしょうか」と
会話に入っていっていました。印象って当てになりませんなあ(笑)
あと、真相を限定するため、その他の可能性を全部つぶさなきゃなりませんから、
かなり人物像や状況が極端になるきらいがあるので、そこがちょっと非現実的かも。
(それでも穴があって読者に指摘されたとか、アシモフさんぶっちゃけすぎ・笑)
全12作品中、最初の3作品は、こんなに久々の再読なのにすぐ真相を思い出しました。
もちろん記念すべき第1作「会心の笑い」は、絶対忘れないインパクトがありますが、
その後の2作も記憶していたより強烈だったんですね。びっくりしました。
そして、今回真相をすっかり忘れていた上に
読んですごくびっくりしたのが、6番目の「明白な要素」。
ホームズの有名なセリフ
「不可能をすべて消去した後に残るものこそ、
よしやいかにそれがあり得べからざることであろうとも、真実である」
に、ヘンリーが真っ向から挑んでいるわけですが、
一斉に驚愕の叫びを上げるメンバーと一緒に
読んでるこっちもびっくりしてしまいましたよ(笑)
そして、こんなに強烈なのにすっかり忘れていた自分にもびっくり(笑)
でも、クリスティーばりの会話劇なので気軽に読めますし、
アシモフには珍しく、登場人物の人物像が詳しく描かれていて
だんだんレギュラー陣に愛着がわいてくるのも楽しいところです。
それにしても、初版以来もう44刷も重ねているんだったら、
ちょっとは活字を大きくしてくれませんかね、創元さん。