『ディア・ファミリー』(月川翔監督作品/2024年)
先週の日曜日に観てきた映画です。
4月に引っ越して映画館が近くなったものですから
割と気軽に足を運ぶようにしています。
(今までは70km離れていましたからね)
詳しくは
公式サイトをご覧いただければと思うのですが、
まずは娘のために奮闘するご両親の、ある種の「諦めの悪さ」と
こぼれ落ちていた種が気づいたら花を咲かせるように、
期せずしてつながった縁が、その後に生きてくる様子が心に残ります。
というか、そういう縁を手放さないんですよね、お父さんが。
たとえ関係が悪くなっても再度結び直すしたたかさもあるし(相手の方にも)。
そして、ご両親だけではなく、
当事者である佳美さん自身の前向きな生き方や、
それを支えるお姉さんの奈美さんと妹の寿美ちゃんの明るさが心に響き、
だからこそこのタイトルなのだな、と思いました。
上映中に何度涙が流れたことか。
特に佳美さんの「みんなが私になにかしてくれようとしているときに、
寿美ちゃんだけは甘えてくれた」という言葉には、はっとさせられました。
もちろん、開発には莫大な費用がかかっているのですが、
そこもちゃんと描写されているので、むしろ好感がもてました。
夢を実現するためにまずは稼がなきゃ、という姿勢は大事だなと思います。
多くは語られませんが、社員の皆さんが社長一家を支えている様子も窺えましたし、
そういうところの目配りが行き届いている作品だと思いました。
それから、70年代から90年代が物語の舞台なので、
その頃の風景や雰囲気の再現もすごいなあと思いながら観ていました。
セダン型の自動車がいっぱい出てくるし、衣装とかワープロとか
中途半端に昔だからむしろ難しいのでは、と思ったのですが、
考えてみたら40年前だから全然「中途半端な昔」ではなかったことにも
ちょっとびっくりしたりしました。