引き続き
『SHERLOCK シャーロック』 シーズン2の箇条書き感想文です。
ネタバレもしていますので、未見の方はご注意くださいv
ちなみに私は吹き替え版を見ています。
2006.05.12撮影(小樽)
第3話「ライヘンバッハ・ヒーロー」。
・その名だけで心がざわつく「ライヘンバッハ」。
これが「最後の事件」でありホームズの死を描くことは明白なわけです。
その通り、冒頭はシャーロックの死に打ちのめされているジョンの場面から
始まります。
・数々の事件を解決してマスコミに祭り上げられるシャーロック。
自称「高機能社会不適合者」の彼のために、ぴったりくっついて
ふさわしいふるまいや口の利き方のアドバイスをするジョンが健気。
事件解決のお礼にカフスボタンをもらって「合うシャツがない」
タイピンをもらって「ネクタイしないのに」
ジョン「ありがとうって言え!」(笑)
・ジョンは、腹が立っても殴りたくなっても、
シャーロックのことを親友だしすごい奴だと思っていて、
だからそういう不適合な部分だけを見て世間から誤解されたくない、
と思っているのがよくわかります。
だけどモリアーティの奸計もあって、彼の危惧は現実のものとなってしまう。
・マスコミは持ち上げた後は落とすよ、って世界共通なの?
・計略にはまって逮捕されるも、手錠でつながれたまま逃走する二人。
後ろで頭を抱えているレストレードが(笑) ごめんね苦労かけるね。
・モリアーティ役のアンドリュー・スコットが名演で! すごいです。
ブルックとしての彼はそうとしか見えないし、でも一瞬だけ
モリアーティに戻るじゃないですか。あの目がすごかった。うええ。
というか、全員すごいんです。素晴らしい演技合戦でもありますこのドラマ。
・第2話で「ぼくには友達はいない」と言い放ってジョンを傷つけた翌日、
「ぼくには友達はいない。一人しか」と言い直したシャーロック。
モリアーティに「君の友達みんなの命を助けたければ」と言われたときに
「ジョン? ハドソンさん? レストレード?」と言う。
実際、この3人に暗殺者が差し向けられていたわけだけど、
ここで「私はあなたの数に入っていないから」と言ったモリーの存在が
がぜん輝くんですねえ。モリー自身がそう言ったくらいだから、
モリアーティも数に入れなかったんでしょう。ある意味隠し球。
控えめな秘密兵器。だから、この後起こったことは、きっとモリーが
一枚かんでいて、何かしらトリックがあったのだと思いたい。
原作以上に、あんなにはっきりくっきり「死ぬ」とは思わなかったから、
結構ショックで、見ているこっちも余裕がなくなりましたよ、ええ。
・シャーロックのお墓の前でのジョンには、本当に泣きそうになりました。
私もつい最近、大事なものを亡くしたから。気持ちがわかる。
「ぼくのためにもう一度奇跡を起こしてくれ。死んでちゃだめだ」
あなたには奇跡が起こるよ、って言ってあげたかった。
ていうか後ろに立ってるよ!
シーズン3に向けてのうまい引きだと思います。
何せこの後の展開は100年前から世界中が知っているわけだから、
死んだことにして終わらせられないですものね。
絶対続きが見たい!トリックの解説もして欲しい。
そして、ジョンは1発殴っていいよ。世界中が許すよ!
*****
「最後の事件」ではホームズの死が描かれていたわけですが、
現代における「死」とは肉体的な死だけではなく、
社会的な信用の失墜も「死」になるのだと思いました。
シャーロックがヒーローのまま死んだのだったら、
私の胸までこんなに痛むことはなかったでしょう。
捜査に失敗してバッシングされる、というのだったらまだよかったでしょう。
彼が世間的には「詐欺師」とされたことが、こんなにも辛いなんて。
ラスト直前、弟の死を新聞で読んだマイクロフトが、
弟とそっくりのポーズで物思いにふけるのが印象的でした。
彼も一枚かんでいるのか、それともジョンと同じく痛みに耐えているのか。
どちらにもとれて、ああやっぱり早く続きが見たいです。
シーズン3は今年撮っているみたいですね。
私はまだタイムラグが短くていいけど、リアルタイム視聴の人たちは
どんな思いだったか、それを言ったら100年前に10年待たされた
ホームズ愛好家の人たちはどんな思いだったか!
(ご同情申し上げます)